亀梨和也が主演を務め、三池崇史が監督する映画『怪物の木こり』より、亀梨&三池監督が第56回シッチェス・カタロニア国際ファンタスティック映画祭を楽しむ様子をとらえたスチール&現場レポートが到着した。

【写真】海をバックにした絶好のロケーションで写真撮影に臨む亀梨和也と三池崇史監督

 2019年第17回「このミステリーがすごい!大賞」を受賞した倉井眉介の同名小説を実写化した本作は、サイコパスVSシリアルキラーの壮絶なバトルを描いた超刺激サスペンス。目的のためには殺人をもいとわないサイコパスの弁護士が、連続猟奇殺人犯に襲撃され、報復を誓う。

 監督を務めるのは、世界中に熱狂的ファンを持つ鬼才・三池崇史。主人公である狂気のサイコパス弁護士・二宮彰に亀梨和也。さらに、連続殺人事件を追う警視庁プロファイラー・戸城嵐子に菜々緒、二宮の本性を知らない婚約者・荷見映美に吉岡里帆、二宮の協力者のサイコパス外科医・杉谷九郎に染谷将太、過去の殺人事件の容疑者・剣持武士に中村獅童ら豪華キャストが集結する。

 10月5~15日にかけて、スペインシッチェスにて第56回シッチェス・カタロニア国際ファンタスティック映画祭が開催された。現地時間の10月13日ORBITA(オービタ)部門のクロージング作品として上映された本作のプレミアイベントには、約1200人の観客が集結して大いに盛り上がりを見せた。

 10月13日夜のワールドプレミアを前に、亀梨と三池監督は取材の合間をぬってシッチェスの街中を訪れ、スペインの空気を存分に堪能。映画祭オフィシャルのフォトコール&記者会見にも参加した。

 映画祭に参加した亀梨と三池監督は、レッドカーペットを歩き現地のファンと交流。亀梨は「スペインに着いた当日のホテルのロビーや取材の合間でも、温かく出迎えてくれている感じがして、三池監督の作品を愛してやまない方たちの熱量の高さはもちろんですが、自分のことを知って来てくれる方たちもいてくださって、すごくありがたいですね」と笑顔で語り、世界初のお披露目を前に確かな手応えを感じていた。

 12日、ホテルを出た亀梨と三池監督は、映画祭の会場ともほど近い旧市街や海岸沿いを散策。10月のシッチェスは平均気温は22度前後と日本より少し暖かく、そして1年のうち最も過ごしやすい。この日も快晴で気持ちのいい気候に恵まれ、雲一つない空と海、絶好の環境の中で迎える映画祭に2人のテンションも自然と上昇気味に。

 今回、初めてスペインを訪れた亀梨は、「僕はバルセロナに到着して、衣装がロストゲージになるというところからはじまりまして(笑)」と到着早々に起こったまさかのトラブルを告白。この日の取材では三池監督とシッチェスの街を歩きながら、「どこを見ても絵になりますね。ワクワクします!」と終始笑顔だった。

 映画祭期間は、街中にはフラッグやモニュメントが立てられ、海沿いには映画祭のオフィシャルグッズショップが開店されるなど、街全体が映画祭仕様になるシッチェス。これまで数々の国際映画祭に参加し、久しぶりのシッチェス訪問となった三池監督は、今回亀梨と共に訪問したことについて「シッチェスという街を、身をもって体験してもらいたいし、また何かの機会に、他の映画祭に行った時に、ここ独特の気配というのを感じてもらえたらと。どこに行ってもその映画祭、映画祭の個性があるし。そこはもう素直に体験してもらって、楽しんでもらえたらいいなと思っています」とコメント。

 亀梨に楽しんでもらいたいポイントとして、「日中は日差しが暖かくて、みんなフレンドリーで、人間の強さやおおらかさを感じるので。にもかわらずホラーやスプラッター、ファンタ映画をみんなで観るっていう、このギャップというのが楽しいですよね。夜の劇場はまた全然違う部分があります(笑)。そういう感じを亀梨くんにも味わってもらえたらと」とこの映画祭の魅力を語った。

 13日には、ワールドプレミアを前に、映画祭主催のフォトコールと記者会見に臨んだ亀梨と三池監督。到着日にロストゲージとなった衣装が無事見つかり、この日の亀梨は、フォトコールと記者会見にはそれぞれ事前に準備した衣装で、そしてワールドプレミアにはスペインで新たに用意した衣装で参加した。

