東京駅にオープンした注目の新店を調査。福岡発の大人気だしを使った“だし茶漬け”専門店『茅乃舎(かやのや) お椀や』に行ってきた

 突然ですが、皆さんは「茅乃舎だし」という商品を知っていますか? 福岡県の久原本家グループが全国で展開する『茅乃舎(かやのや)』の看板商品です。国産素材にこだわったパック入りのだしで、水から煮出すだけで本格的なだしが取れると発売時から現在まで高い支持を得ています。そんな『茅乃舎』が新しく東京駅にオープンしたのが『茅乃舎 お椀や』、だし茶漬け専門店です。あの「茅乃舎だし」を使ったお茶漬けとは期待が高まります! ということでさっそく行ってきました。

『茅乃舎(かやのや)』のだしとは?

『御料理 茅乃舎』の初代料理長が作った「茅乃舎だし」
『御料理 茅乃舎』の初代料理長が作った「茅乃舎だし」

 まずはおさらい。国内に30の直営店及び通販・webを展開する『茅乃舎』は、様々な食品や調味料を販売しているブランドです。その始まりは福岡県の里山にある『御料理 茅乃舎』というレストラン。初夏には蛍が舞う清流のある自然の中にあり、地の利を生かした地元の旬の食材を中心に厳選した素材を使った料理が味わえるとあって、県外からも多くの人が訪れる人気店です。

 そんな『御料理 茅乃舎』の初代料理長が家庭でも手軽に美味しいだしを取れるようにと真昆布や焼きあごなど厳選した国産素材を配合し生まれた商品が「茅乃舎だし」です。パックの中に厳選素材を配合し煮出すだけで簡単に本格的なだしが取れる、下味として海塩と醤油を加えているので味付けが簡単と評判となり、幅広く支持されるようになりました。ほかにも、「野菜だし」や「煮干しだし」など素材の異なるだしや、地域限定のだしなども豊富にそろっています。

いざ『茅乃舎 お椀や』へ!

お店の入り口には、美味しそうなだし茶漬けの写真が大きく飾られている
お店の入り口には、美味しそうなだし茶漬けの写真が大きく飾られている

 さて本題。今回オープンした『茅乃舎 お椀や』は『茅乃舎』こだわりのだしがメインのだし茶漬け専門店。具材に合わせた最高の組み合わせを提案したメニューが楽しめます。訪れた日は休日ということもあり、お昼どきを外して行ったものの数名の列ができていました。

メニュー。「ほぐし鯖」1150円や「鶏そぼろの生姜煮」1350円、「和牛ロースと五種の茸」1550円など全6種のだし茶漬けが販売されている
メニュー。「ほぐし鯖」1150円や「鶏そぼろの生姜煮」1350円、「和牛ロースと五種の茸」1550円など全6種のだし茶漬けが販売されている

 ようやく順番になったので入店。まず、レジで注文をして支払いを済ませます。だし茶漬けは6種類、サイドメニューなどはありません。どれも具材によって使われているだしが違います。だしは好みで変更可能ということですが、初回ということでお店のおすすめの組み合わせをいただくことに。かなり悩ましい選択ですが、一番人気「昆布〆鯛」(1550円)をチョイスしました。

看板メニューを実食! 鯛とお出汁の上品な組み合わせが最高「昆布〆鯛」

「昆布〆鯛」1550円
「昆布〆鯛」1550円

 しばらく待って運ばれてきたのは、ご飯、具材、小鉢(冷奴)、漬物、あられがトレイに乗った豪華なセット。メインのだしは急須に入っています。

卓行に置かれている“だし茶漬けのお召し上がり方”
卓行に置かれている“だし茶漬けのお召し上がり方”

 食べ方はテーブルに“指南書”があるので、慌てる必要はありません。まずはご飯に具を適量のせて食べてみます。ご飯の量はやや少なめな印象。「昆布〆鯛」は特製ぽん酢が付いているのでぽん酢をかけてご飯と一緒にひと口。

 昆布〆した鯛は程よく水分が抜けて、ややねっとりした食感。昆布の風味もいい感じです。ぽん酢はつぶつぶ食感で旨みがしっかり感じられて鯛との相性も抜群。酸味が強すぎないのがいいですね。うっかりするとこのまま全部食べてしまいそうです。

 次は、いよいよ本命。昆布〆の鯛をご飯にのせて、だしをかけます。だしを注ぐとふわっとだしのいい香りがしてきます。月並みですが、だしの香りって日本人に生まれてよかったと思わせますよね。れんげにだしを注いでだしを味見。もう、このだしだけ飲んでも美味しい!

 ちょっとだしを多めにしてみました。昆布〆の鯛がだしの熱で少し色が変わるのがわかります。三つ葉とみょうがの香りもいい塩梅。別皿にあったあられもトッピングして見た目も上品なだし茶漬けが完成。料亭で食べているような気分になれます。

 さっそくひと口。なんだか癒されます。和食の基本だから当たり前かもしれませんが、なかなか美味しいだしでお茶漬けをすることは普段ないので、ここでじっくり味わえるのはうれしいですね。サラサラ食べられて、あっという間に完食です。

他にもある! 注目のだし茶漬け

「ほぐし鯖」1150円
「ほぐし鯖」1150円

 ほかにも「茅乃舎だし」を使った「ほぐし鯖」(1150円)は、さばの旨みが感じられてご飯が進む一品。『茅乃舎』がある福岡では生のさばを食べる「ごまさば」という郷土料理があるぐらいさばは身近な魚。だし茶漬けでも上品に仕上げてします。

赤いお椀には「ほぐし鮭」が綺麗に盛られている
赤いお椀には「ほぐし鮭」が綺麗に盛られている

 同じ魚でも光り物の鯖とは違う、脂の旨みが感じられるのが「ほぐし鮭」(1150円)。どちらかというと鮭をお茶漬けの具にするのはおなじみな感じですが、鮭の旨みと「茅乃舎だし」の組み合わせはちょっとリッチな味わいが楽しめます。

「和牛ロースと五種の茸」1550円
「和牛ロースと五種の茸」1550円

 魚より肉という人には「和牛ロースと五種の茸」(1550円)。すき焼きのような甘辛い味付けの牛肉ときのこですが、だしと合わせることを考えたあっさりした味付け。こちらは椎茸だしを合わせます。

まとめ

 本当にどれも美味しそうで、いろいろ食べてみたくなります。さらにオーダー時に味変ならぬ“だし変”にチャレンジして楽しみを広げることもできます。『茅乃舎 お椀や』は、東京駅グランスタの『茅乃舎』ショップに隣接しているので、気に入っただしやテーブルに置かれている生七味などはその場で購入することもできます。

 日本食の魅力を感じられる『茅乃舎 お椀や』は、ランチでもディナーでも気軽に立ち寄って、本格的なだしの美味しさを堪能できるだし茶漬け専門店。普段、なかなか注目しないだしとじっくりと向き合ってみてはいかがですか。

(撮影・文◎Ayako)

●SHOP INFO

店名:お椀や

住:東京都千代田区丸の内1-9-1 JR東日本東京駅構内地下1階改札外グランスタ丸の内
TEL:03-6551-2305
営:11:00~21:00(L.O.20:30)
休:なし

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