日野自動車がトラックの生産工場と関係する生産ラインを4営業日にわたり停止することを発表。その理由は「車載工具の不足」という聞きなれないものでした。

「すべて日野側の問題」

日野自動車は2023年10月19日茨城県の古河工場と他の拠点の関連する生産ラインを10月20日から25日まで停止することを発表しました。その理由は「車載工具の不足」という聞きなれないものでした。

生産を停止するのは、トラックをつくる茨城県古河市の古河工場と、新田工場(群馬県)、羽村・日野工場(日野市)の関連する生産ラインです。10月20日~25日までの4稼働日の生産を停止します。

古い車両には簡単な整備ができそうなほどの工具が備えられていましたが、現状で同社が車載工具としているのは、パンク修理のためのタイヤ交換で使うことを想定した油圧ジャッキ、クランク棒、ホイールレンチなど必要最低限のツールです。いずれも用品店などでも購入でき、不足が心配される希少金属や、半導体のようにサプライヤーの生産が影響する部品でもないようです。

その車載工具の不足でなぜ、工場のラインを大規模に停止することになるのか。同社広報担当者もこう話します。

「すべて日野側の問題。外的な要因ではありません。調達する個数が不足しているためです」

発注の見積もりを間違えた、ということでしょうか――。

「当社からお話できることはありません」

トラックに限らず、車載工具は自動車全般に搭載されています。一般的には、発煙筒(赤色懐中電灯)のように一律に搭載を義務付けられているものではありませんが、車種の設計によって一部、車載工具の搭載が義務付けられているモデルがあるようです。生産停止に影響した工具が何であるか、広報担当者は明言を避けました。

日野がトラックの生産を4営業日にわたり停止する(乗りものニュース編集部撮影)。