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読売ジャイアンツ江川卓氏が自身のYouTubeで、アメリカ留学を決めた花巻東・佐々木麟太郎選手に絡んだドラフトの制度改革を訴えた。

 

■米国留学で揉める可能性?

今年のドラフト1位候補だった佐々木選手が、プロ志望届を提出せずアメリカの大学に留学を決めたことについて、「留学の経験者」として質問を受けた江川氏は「新しいですよね」と話す。

続けて「イメージですけど、アメリカの大学って入りやすいイメージがあるんですよ。でも、卒業するのは大変なの。だからそこで、なにかないといいなと思う。なにかないというのは、以前いろいろあった人がいるからね」と指摘する。

そして「卒業が難しいということになって、卒業をしないで途中で日本がドラフトをしたとき、どこかの球団がね、アメリカの大学2年でドラフト指名するのはOKなのかどうか。決まってないでしょ? 新しいケースでしょ」と語った。

 

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■自らは「いろいろあった」

自らを「僕は野球協約に妙に詳しいんだけど」と話す江川氏は、自身もアメリカに留学後「ドラフトでいろいろあった」と振り返る。

続けて「今、変わってなければ、ドラフトをされる人って、『日本の中学高校大学に在学し』となっているはずなんですよ。僕のときに『その経験を持ち』というのが入ったの。僕が浪人に行ったので、そのときに変わったんですよ、夏にね。それで僕が入ったんですよ、いろいろあったんですけど」とコメントした。

 

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■日米で揉める?

江川氏はさらに「条項が変わっていないとすると、『日本の中学高校大学に在学し、またはその経験を持ち』というと 、アメリカに行っても含まれる。在学してたもんね、中学高校には。そうすると、アメリカでそのままメジャーに行くときにどうするんだっていうことになるよね」と指摘。

そして「日本の4年生が卒業したときに、日本の球団がドラフトをしてもいいってことになるから。ドラフトをしたときに、またアメリカがドラフトしたら、日米で揉めるんじゃないの?」と問題提起する。

スタッフが「アメリカは3年在学したら指名を受けられるらしいです。それより前に日本に戻りたいということになれば高校卒業しているわけだから、資格は十分あるけど、プロ志望届を出さなければいけないのではないかと思う」と持論を展開した。

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■制度を決めておくべき?

話を聞いた江川氏は「ほら、定かではないでしょ。それを決めておかないとね。 経験者に聞いた話なんだけど、揉めないようにしておいたほうがいいっていうことだと思います。決めておかないとまた揉めるからね」と指摘。

そして「いろいろ経験上苦労するからさ、決めたほうがいいと思うんだよね。 だから今回アメリカに出したとしたら、将来 1年後、 2年後、 3年後、 卒業後をどうするか、みんなで決めておいたほうがいいよね。またなんかあったときに大変な思いをするからさ。それが感想なんだよ」とコメントする。

さらに「すごい感想なんだよね。みんなにインタビューしても、答えられるのは私だけだと思う」「記事を見たときに思ったのよ。どうするんだろうって」と笑っていた。

 

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■激しいバッシングを受けた江川氏

江川氏は作新学院高校3年時に阪急ブレーブスから1位指名を受けるも拒否し、法政大学に進学。ここでも4年時にクラウンライターライオンズから1位指名を受けるが拒否し、アメリカに留学した。

そして1978年ドラフト前日に読売ジャイアンツが「空白の一日」を使って入団を発表。世間の大バッシングを受け、契約を却下されている。

翌日のドラフト会議阪神タイガースから指名を受け、小林繁投手とのトレードという形で巨人に入団する。当時江川氏は記者会見で複数の新聞記者から怒号に近い詰問を受けており、同情的な声も少なくない。

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