キアヌ・リーブス主演の人気シリーズ最新作、『ジョン・ウィック:コンセクエンス』。チャド・スタエルスキ監督にインタビューしました。

前作から4年、切れ味鋭い超絶アクションを追求するキアヌに加え、ジョンを追い詰める盲目の達人ケイン役にドニー・イェン、日本の旧友シマヅ役に真田広之と、各国のリアルアクションのレジェンドが集結した本作。

パリ、ベルリンニューヨーク、そして大阪と活劇の舞台も大幅にスケールアップした本作について、語ってもらいました。

■公式サイト:https://johnwick.jp/intro/ [リンク]

●シリーズ最新作、とても楽しく拝見しましたが、日本公開を迎えた今どのような心境でしょうか?

ジョン・ウィック』にまた戻ってこられてうれしく思います。それに今回はやっと日本に(この作品の撮影の目的で)行くことができました。このシリーズが始まった時から僕らは日本に行きたかったんです。キアヌと僕はどちらも日本、とりわけ日本映画のファンなのでね。黒澤明にしろ、『座頭市』にしてもね。だからうれしかったです。実際、東京で少しシーンを撮影しましたし、大阪でもちょっと撮影をしました。

●シリーズごとにグレードアップしているキアヌのアクションですが、本作で一番進化しているアクションはどこですか?

それに答えることは難しいですね(笑)。ヌンチャク、戦術的なガンワーク、ショットガンに装填して撃つこと、他の車が横を通る中でハンドルの切れ角270度で車をスピンさせることが出来て、犬と格闘して、5種類のマーシャルアーツをこなして、250段の階段を駆け上がる俳優が他にいるだろうか。どれも挙げるに値すると思います。

●そして今回はドニー・イェン、真田広之さんなど、ジョン・ウィック以外のキャラクターにも見せ場をたっぷり作ってあげていますよね。

君たちと同じように、僕もファンなんです。僕は真田広之さんが大好きで、もう何十年もファンです。これまでにも彼に『ジョン・ウィック』に出てもらおうとしてきましたが、スケジュールのせいで上手くいかなかったんです。そして僕はドニー・イェンの大ファンでもある。だから幸運にもこれらの人を得られたなら、たっぷり演技をさせてあげたいんです。これらのキャラクターが好きですし、彼らのためのシーンがちゃんとあるようにしたいですよね。真田さんは日本の文化、日本のマーシャルアーツにおいて伝説の人。僕らはその人が持つものを見せられるよう、その人に合わせてシーンを作るようにするんです。だからヒロユキさんとドニーのシーンをデザインすることは大事でしたし、彼らがジョン・ウィックにとっていかに大事な存在なのかも見せたかったというわけです。

●シリーズも第4弾となると大変なことも増えそうですが、最新作のために工夫したことは何でしょうか?

最初の一年は苦しくて最悪で、タイトルだけ書いてある白紙の紙を見つめながら、アイデアが出て来ないんです。実際怖くて悪夢のような日々が続いたのですが、これは良い質問で、哲学的になるけれど答えます。

映画を作っていくためにはお金がかかるものではあり、一般には作るごとに楽になると思われているかも知れないが、先達には作品の(回数を)追うごとに大変になるものと教えられていました。自分が求めるものが何かあった場合、そこにたどり着くためにどれだけ自分の準備ができているかが大事なんです。お金と時間と努力をそこに賭けなければいけない。

たとえば凱旋門のシーンを、車を使って撮ることは、お金も時間もプランニングに4か月もかかっているわけです。スタントチームも5か国から参加しているので、ここに予算を使いたいならほかを切らなくてはならない。犬を使いたいならば、一年トレーニングをしなければならない。生みの苦しみがなければ、最終的には作れないんです。それがクリエイティブであることだと、自分では思っています。葛藤して苦しみ、それで生まれてくるものだと思うから、やっぱり鍛練なんです。食生活やトレーニングをしっかりしなければ、最高のファイターにはなれないでしょう? クリエイティビティもそれと同じことだと思っています。

■ストーリー

裏社会の掟を破り、粛清の包囲網から生還した伝説の殺し屋ジョン・ウィック。地下に身を潜め、全てを牛耳る組織:主席連合から自由になるために立ち上がった。

組織内での権力を得た若き高官グラモン侯爵は、聖域としてジョンを守ってきたニューヨークコンチネンタルホテルを爆破、ジョンの旧友でもあった盲目の達人ケインを強引に引き入れ、ジョン・ウィック狩りに乗り出す。

そんな中、日本の友人、シマヅの協力を求めてジョンが大阪のコンチネンタルホテルに現れる…。

果たしてジョンは、かつて忠誠を誓った世界との決着をつけて、真の自由を手にすることができるのか!?

配給:ポニーキャニオン
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公開中

(執筆者: ときたたかし)

『ジョン・ウィック:コンセクエンス』チャド・スタエルスキ監督、「生みの苦しみがなければ、最終的には作れない」最新作への想い明かす