環境エネルギー政策研究所の飯田哲也所長

環境エネルギー政策研究所の飯田哲也所長

ニコニコニュース(オリジナル)

 エネルギー政策の抜本的な見直しについて有識者から意見を聞く総合資源エネルギー調査会の基本問題委員会は2011年10月26日、第2回会合を開いた。この日、プレゼンテーションを行った委員の一人である環境エネルギー政策研究所の飯田哲也所長は、内閣府の原子力委員会の小委員会が試算した原発事故コストについて「あのような計算をすること自体が極めて無責任で恥ずかしいことだ」と語った。

 原子力委員会の下部組織である原子力発電・核燃料サイクル技術等検討小委員会は25日、原発事故や核燃料サイクルに関する試算をまとめた。福島第1原発事故を元に損害費用や事故発生確率から、原発事故のコストを1キロワット時あたり「1.2円」と試算。福島第1原発のようなシビアアクシデント(過酷事故)の発生確率を、原発1基あたり「500年に1回」として計算した。ただ今回の試算には、汚染度が低い地域の除染費用や自治体の損害額、今後の安全対策費などが含まれておらず、異論の声が出ている。

 飯田氏はこの原発事故コスト試算について

「原子力委員会で平均的な事故のコストが1.2円だと言っているが、あのような計算をすること自体が極めて無責任で恥ずかしいことだ」

と批判。飯田氏は、事故コストの試算にシビアアクシデントが起きた場合に備えた保険料が含まれるべきとの考えを示し、

「福島第1原発の事故が起きたということはブラックスワン(予期せぬ出来事)が降り立ったわけで、あの事故が起きた以上、次の事故の補償に関しては、大原則で言えば、無限責任の保険でカバーすべき」

と話した。その上で、「ここは冷酷に市場の中で事故のコストを処理するということを考える必要がある」と述べ、事故損害賠償は各炉の安全実績と保険料を連動させるような「市場の論理」から無限責任保険の義務付けをすべきとの認識を示した。

◇関連サイト
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http://live.nicovideo.jp/watch/lv67870436?po=news&ref=news#30:33

(三好尚紀)

環境エネルギー政策研究所の飯田哲也所長