動物保護施設には飼い主がいない野良猫が保護されることがあります。

そのような猫の生い立ちを知ることは難しく、なぜ野良猫になったのか分からないことが多いのです。

アメリカのニューメキシコ州にある動物保護施設『エスパニョーラ・ヒューメイン』に、1匹の野良猫が保護されました。

推定8歳のウィルフレッドくんという猫を見た施設のスタッフは、ひと目でその猫が過酷な環境で生きてきたことが分かったそう。

なぜなら…ウィルフレッドくんは体中が傷だらけだったからです。

疲れ切ったような目をしたウィルフレッドくんの耳には羽のように切れ目が入り、首の周りには大きな傷を負っていました。

これらの傷はほかの猫に襲われたことを示していたのです。

また、ウィルフレッドくんは猫エイズに感染していました。猫エイズは主にほかの猫に噛まれることで感染します。

ウィルフレッドくんはこれまでに何度もほかの野良猫と戦って、多くの傷を負っていたと思われました。

※画像は複数あります。左右にスライドしてご確認ください。

そんなウィルフレッドくんは、とても甘えん坊で人懐っこい性格なのだそう。

施設に来てからは、治療の甲斐あってケガは順調に回復していきました。

『エスパニョーラ・ヒューメイン』はSNSで、「この甘えん坊で社交的な男性は、ヒザの上でのんびりと暮らしたり、窓辺から鳥を眺めたり、ごはんの皿が空になることがないことを知っています」と投稿。

ウィルフレッドくんにそんな安らかな生活を与えてくれる里親を募集したところ、数日後に家族が決まりました!

この報告にはたくさんの喜びの声が寄せられています。

・この猫は戦士を引退する時が来たんだ。

・顔を見れば困難な猫生を送ってきたのが分かるね。

・この愛らしい顔の猫には最高の家族がふさわしい!幸せになって。

投稿によると、猫エイズの治療法はありませんが、最近の研究では感染しても平均的な寿命を全うすることが分かったといいます。

野良猫として孤独や飢えを乗り越えるだけでなく、ほかの猫との闘いからも生き延びてきたと思われるウィルフレッドくん。

これからは家族の愛情と安らぎを感じながら、残りの猫生を穏やかに暮らしていってほしいですね。


[文・構成/grape編集部]

出典
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