趣里がヒロインを務める連続テレビ小説ブギウギ」(毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか※土曜は月~金曜の振り返り)。10月17日放送の第12回では、稽古シーンでスズ子(趣里)の後輩・秋山美月(伊原六花)が美しいダンスを披露。かつて“バブリーダンス”で注目を集めた伊原が、堂々とした演技で存在感を見せつけた。(以下、ネタバレがあります)

【写真】和服姿の趣里、伊原六花らUSKメンバーたち

■実力派メンバー・秋山美月、登場

ブギウギ」は、「東京ブギウギ」や「買物ブギー」などの名曲で知られる戦後の大スター・笠置シヅ子をモデルにしたオリジナル作品。戦後を生きる人々を楽しませ、励まし、生きる活力を与えた歌手・福来スズ子の波瀾万丈の人生の物語だ。第3週「桃色争議や!」からは、いよいよ趣里演じるスズ子が登場。梅丸少女歌劇団の一員として芸を磨いていく姿が描かれている。

秋山は、ライバルの花咲歌劇団から移籍してきた実力派の男役メンバー。第12回では、演出の礼子(蒼井優)にお手本を求められ、美しいダンスを見せた。一方で、同じパートを踊る辰美(片山友希)に厳しいダメ出しをしたり、新人たちに「(それなら)辞めてしまい!」と冷たい言葉を吐く場面も。意地悪な人物のように見えたが、その後スズ子と食事しながら会話する場面で、秋山が団員たちに厳しくする理由が明かされた。

■「才能いうんは、頑張る才能のこと」

「秋山の言いぐさ、なんとかならんやろか」とチームの空気がピリつくことを心配していたスズ子が「新人追いつめてどないすんねん」と問いただすと秋山は、かつて切磋琢磨していた踊りの仲間が事故でけがをして踊れなくなったこと、だからこそ踊りに必死になっていない仲間を見ると腹が立つことをスズ子に打ち明けた。

スズ子の「みんな才能あるわけやないやろ?才能なかったら、続けたらあかんのか?」という問いかけには「才能いうんは、頑張る才能のことです」と秋山なりの成功哲学も語った。

■「なつぞら」ではヒロインの友人“モモッチ”を好演

伊原は、大阪府立登美丘高校ダンス部キャプテンとして「日本高校ダンス部選手権」で披露したディスコメイクとボディコン姿のバブリーダンスが大きな注目を集め、「第68回NHK紅白歌合戦」(2017年)にも出場を果たした。

ドキュメンタリー番組で紹介されたのを機にその美貌も話題となり、高校卒業後は女優として活動を開始。「チア☆ダン」(2018年、TBS系)への出演や、主演作「明治東京恋伽」(2019年)などで活躍してきた。連続テレビ小説は「なつぞら」(2019年)でアニメーターの“モモッチ”こと森田桃代を演じて以来、今回が2作目の出演となる。

また、ドラマ「シコふんじゃった!」(2022年、ディズニープラス)では、大学相撲部の女子部員役を好演。ダンス仕込みの身体能力の高さで脚を大きくあげた見事な“四股”を披露し、総監督の周防正行氏が「自宅で編集が終わったものを見ていたのですが、横でずっと見ていた“同居人”の草刈民代が“伊原六花さんの四股が美しい”と言って、自分で、大きな鏡の前で四股を踏み始めたんです(笑)」とコメントしたことも。

■「頑張る才能、いいな」共感集める

伊原がこの日の「ブギウギ」で見せたダンスは練習室でのごく短いシーンではあったが、音楽が鳴ったとたん表情を引き締め、伸びやかに踊る姿は十分にダンスの素養を感じさせるもの。不器用だが人一倍ダンスに強い思いを持つ秋山らしさにも説得力を与えるワンシーンとなった。

そんな秋山に、視聴者からも「秋山さんの『才能ないからやめろ』そういう意味なのか」「秋山さん、単なるキツい子かと思ったけど違いそう。頑張る才能、いいな」といった声が集まった。

また第12回では、自分の売りが何か悩むスズ子に対し同期の幸子(清水くるみ)が「(自分に)あるとしたら落ち込まん才能や」、父・梅吉(柳葉敏郎)が「才能もないのに書くんが偉いやろ。辞めたらそこで終わりや。続けるんが一番つらいんや」と語るなど、キャラクター達がそれぞれ“才能”の意味について語るセリフも登場。「才能にもいろいろあるよね」「リリーや秋山、お父ちゃんのいう才能の話、グッときた」といった声が上がるなど、視聴者の共感を集めた。

秋山美月(伊原六花)/「ブギウギ」より (C)NHK