●日本一の自然保護、生物多様性保全活動を選ぶ「日本自然保護大賞」の授賞者を決定
●今年で9回目。日本の自然保護と生物多様性の保全に大きく貢献した「日本自然保護大賞2023」の授賞者は5団体

公益財団法人日本自然保護協会(会員・サポーター約8万5千人、理事長:亀山 章)は、自然保護と生物多様性保全に日本で最も貢献した取組みを表彰する「日本自然保護大賞2023」の授賞者を決定しました。

  • 【大賞】保護実践部門

久保川イーハトーブ自然再生協議会(岩手県

外来種防除と耕作放棄地等のビオトープ化による生物多様性保全

久保川上流域における自然再生事業として、セイタカアワダチソウやウシガエルなどの外来種の防除に加え、耕作放棄地と放棄林のビオトープ化を実践。約50個のため池を造成し、間伐と定期的な下草刈りによって、里地里山らしい景観と生物多様性の再生を図り、希少な水生昆虫やモリアオガエルなどの在来生物が回復した。

  • 【大賞】教育普及部門

筑後川まるごと博物館運営委員会(福岡県

「昆虫と植物図鑑」を活用した生物多様性を学ぶ自然体験活動

2011年から実施している「ちくご川子ども学芸員養成講座」では、年6回の連続講座を修了した主に小中学生の子どもたちを「子ども学芸員」に認定している。2022年に発行した『みんなでさがそう 高良川の昆虫と植物図鑑』では、子どもたちが講座の野外活動で見つけた昆虫189種と植物71種を収録している。

  • 【大賞】子ども・学生部門

岐⾩県立岐⾩高等学校自然科学部生物班(岐阜県

守れ!ふるさとのヤマトサンショウウオ

2006年に、岐阜市で絶滅危惧I類に分類されるヤマトサンショウウオが発見されたことをきっかけに、同種の保全と研究を開始。生息地の整備では、外来生物アメリカザリガニなどの防除や清掃活動も行っている。保全活動開始時と比較して、保護卵嚢数は最大26倍(22年)、放流幼生数は最大14倍(16年)に増加した。

  • 【選考委員特別賞】

北海道美幌高等学校環境改善班(北海道

オホーツクの自然を守れ!~オホーツクから世界へ繋ぐ環境改善

2014年から外来種ウチダザリガニを累計1万2,000匹以上駆除し、在来種二ホンザリガニの保護活動を実施。2019年には網走川でのマイクロプラスチック調査や網走湖の環境調査も行っている。また、プラスチック製農業資材を使わない野菜栽培にも取り組んでおり、2022年には栽培した野菜を大阪阪急デパートで販売した。

  • 【選考委員特別賞】

呑川の会(東京都

呑川を知り愛着を深めるための教育、普及活動の集大成として

東京都大田区を流れる「呑川」流域の区民が中心となって、自然環境豊かな流域づくりをめざして活動している。2022年には呑川の解説本『わたしたちの都市河川 呑川』を発行。子どもにも見やすく分かりやすい教材とすることを目指し、呑川に想いを寄せる地域の先人たちの活動成果をもとに編纂。計1000冊以上を配本・販売した。

  • 「日本自然保護大賞2023」 

主催: 公益財団法人 日本自然保護協会

協賛: 経団連自然保護協議会

後援: 環境省、国際自然保護連合日本委員会(IUCN-J)、自然保護憲章普及協議会

選考委員:

亀山 章  日本自然保護大賞選考委員長/日本自然保護協会理事長/東京農工大学名誉教授

イルカ  IUCN親善大使/シンガーソングライター/絵本作家

中静 透  国立研究開発法人森林研究・整備機構理事長/森林総合研究所所長

藤田 香  東北大学 グリーン未来創造機構教授/大学院生命科学研究科教授

神谷 有ニ  (株)山と溪谷社 自然図書出版部部長兼経営企画部部長

土屋 俊幸  日本自然保護協会専務理事/一般財団法人林業経済研究所所長/東京農工大学名誉教授

ウェブサイト:https://www.nacsj.or.jp/award/index.php

■日本自然保護大賞とは

2014年、日本で自然保護憲章が制定されて40周年という節目の年に設立されました。日本自然保護大賞は、地域性・継続性・先進性・協働性の観点から、優れた自然保護活動、生物多様性保全活動を表彰しています。人と自然がともに生き、赤ちゃんからお年寄りまでが美しく豊かな自然に囲まれ、笑顔で生活できる社会をつくるためには、市民、学生、企業、行政、NGO、専門家など、さまざまな立場で、それぞれの特性を活かしながら、自然保護活動を進めていく必要があります。素晴らしい活動をより多くの方に知ってもらうことで、SDGsの達成やネイチャーポジティブの実現に向け、日本の自然保護を推進する力にします。

■日本自然保護大賞2023授賞者

第9回となる今年度は、3つの応募部門に対し全国各地から70件の応募をいただきました。いずれも熱意にあふれた意義ある活動ばかりでしたが、活動の将来性や社会への波及性などに注目して慎重に審議した結果、3部門につき大賞各1件のほか、選考委員特別賞2件への授賞が決定いたしました。また、6件の活動が入選となりました。

応募部門:

【保護実践部門】市民、学生、企業、行政、専門家などがそれぞれの立場と特性を活かし、

具体的な自然保護の実績をあげた活動、研究

【教育普及部門】自然観察をはじめ、広く自然保護を目的とした教育・普及活動

【子ども・学生部門】小学生から高校生まで、子どもが主体的に取り組んだ活動、研究

*上記の大賞3部門のほかに、該当者がいる場合は特別賞として「沼田眞賞」「選考委員特別賞」を授与。

2023年度は「沼田眞賞」は該当がありませんでした。

■日本自然保護大賞2023授賞式

今年度の授賞式は、各団体の活動地等を訪問して開催します。

会場、時間、出席する選考委員等の詳細は、事務局にお問い合わせください。

配信元企業:公益財団法人日本自然保護協会

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