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 動物が飼い主を自分で選ぶというのは本当のようだ。アメリカ・ミシガン州にある高齢者介護施設には、スカウトという4本足の入居希望者がいる。

 スカウトは、地域の動物シェルターを何度も抜け出しては介護施設に忍び込んだのだ。それに見たスタッフは、ついにスカウトを介護施設で引き取ることにした。

 スカウトがこの施設のメンバーになって以来、入居者たちは大いなる癒しを与えられ、スカウトも満足そうだ。スタッフは「なぜかはわからないけど、スカウトは私たちを選んでくれた」と話している。

【画像】 動物保護施設から脱走して介護医療院へ行っていた犬

'Scout' the dog adopts Michigan care facility staff

 2017年に、ミシガン州アントリム郡動物シェルターに野良犬のスカウトがやってきたとき、スタッフはスカウトの顎(あご)にBB弾を撃ち込まれた痕を発見した。

 ほかにも体に傷があったことから、スカウトは誰かに虐待されてきた可能性が高いと推測された。

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 だがスカウトがこれまでにどんな過去を背負ってきたのかということは、スタッフは知る由もなかった。

 そのスカウトがシェルターを何度も抜け出すようになった。行先は同じ地域のメドーブルック介護医療院だ。

 たどり着くには高さ3mの金網フェンスをよじ登り、次にまた2mほどの頑丈なフェンスをよじ登って交通量の多い高速道路を横切らなければならない。

 これはちょっとした冒険だ。その後介護医療院に到着すると、玄関を通り抜けて正面ロビーにあるソファで快適に寛ぐ。

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 介護医療院のスタッフは、そんなスカウトの姿を少なくとも3回は目撃した。院管理者のマーナ・ロバートソンさんは、次のように話している。

スカウトは3回繰り返し脱走して、この院に入って来たんです。3回もですよ。

もちろんそれは注意を払うべきことです。だから私はスタッフに尋ねました。「どうもこの犬はここにいたいと思っているようよ。犬を飼いたい人はいる?」って。

 結果、スカウトは介護医療院の犬として引き取られることになった。

入居者やスタッフたちから愛されているスカウト

 2017年の運命的な決断は、すべての人にとって祝福となった。入居者たちは新たな施設のメンバーとなったスカウトを大好きになった。

 スカウトもまた、入居者たちに愛情を返すことを日課としたようだ。

 定期的に廊下を歩き、いろんな入居者、特におやつを持った入居者のもとを訪問するようになったという。

 賢いスカウトは、入居者たちのいる部屋のドアを開けることも自ら学んだようだ。

 介護医療院でコーディネーターを務めるジェニーマルティネックさんは、次のように話した。

スカウトは居住者全員のことを知っています。

誰がどこに属しているのかをちゃんと理解していて、当院を守ってくれています。

 さらに、臨床ケアコーディネーターのステファニーエルシーさんは、こう付け加えた。

スカウトは入居者が病気になったときや、体調が優れないときを知っていて、部屋に入って彼らと一緒に横になり慰めを与えます。

 スカウトを引き取って以来、入居者にとってスカウトは大きな癒しになっているとスタッフは言う。

どうしてスカウトがこの院を選んだのか、私たちを選んだのかは本当に誰にもわかりません。

でも、スカウトは自分の居場所を自分で選んだのです。

スカウトは、常に私たちに愛と喜びをもたらしてくれます。

すっかり介護施設のマスコット犬に

 スカウトが院に来てはや6年がたった。スタッフ一同「スカウトなしでは、もう私たちは過ごせない」と笑う。

スカウトは、確かに高齢者にとても好意を持っているようです。特に、施設の非常に弱い立場にある人々が必要としているものに同調する力を持っています。

入居者が認知症を患っている場合、または彼らが死につつある場合、スカウトはそれを察することができるのです。

そんなときは、彼らの部屋に行き、一緒にいて慰めをもたらしています。スカウトは、ただここにいる必要があると感じているに違いありません

 過去に虐待された経験があるからこそ、やさしい人たちがたくさんいる院を選んだのかもしれないという声もスタッフのなかにはあるようだ。

 いずれにしても、スカウトは正しい居場所を選んだのだろう。今もスカウトは院のみんなに愛され、大切にされているということだ。

References:Stray Dog Escapes Animal Shelter 3 Times to Claim Sofa in Elderly Care Facility–Now He Calls it Home/ written by Scarlet / edited by parumo

追記(2023/10/16)犬の名前の間違いを訂正して再送します

 
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動物シェルターを何度も脱走して高齢者介護施設に忍び込んでいた犬がついに居住者の一員となる