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山中湖に1000台越えのカングーが集う

「フルゴネット」と呼ばれる商用の貨物車両から派生したファミリーカーとして2002年の日本発売以来、3世代にわたって日本のユーザーから愛され、独特の世界観をつくり上げてきたルノー・カングー。そんな全国のカングーオーナーたちが集まる、最大規模のワンメイク・ミーティングが「カングージャンボリー」です。

【画像】山中湖を埋め尽くす? カングージャンボリー2023 7人乗りグランカングー日本初披露のサプライズ【現地より】 全53枚

今年、15回目となるカングージャンボリー2023は10月15日富士山を望む「山中湖交流プラザ きらら」で開催されました。会場となった山中湖周辺は残念ながら雨に見舞われ足元の状態は良いとはいえないながら、なんと1300台を超えるカングーが集まりました。広大なパーキングスペースを色とりどりの新旧カングーたちが彩る様に、日本でのカングーの人気の高さを再認識させられました。

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広大なパーキングスペースを3世代・1300台余りのカングーが埋め尽くした。    海老塚 構造

開会の挨拶 新型カングーの納車状況は?

巨大な屋外ステージ「山中湖シアター ひびき」ではオープニングセレモニーやテレビ番組の公開収録などが行われました。プログラムはタレントの団長安田さんとモータージャーナリストの竹岡 圭さんのMCで進行し、山中湖村長の高村正一郎さん、そしてルノー・ジャポン株式会社 代表取締役社長の小川 隼平さんの挨拶で幕を開けました。

「皆さんこんにちは小川です。おつかれさまでーす」とフレンドリーに登壇した小川社長。「このような雨の中、正直とても心配していましたが、これほど集まってくださっていることに感動しています!」と来場者に感謝を述べた後、今年から販売が始まった3代目カングーの納車状況についても言及する一幕も。ルノー車の生産出荷の遅延はここ2か月ほどで正常化してきたとのこと。「本日も「ギリギリ間に合った!」「間に合わなかった!」というお客様には心からお詫び申し上げます。これから新型カングー、どんどんと入ってまいりますので、ぜひお近くのルノーディーラーでご覧ください」と納車遅延への謝罪と今後の展開を述べられました。

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満場のカングーファンを前に開会の挨拶をする、小川 隼平 ルノー・ジャポン株式会社 代表取締役社長。    海老塚 構造

「道具感」を高めた日本限定車「カングー・ヴァリエテ」が登場

過去にもカングージャンボリー会場では日本限定車や新型モデルのアンベールが行われてきましたが、今回は小川社長曰く「カングーが日本市場でできることを詰め込んだ限定車」というモデルが登場しました。

ステージの下手から現れたのは、200台の日本限定車「カングー・ヴァリエテ」。無塗装バンパーの「クレアティフ」ガソリン車をベースに、タフなプロギアをイメージしたモデルです。「グリ アーバン」と呼ばれる渋いグレーのボディカラーとマルチルーフバー、ブラックのスチールホイールを纏い、カングーの道具感をより強調したハードだけどカワイさも感じられるルックスに仕上がっています。

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カングージャンボリー2023にて発表された日本国内200台限定のモデル『カングー・ヴァリエテ』。    海老塚 構造

また、カングー・ヴァリエテの発売と同時に、ワークブーツの老舗ブランド「DANNER」とのコラボレーションも展開。ヴァリエテのカラーリングをイメージしたオリジナルワークブーツ、そしてダナーの企業カラーであるダークグリーンを基調にDANNERロゴをあしらったPVCレザー製のカングー専用シートカバーが期間限定で販売されます。

ロングボディ7人乗りの「グランカングー」日本導入をサプライズ発表

続いて本国ルノーLCV部門上席副社長のハインツ・ユルゲン・レーヴさんの発声でステージ上手からは、なんと9月のミュンヘン・モーターショーでワールドプレミアとなったばかりの7人乗りロングボディの「グランカングー』がサプライズ登場! ミュンヘンから直送されてきたという“長い”カングーがステージセンターへと現れると、満場のカングーファンの熱い視線を集めました。

標準ボディから約300mm拡大されたホイールベースに2-3-2レイアウトの3列シートで7人乗りのグランカングー。2列目以降の座席はスライドや折りたたみ、脱着といったアレンジの自由度の高さが特徴。ビジネスからホビーまで様々なシーンにおいて、カングーらしい活躍のシーンをさらに広げてくれそうな空間です。

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なんとミュンヘン・モーターショーでデビューしたばかりの3列7人乗りロングボディ『グランカングー』が本邦初公開!    海老塚 構造

団長安田「買います!」宣言でMT&リア観音開き導入決定か?

