三池崇史監督が亀梨和也を主演に迎えたサスペンス映画『怪物の木こり』(12月1日公開)が、スペインシッチェスで開催された「第56回シッチェス・カタロニア国際ファンタスティック映画祭」(10月5日〜15日開催)にて、スリラー・サスペンス・アクションなどの作品がセレクトされるオービタ部門と、アジアの新作のショーケースであるFocus Asia部門に出品された。10月13日(現地時間)には、本作のワールドプレミアとなる上映会が行われ、現地入りした亀梨と三池監督が出席。ファンの歓声を浴びながら、笑顔でレッドカーペットを歩いた。

【写真を見る】亀梨和也、まさかのロストバゲージ…!現地にて自ら選んだスーツでレッドカーペットを歩いた

シッチェス・カタロニア国際ファンタスティック映画祭は、ベルギー・ブリュッセル、ポルトガルポルトと並ぶ世界三大ファンタスティック映画祭の一つとして知られる映画祭。毎年10月に開催を続け、今回で56回目の開催となる。過去には『十三人の刺客』 (10)がヴェネチア国際映画祭、『一命』(11)、『藁の楯 わらのたて』 (13)、『無限の住人(17)カンヌ国際映画祭に出品されるなど世界にその名を轟かせる三池監督の最新作というだけあり、本作の上映のチケットは事前の発売後、即完売。上映会場には1200人の観客が集結し、2人が登場する前から会場周辺は熱気に包まれ大きな盛り上がりを見せていた。

レッドカーペットに、亀梨は光沢のある鮮やかな黒いスーツで三池崇史監督と共に登場。実は今回、事前に用意していた亀梨の衣装が空港にてロストゲージとなり、映画祭前に衣装を急遽現地で用意することになるハプニングも発生。スペインの地で自ら選んだ衣装に身を包み、レッドカーペットを歩いた亀梨は「日本は12月1日に公開なので、ひと足先にワールドプレミアという形で、初めて関係者以外の方たち、それも世界の方のリアクションを感じられるというのは本当に貴重ですね。ドキドキしますし、ちょっとそわそわもします」とコメント。詰め掛けたファンとの交流を楽しんだ。三池監督は「映画ファンが集まる映画祭なので、ハードルは高い。でもエンターテイメントですから、みんな『これはどういうもんだ』と点数つけに来てるわけじゃないんですね。どうやってこの映画を観て、楽しもうかと考えている人たちなので、きっとそういう人たちに楽しんでもらえる映画だと思います」と久々のシッチェスの地を噛みしめるように、映画祭の魅力を語った。

その後、上映前のステージに大歓声を受けながら登壇した亀梨と三池監督。亀梨が「Buenos días! Mucho gusto. Me llamo Kazuya Kamenashi(こんにちは!はじめまして。私は亀梨和也です)」と笑顔で挨拶すると会場からは大きな拍手があがった。続けて亀梨は「三池監督と共に『怪物の木こり』という作品でシッチェス映画祭に来られたこと、本当に光栄に思っています」と満員の会場を見渡し、「監督が作りあげてくださったすてきで豊かな映像のなかに、それぞれのキャラクターの心情の変化、生きるとはなにか、人とはなにか、自分とはなにか(が映しだされている)。観ていただいた後に、皆さんになにかを持って帰っていただける映画になっていると思います。こうしてワールドプレミアで、この場に立たせていただいていることを本当に光栄に思います。皆さんぜひ楽しんでください!Gracias!(ありがとう!)」と上映を心待ちにする多くの観客に対してアピール。会場を沸かせた。

血しぶきが飛ぶシーンでは歓声があがるなど、世界最大のファンタスティック映画祭にふさわしい盛り上がりを見せる上映となり、終了後には拍手喝采となったこの日。観客と一緒に本編を鑑賞していた亀梨と三池監督だが、亀梨は「すごく緊張しましたね。上映中に一つ一つリアクションがあり、みなさん本当に集中して観てくださっていたのかなと思います」と興奮しきり。

さらに亀梨が「最後の方は本当にネタバレなので言えないですけれど、一番最後、この物語がずっと積んできたもののクライマックスのようなところは、ぶわっと沸いてくれていたので。あそこは鳥肌が立ちました」と感無量の面持ちを見せると、三池監督も「シッチェスのお客さんってお祭りみたいに、ストーリーとかそんなことよりも楽しめるところでワイワイやるっていう感じなんだけれど、今回は真剣に観ていて。こんなにも真剣に映画を観てくれるんだという感じがありました(笑)。最後に起こった拍手も、楽しんだというより、いい物語を観た、いい映画を観たという、温かい拍手でした」と確かな手応えを感じていた。

文/成田おり枝

『怪物の木こり』、第56回シッチェス・カタロニア国際ファンタスティック映画祭でワールドプレミア!現地ファンも大盛り上がり/[c]2023「怪物の木こり」製作委員会