旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:工藤 幸四郎、以下「当社」)は、3Dプリンター(3DP)用フィラメント*1を10月18日(米国東部時間)より北米にて試験販売を開始しましたのでお知らせします。

今回、変性PPE(ポリフェニレンエーテル)樹脂製品である「ザイロン(TM)」のフィラメント製品から提供を行い、今後はPP(ポリプロピレン)樹脂製品である「サーミレン(TM)」フィラメントのラインアップを予定しています。また、並行して概念実証を進めている設計・シミュレーションサービスについても3DP業界向けに提供を行う計画です。


3DPの市場規模は2022年以降も年平均20%超の成長*2が予測されています。既に欧米の自動車OEMでは3DP部品の利用が進んでおり、試作用途のみでなく量産用途でも搭載されており、今後は更なる自動車用途での展開やE&E用途(電気・電子)での利用拡大が見込まれています。

当社は3DP業界に向けて(1)フィラメントビジネス、および、(2)設計・シミュレーション支援ビジネスのグローバル展開を計画中であり、まずはフィラメントの販売検証を3DPの世界最大かつ先端市場である北米から進めてまいります。

■3DP向けフィラメントビジネスと設計・シミュレーション支援ビジネスについて

(1)フィラメントビジネス

当社では、機能樹脂事業においてこれまで培ったアロイ技術、コンパウンド製法技術により顧客仕様に応じ多様なニーズに対応する樹脂製品を提供し続けてまいりました。新たな分野として注目される3DP向けフィラメントにおいても、これらの技術を活用することで、顧客や市場のニーズに合わせた製品の開発が可能となります。今回試験販売を開始した変性PPE樹脂ザイロン(TM)3DP用フィラメントは、造形性(低反り・寸法安定性)・耐熱性・絶縁性に優れ、更に耐衝撃性を併せ持つグレードです。
今後、PP樹脂サーミレン(TM)3DP用フィラメントの試験販売も予定しています。

ザイロン(TM)3DP用フィラメント
ザイロン(TM)3DP用フィラメントによるバッテリーセルホルダー造形品


(2) 設計・シミュレーション支援ビジネス

当社はこれまで主にエンジニアリングプラスチック製品を対象とした樹脂CAE*3(Computer Aided Engineering)技術サービスにより、お客さまの製品の設計開発を総合的にサポートしてきました。当社の樹脂CAE技術サービスはその精緻さに定評があります。
また、今後さらにタイムリーかつ適切にご要望にお応えするため、当社は3Dプリンティングソフトウエアを開発するCastor社に出資参画し*4、高度なシミュレーションの自動化を含めた、両社のサービス拡張に向けたPoC(概念実証)を進めています。

部品製造フローにおける樹脂CAE技術の位置付け


当社はお客さまのご要望に応じた3DP向けフィラメントの提供と、部品設計用樹脂CAE技術サービス提供を通じ、最適かつ持続的なモノづくりができるグローバルな体制の実現を目指してまいります。


*1 3DP用フィラメント:リールに巻き付けられた糸状の材料。

            通常のプリンターにおけるインクのような役割を果たす。
            熱可塑性樹脂。加熱すると柔らかくなり冷えると固まる特性を持っている。
*2参考文献:「CONTEXT, AM and 3D Printing 2023」
*3 CAE:製品設計あるいはその前段階において、コンピューターを使ってその妥当性を検討するための手助けをする技術
*4 2023年5月16日リリース:https://www.asahi-kasei.com/jp/news/2023/ze230516.html


■3DP用フィラメントの詳しい情報はこちら(英語)

 https://www.akplastics.com/3dp/


■当社のエンジニアリングプラスチック事業および樹脂CAE技術について
 https://www.asahi-kasei-plastics.com/

配信元企業:旭化成株式会社

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