新型コロナの発祥地でおなじみの、中国は武漢市。このコロナ禍で都市封鎖されて、多くの才能が家の中に閉じ込められ、その中で熟成されていったのか。 漢服の流行発信地になっていた(流行発信地って、いい意味で悪い意味でも、あまり発信しないでほしい土地柄になってしまったが)。

 このほど「雲尚・武漢国際ファッションセンター秋冬新製品フェスティバル」が開かれた。 数百点の店舗が漢服を扱っていた。その数数万着、新作秋・冬衣料が卸業者に販売された。それは中国国内の業者にとどまらず、オーストラリアベトナムなどの国からも買い付けに来ていた。

 店舗が進出していった。もともと武漢の衣料品店は、広州市や杭州市などから買い付け、実用的な衣料品で商いをしていた。しかし、その後継ぎたちがコロナ禍に親から商売を引き継いでいた。 仕入れではだめ。デザイナー5人を雇い(コロナ禍では働き口も武漢市内に限られていただろう才能たち)、若者向けの斬新なファッションの発信に切り替えた。

 品質とデザインを向上させ、秋・冬の新デザイン100以上を開発したメーカーもある。商売の規模もピンからキリまであるだろうから、価格帯に合わせて似たようなデザインをシェアしていったと思われる。その証拠に30万枚以上の注文を6月には達成している。このままいくと、年間100万枚を超す見通しだ。 これら新武漢・漢服販売街の市場規模は、コロナ禍以降年間100億元(約2兆円)になる。

 今デザイナーたちは、来年の春夏以降のデザインに入っていると思われる。

 しかし…最近買っている服は、ベトナムカンボジア縫製のものが多いが…メイドインチャイナ=武漢で縫製かもしれない。まだコロナが沈静していないので気をつけなければ。

 *漢服は、漢民族の象徴的衣装の総称。しかし、現代では、その漢民族がいた時代(漢・唐・明)のデザインを守ったものと、現在中国人の生活に適する改良がくわえられた「漢元素」と呼ばれるデザインに分けられる。また、韓国に韓服を主張させないように、漢服(中国が起源)のアピールの意味もある。

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