2023年12月21日(木)・22日(金)深川江戸資料館小劇場にて、『劇団 東宝現代劇 75人の会 特別公演』が開催されることが決定した。

舞台『放浪記』『がめつい奴』、ラジオドラマ君の名は』で知られる劇作家・菊田一夫が1957年昭和32年)に創立した「劇団 東宝現代劇」の有志“75人の会”が、コロナ禍での休止を経て、4年ぶりに活動を再開する。

森光子さんと丸山博一『放浪記』(2009年)

森光子さんと丸山博一『放浪記』(2009年)

今回、数多ある菊田作品の中から選りすぐりの2作品『夜汽車の人』『毒薬』のリーディングの会を行う。

『夜汽車の人』は『放浪記』と並び評価される、1971年芸術座初演の傑作戯曲。詩人・萩原朔太郎の想い人エレナとの出会いと別れ。そして、詩に向き合おうとする朔太郎のひたむきさ、それを支える妹、恩師、理解を得られない両親との葛藤を通して、詩人朔太郎の半生が描かれている。出演は、大石剛、下山田ひろの、松村朋子、鈴木雅、古川けい、小林誠、柳谷慶寿、安宅忍、高橋ひとみ、高橋志麻子。そして、劇団東宝現代劇75人の会、劇団東宝現代劇劇団員。

森光子さんと鈴木雅『放浪記』(2005年)

森光子さんと鈴木雅『放浪記』(2005年)

『毒薬』は、森光子、浦島千歌子らの出演で1963年に放送されたテレビドラマ脚本。悪運の強いある男にかかわる女性3人を描いた喜劇。素直に家に帰っていれば良かったものを……ある男が、家へ戻らず、愛人の所へも寄らず、会社の宴会等と嘘をつき、他の女の所へ行ったために巻き起こる大騒動の物語。出演は、高橋志麻子、高橋ひとみ、下山田ひろの、古川けい。そのほか、劇団東宝現代劇75人の会、劇団東宝現代劇劇団員。

森光子さんと横澤祐一『おもろい女』(1998年)

森光子さんと横澤祐一『おもろい女』(1998年

演出家、劇団員の言葉

世界中で猛威を振るったコロナウィルス、劇場という空間での演劇公演も勿論大打撃を受け、当東宝現代劇の有志による“75 人の会”も4年もの自粛期間を余儀なくされておりました。
その復活を助けてくださったのは、やはり劇団創始者である菊田一夫先生でした。
本年(2023年)が菊田一夫没後満50年を迎え、菊田作品をもう一度世に送り出したく「特別公演」と題し、再出発しようという考えが75人の会で浮上致しました。
発足当時75人居りました会員も大分少なくなりましたが、菊田作品の選りすぐりの2作品を、リーディングという形で発表し、長年応援してくださっているお客様、そして菊田作品を知らない世代のお客様にも、ぜひ楽しんで頂ける公演を一致団結して創ろうと、意気込み新たに公演に力を注いでおります。
どうぞ本年12月21日、22日、深川江戸資料館小劇場に再びお運びくださいます様、皆様の応援をよろしくお願い申し上げます。

丸山博一
横澤祐一
東宝現代劇 75人の会

東宝現代劇75人の会最近作『離ればなれに深川』(2019年9月公演)