秋の訪れを感じさせる気候のなか9月末に開催された、GO OUT CAMP 2023(以下、GOC)。今回も会場には、珍しいギアやかっこいいテントを揃えるこだわり派なキャンパーが集結していました。そこで、こだわりキャンパーさんたちに「まだあまり知られていない面白いギアありますか?」と聞いてみると、想像を超えてくるギアとの出会いが。

今回は、見つけたギアの中でも、つい「なにこれ!?」と言ってしまうような面白ギア5つをピックアップしてお届けします。

めちゃくちゃ伸びて形が自由な個性派タープ。

アービプロダクツのフレキシブルタープ

会場で強烈な個性を放っていたのが、日本未上陸のブランドのインポートや、オリジナルのキャンプギアの展開を行なっているブランド「ARBI products(アービプロダクツ)」のフレキシブルタープ。

その佇まいは、まるでガウディの建築や岡本太郎の彫刻を彷彿とさせる、有機的なシルエットを描いています。

オーナーヒロシパパさん
家族とキャンプを愛する2児の父。色や素材の統一感や、ファミリーキャンプでの実用性を重視したアイテム選びがこだわりのポイント。他とかぶらないユニークなアイテムにどうしても心惹かれてしまう性分。

「Instagramをきっかけに知り、この独特のシルエットに惹かれて入手しました。気分に合わせて、ポールの位置や本数を変えることで、アレンジの幅が無限に広がる点が気に入っています。このタープを美しく張るコツは、サザエの形を意識することですね(笑)。」

「このタープ、ひとつ難点があって、生地に防水性がないんですよ。その代わりものすごくストレッチが効きます。スポーツ用のコンプレッションタイツのような生地感です。ここに球体のゴムキャップ付きのポールを入れることで、この変わったシルエットが出来上がります。」

「とはいえ、雨が降ったら困るので、Amazonで入手した格安タープを重ねて、雨対策をしています。ポールの位置が自由なので、意外と色んなテントと合わせやすい点もお気に入りポイントです。何より、人とかぶらないのがいい!」

歯科医キャンパーが作った、カスタム可能な旅用歯ブラシ。

次に出会ったキャンパーさんから飛び出してきたのは、旅行用の歯ブラシ。持ち手部分は金属製で、ブラシ部分もプラスチック製ではなさそうで、なんとも上質な雰囲気。聞くと、こちらは、アウトドア好きの歯科医師による新しいブランドだそうで、なんとブラシは馬毛とのこと!

オーナー/ミゾさん
キャンプギアをこよなく愛し、シェルフコンテナの愛好会「シェルコン会」の支部長も務めるミゾさん。数々のキャンプギアを経て、断捨離を繰り返し、手元に残ったアイテムはいずれも洗練されたものばかり。

「ヘッドとグリップの色が選べるほか、ブラシの素材が、ひまし樹脂とナイロン、馬毛の3種の中から選べるので、自分好みの歯ブラシにカスタムできる点がギア好きの心をくすぐりますね。僕は、ランダムな磨き心地が気持ちいい、馬毛のブラシを使っています。」

グリップアルミ削り出し製、ヘッドは竹を配合した自然に還るバイオマスプラスチック製で分割可能のコンパクト設計。

グリップとヘッドのネジ部分がカメラ機器と同じ、1/4インチ規格になっているので、こんなふうに同規格のLEDランタンなどにヘッドを固定して、乾かしたりできます。グリップは蓋付きの筒状構造になっているのもポイント。今後、このグリップの中に収納できるタブレット型の歯磨き粉も出るそうなので、楽しみにしてます。」

「あと、テーブルに置いたときに、ブラシ部分が浮くようになっているところも便利。こういう細かいポイントにもこだわりを感じますね。僕はこの歯ブラシと、スノーピークのミニシェラマタドールソープバーケースに入れて、旅や職場に携帯してます。」

次ページでは、まだ見ぬゴールゼロのカスタムギアや、珍しい五徳、卓上焚き火台が登場!