サプライズで本邦初公開されたグランカングー。来場者以上に興奮したのは、MC担当の団長安田さん。公開されたグランカングーは欧州仕様でAT/跳ね上げ式テールゲートという仕様でしたが、MTの2代目カングーを溺愛する彼が「新型にマニュアル車が導入されれば買う」と宣言したところ、ハインツ・ユルゲン・レーヴ副社長から「買っていただけるのなら導入しますよ」とあっさりと確約が!?

2024年中の日本導入が予定されているというグランカングーですが、ひょっとするとコアなカングーファンにとっては嬉しい仕様がラインナップされるかもしれません。

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興味津々でグランカングーのシートアレンジを試すステージMC担当の団長安田さん。    海老塚 構造

足元ぬかるむ雨の中、カングーファンの愛が晴れを呼ぶ

前述の通り、ジャンボリー当日は前日夜からの雨でパーキングと言わずフリーマーケット会場と言わず、靴が水没するほどのぬかるみ状態。当日の山中湖の最低気温は8度と、朝の時点でかなり過酷な環境でした。それでも1300台を超えるカングーで駆けつけたカングーオーナーとそのファミリー。さすがと思った多くの参加者がレインウェアと防水ブーツをしっかり装備して、雨もぬかるみもモノともせずにイベントをエンジョイしていたことです。

今まで様々なクルマのオーナーズミーティングを取材してきた私ですが、単一モデルでこれほどの規模となると、そうお目にかかった記憶がありません。しかも会場も広い! ステージでの発表を取材した後、まずカングーオーナーによるフリーマーケット会場を見て回ることにしました。

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カングーのリアゲートを開け放った即席のお店がなぜか絵になる!    海老塚 構造

「原っぱ」と名付けられた約13000平方メートルのフラットな広場には、観音開きドアあるいはテールゲートを跳ね上げた前に雨よけのタープを展開したカングーの商店街がどこまでも(昨年比で2倍のブース数だそうです)続いていました。かつてカングーのご先祖といえるルノー・エクスプレスを愛用していた私としては「健全なフルゴネットの楽しみ方だなぁ」と心動かされたのでした。

それぞれのお店は古着やレトロなおもちゃ、手づくりのグッズ類にお洒落な雑貨、観葉植物にいたるまで、各々の価値観と生き様を体現した、現代アートのインスタレーションの様な面白さを持った空間が広がっていました。

そしてそんな空間の中をブラブラと見て巡るのもカングーのオーナーとそのファミリー。お母さん手づくりのカングー型バッグをお揃いで提げた子どもたちがいるかと思えば、「Apres la pluie, le beau temps! 雨の後ではいい天気!」とカングーをかたどったメッセージボードを背負ったオーナーの姿も! 気が付けば雨も上がり、空には青空ものぞいていました。

今や一つのカルチャーとなった、日本のカングーという存在

輸入車の中でもフランス車、そしてフルゴネットという商用車由来のモデル。それだけ書くとかなりスノッブでマイナー指向な香りがするし、正直なところ私はそんな雰囲気に惹かれてエクスプレスに乗っていたともいえます。

でも、今回初めて訪れたカングージャンボリーの空気に触れることで、いかにカングーが日本において多くの人たちから愛され、そして輸入車であるとか関係なく「カングー」として、幸せなライフスタイルの家族の一員として受け入れられているのだなぁ〜と、強く感じました。

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昨夜から続いていた雨でモヤのかかっていた空も昼ごろには青空に!    海老塚 構造

同じようにその存在が一つのカルチャー、そしてライフスタイルのアイコンとして日本で受け入れられた輸入車といえば、誰もが空冷のフォルクスワーゲンクラシックミニ、そして近年ではフィアット/アバルト 500シリーズを思い浮かべるのではないでしょうか。カングーは敢えていうならVWタイプ2の世界観に近いように思えますが、ここまで家族の誰もから愛されるファミリーカーとしての地位を確立しているというのはやはり独特であり、まさに「日本のカングー」としかいいようのない特別な存在なのでしょう。

そして「日本人の求めるカングー像」をルノーが大切にしてくれる限りカングーは家族のアイコンとして輝き、このカルチャーはいつまでも続いていくことでしょう。


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