負傷箇所を抑えて、叫ぶネイマール。セレソンのエースが、こんな痛々しい姿を見せるのは初めてではない。(C)Getty Images

 セレソンの至宝は、なんとも痛々しい姿で会場を去った。

 現地10月17日に行われた北中米ワールドカップ南米予選のウルグアイ戦で、ブラジル代表FWのネイマールは、前半アディショナルタイムに相手MFのニコラス・デ・ラ・クルスと接触。踏ん張ろうとした際につまづいて転倒し、左膝の前十字じん帯断裂および半月板損傷の重傷を負った。

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 不安げなチームメイトたちに見守られながらストレッチャーに乗ったネイマールは目頭を押さえながら控室へ。試合後には松葉杖をつきながら無言で会場を去り、怪我の大きさを感じさせた。

 今回の重症によってネイマールは、最低でも8~10か月の離脱を余儀なくされると見込まれている。手術とリハビリの経過にもよるが、少なくとも今季中の復帰は絶望的だと考えられる。

 もっとも、これまでも相手守備陣の執拗なマークを受けてきたネイマールが、選手キャリアが危ぶまれるような怪我を負うのは初めてではない。とりわけ過去6年間には7度も重傷を負い、2017-18シーズン以降はフルシーズンを戦いきれずにいる。

 2018年2月に右足の第5中足骨亀裂で3か月の離脱を余儀なくされたネイマールは、戦線に復帰していた2019年1月に再び右足の中足骨骨折。なんとかピッチに舞い戻った同年6月には右足首の靭帯を断裂し、またも長期離脱を余儀なくされた。

 その後は21年2月に左足の内転筋を故障して約1か月も離脱。同年11月には左足の靭帯を断裂して約2か月も戦線を離れた。そして苦しいリハビリの末に間に合わせた22年11月のカタールワールドカップの初戦で右足首の靭帯を損傷。同大会のグループリーグ2試合の欠場の後に復帰を果たすも、今年2月に状態が悪化。再び手術を余儀なくされていた。

 今夏にサウジアラビアの強豪アル・ヒラルと移籍金9000万ユーロ(約135億円)の年俸1億5000万ユーロ(約239億円)の2年契約を結んだばかりのネイマール。ゆえにクラブとしても今季絶望という大怪我によって小さくない損失を負ったと言えよう。

 ネイマールのコンディションについては、海外メディアでも話題となっている。スペイン紙『SPORT』は「もはや彼の足首はボロボロで、今度は膝までも痛めてしまった」と指摘。「ネイマールはヨーロッパに渡って以来、程度に違いはあるが、およそ30か所も怪我を負い、合計500日以上も離脱している。これは画期的なサッカー選手の悲劇的な現状だ」と憂いた。

 31歳となり、故障を繰り返しているネイマールのパフォーマンスレベルも年々落ち込んでいる感が否めない。そうした現状を見るに無事これ名馬を言う言葉の意味を痛感させられる。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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