ゴールゼロをあの名品ランタンに変身させる、カスタムキット。

モアイのゴールゼロ用真鍮製ランタンパーツ

LEDランタン「ゴールゼロ」のカスタムは今や定番。GOCの会場でもたくさん見かけましたが、その中でも目を奪われたのがこちら。通称「ミニペトロちゃん」と呼ばれるカスタムギアで、ペトロマックスの加圧式ランタンを彷彿とさせる外観にチェンジ。こちらは金属の削り出しを得意とするガレージブランド「MOAI(モアイ)」のもの。

オーナー/出汁のあべさん
オートキャンプや登山、SUPやフェスなど、アウトドアシーンを日常的に満喫。

「Instagramで知り、一目惚れで購入してしまいました! あと、まだ誰も持っていなそうだったので。実際届いて手に取ると、削り出しの精度の高さから来るウェルメイド感に感動しましたね。真鍮のずしりとくる重さも高級感があってお気に入り。」

シェードは別売りなのですが、こちらもプレスではなく削り出し。本体と合わせて1.5万円以上しますが、満足度は高いです。僕の場合は、アービプロダクツのアンバーグローブを合わせて使ってます。ここまでやると、ゴールゼロの面影ゼロですね(笑)」

「何より、ゴールゼロのプラスチックな感じが無くなったので、ヴィンテージっぽいサイトにも合わせやすくなったのがいいですね。作りも頑丈そうなので、エイジングを楽しみながら、長く使っていこうと思います。」

3WAYのギミックを備えた、シンプルデザインな鍋敷き。

埜となれ山となれの畳三敷

こちらの鍋敷きは、岐阜県発の新進ガレージブランド「埜となれ山となれ」の畳三敷(たたみしき)。素材は、耐久性・耐水性に優れたナラ材と真鍮の組み合わせでできています。

一見するとシンプルで変わったデザインの鍋敷きに見えますが……、気になるこのカタチ。

サイトの主でこのアイテムを展開するブランドのオーナーでもある、やすださんに詳細を訊いてみました。

オーナー/やすださん
他にはない発想のハンドメイドギアを展開するガレージブランド「埜となれ山となれ」のオーナー、やすださん。リアルなアウトドア体験と、土木デザイナーとしての知見を、もの作りに活かしている。無いものは自分で作るのが信条。

「実はこの鍋敷き、ギミックが最大の特徴で、3つの形態に変形できるようになっているんですよ。」

「まずこんなふうに3本の支えを可動させると、直径19センチのクッカーやフライパンを置けるようになります。逆に閉じた状態だと最小設置面が直径5センチになるので、シェラカップなどを置くのに最適。複数のサイズに対応したコンパクトな鍋敷きが無かったので、自分が欲しいなと思って設計しました。」

「さらに、支えを立てるとディスプレイスタンドや、アルコールバーナーの五徳としても使用可能。製作は、地元・岐阜でハンドメイドのファニチャーを手がけているトコトワさんに依頼しています。無垢材のプロが作っているので、質感や仕上がりもいいですよ。」

バイオエタノールを使った、ミニマルな卓上焚き火台。

ファイヤーセラピーのコンパクト焚き火

このキューブ状のアイテムは、バイオエタノールを使った手のひらサイズの焚き火台「ファイヤーセラピー」。天然木とコンクリートコンビネーションで作られており、独特の質感です。

オーナー/NOBUさん
アメ車キャンプを愛するファミリーキャンパー。キャンプ用品ではないアイテムや、DIYギアをサイトに取り入れるのがNOBUさんのスタイル。

「このアイテムとの出会いはクラウドファンディングですね。雨で焚き火ができない日や、家でも火の揺らぎを楽しめていいなと思って入手しました。自分のサイトに合うようにコンクリートの部分をブラックに塗装してカスタムしてます。」

「ランタンの灯りもいいですが、リアルな火の灯りがあると、食卓に色気が出ますよね。この火を眺めながら、家族友人とお酒を飲むのが、最高の時間なんです。」

「付属のリッドをかぶせるだけで消火できる手軽さもお気に入りポイント。バイオエタノールはブラックに塗った焼酎の瓶に入れて、テイストを合わせています。」

まだまだ見たことないギアはたくさん。

今回、取材したアイテムのオーナーたちのサイトには、他にも見たことのないアイテムや、ユニークなアイデアが散りばめられていました。他とかぶらない個性的なスタイルを持っているキャンパー達は、高いアンテナと独自の美意識を持っているよう。人気のアイテムも良いですが、WEBやSNS、リアルショップをディグしてみると、まだまだ「なにこれ!?」と感動できるギアとの出会いがあるかもしれません。

The post こだわりキャンパーに直撃! 思わず「なにこれ?」なユニークギア5選。 first appeared on GO OUT.

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