20日前場の香港マーケットは、主要80銘柄で構成されるハンセン指数が前日比70.07ポイント(0.41%)安の17225.82ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が19.14ポイント(0.32%)安の5905.09ポイントとそろって3日続落した。売買代金は442億3740万香港ドルとなっている(19日前場は453億4740万香港ドル)。
 米金利高が嫌気される流れ。19日の米債券市場では、米10年債利回りが一時5%台に上昇し、2007年7月以来、約16年3カ月ぶりの高水準を付けた。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は19日、「経済状況によっては金融引き締めの強化が正当化される可能性がある」と発言。追加利上げの警戒感が高まった。また、香港市場は週明け23日、重陽節の休場を迎えるだけに、積極的な売買が手控えられている。ただ、下値は限定的。中国人民銀行(中央銀行)の資金供給などが好感される中、指数は一時、プラス圏に浮上した。人民銀は20日、リバースレポを通じ満期分との差引で7330人民元(約15兆2830億円)を市中供給している。人民銀は朝方、実質的な政策金利となる最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」を発表。事前予想通り、1年物、5年物いずれも現行水準(それぞれ3.45%、4.20%)に据え置かれた。ただ、アナリストの一部からは、「今後数カ月の間に、利下げが実施される可能性は残っている」との見方も示されている。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、民間ガス供給業者の新奥能源HD(2688/HK)が3.7%安、中国インターネット検索最大手の百度集団(9888/HK)が3.3%安、中国ニット衣料最大手の申洲国際集団HD(2313/HK)が3.0%安と下げが目立った。
 セクター別では、天然ガス関連が安い。上記した新奥能源のほか、中国燃気HD(384/HK)が4.6%、華潤燃気HD(1193/HK)が3.0%、昆侖能源(135/HK)が1.6%ずつ下落した。
 医薬セクターもさえない。百済神州(6160/HK)が4.8%安、中国神威薬業集団(2877/HK)が3.1%安、華潤医薬集団(3320/HK)が2.3%安、山東新華製薬(719/HK)が1.3%安で引けた。
 半面、中国不動産セクターは高い。碧桂園HD(2007/HK)が8.5%、融創中国HD(1918/HK)が8.3%、広州富力地産(2777/HK)が5.7%、合景泰富地産HD(1813/HK)が4.1%ずつ上昇した。
 一方、本土マーケットも続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.27%安の2997.22ポイントで取引を終了した。ハイテク株が安い。通信株、医薬株、空運株、銀行・保険株、軍事関連株なども売られた。半面、不動産株は高い。エネルギー株、公益株、証券株、酒造株、素材株の一角も買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)