 フォトコールでは、海をバックにした絶好のロケーションで写真撮影が行われた。撮影後にはサインや記念撮影を求める現地の映画ファンが、亀梨と三池監督のもとに殺到。2人は終始笑顔で応じ、ファンとの交流を楽しんだ。

 その後に行われた記者会見で、「初めての三池監督との仕事はいかがでしたか」との質問を受けた亀梨は、「今回の作品にはもちろん血もたくさん出てきますし、壮絶な現場になるのかなと思いきや、非常に穏やかな現場でした。笑顔が素敵な監督でいらして、現場は作風とはまったく逆で、非常に楽しく過ごさせていただきました」と語る。「作品についても、絵の強さはもちろんのこと、人間ドラマがしっかりと描かれていて僕も大好きな映画の1本になりました。次回またご一緒させていただける機会があるのであれば、さらに激しい、このシッチェスの皆さんが好きなものを存分に詰め込んだ作品でまた戻ってこられたら光栄です。そのためにしっかり準備したいと思います。『ハアーッ!』って(笑)」と笑いながら答え、会見の記者からも笑いが起こる一幕も。

 また、サイコパス弁護士役へのアプローチ方法を問われると、「派手にサイコパスというころを意識しないということを心がけていました」とした上で、「二宮というキャラクターの変化という点では、目の使い方、首の動かし方、目線の送り方というのは、僕なりに細かくこだわって演じました」と自身のこだわりを明かした。

 記者からの「なぜこのストーリーを選ばれたのでしょうか。どういったところに惹きつけられましたか?」という質問に対して三池監督は、「サイコパスという、映画の中で度々描かれてきたキャラクターが主人公です。ただ、その中で主人公が今まで描かれてこなかった変化を見せる。そこがこの作品の一番の、今までに作られてきたサイコパス映画とはまったく違う物語。人間の物語だというところに興味を持って、そこをできるだけきちんと表現できるように撮りました」と本作がこれまでのサイコパス映画とは一味違う作品であることを解説した。

 そして、夕刻より行われた本作のワールドプレミア。日本発の超刺激サスペンスに、上映前の盛り上がりはもちろんのこと、上映中にも血しぶきの出る描写や衝撃的なシーンでは拍手や歓声が何度も起こるなど観客は熱狂、海外ならではの盛り上がりを見せた。本作を鑑賞した観客からは、「亀梨の演技はとても深くて、たくさんの感情を伝えてくれたよ。言葉や身体を使った表現がとてもきめ細かく、すばらしかった。体の動き、表情の細かな変化の一つ一つが多くの感情を表していて、すばらしい俳優だなと思ったよ」、「僕にとって最高の三池監督映画の一つになったよ」、「エンディングは予想できなかった! とても良い映画だった。ネタバレしたくないから言えないけど。私はとても好き!」といった絶賛のコメントがあふれた。

 上映終了後、三池監督も思わず「血に飢えているんですかね。スペインの人って(笑)」と笑いながらコメント。亀梨も「皆さんから満足だというようなリアクションがいただけたので、すごく安心しましたね」と安堵の表情を見せ、最後には「スペイン自体が本当に初めてだったので時間がない中ですけれど、いろいろ見ることが出来たのはよかったです。最後も皆さんがいい熱量でいてくださって、いい言葉もいただけて、ヨーロッパはもちろん、色々な場所から来てくれている方たちもいらっしゃったので、すごく嬉しかったです。シッチェスで感じたお客さんの熱量をエネルギーに、公開まではもちろん、公開後も駆け抜けていきたいなと思います」と今後に向けた意気込みを語った。こうしてシッチェス・カタロニア国際ファンタスティック映画祭でのワールドプレミアは大盛況の中、幕を閉じた。

 なお、本作は10月23日から11月1日まで開催される第36回東京国際映画祭にて特別招待上映(ガラ・セレクション部門)が決定している。10月31日にはジャパンプレミアも実施され、亀梨を含む、本作のキャストも登壇予定。

 映画『怪物の木こり』は、12月1日より全国公開。

第56回シッチェス・カタロニア国際ファンタスティック映画祭に参加した、映画『怪物の木こり』(左から)主演・亀梨和也、三池崇史監督 (C)2023「怪物の木こり」製作委員会