20日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が前日比22.33ポイント(0.74%)安の2983.06ポイントと3日続落した。心理的節目の3000ポイントを割り込み、昨年11月1日以来、約11カ月半ぶりの安値水準に落ち込んでいる。
 内外の不安材料が投資家心理を冷やす流れ。中国の景気鈍化や半導体を巡る米中対立、米国の金利高などが引き続き売り材料視されている。19日の米債券市場では、米10年債利回りが一時5%台に上昇し、2007年7月以来、約16年3カ月ぶりの高水準を付けた。中国人民銀行(中央銀行)の大規模な資金供給などで前場はプラス圏に浮上する場面がみられたものの、買いの勢いは続かず、指数は中盤から下げ幅を広げている。人民銀は20日、リバースレポを通じ満期分との差引で7330人民元(約15兆2830億円)を市中供給した(1日の正味供給規模として過去最大)。人民銀は朝方、実質的な政策金利となる最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」を発表。事前予想通り、1年物、5年物いずれも現行水準(それぞれ3.45%、4.20%)に据え置いた。ただ、アナリストの一部からは、「今後数カ月の間に、利下げが実施される可能性は残っている」との見方も示されている。(亜州リサーチ編集部)
 業種別では、ハイテク関連の下げが目立つ。LED部材トップメーカーの三安光電(600703/SH)が6.3%安、スーパーコンピューター世界大手の曙光信息産業(603019/SH)が3.6%安、パワー半導体の杭州士蘭微電子(600460/SH)が2.6%安、半導体の封止・検査で中国首位の江蘇長電科技(600584/SH)が2.3%安、産業向けIoT事業の富士康工業互聯網(601138/SH)が2.2%安で引けた。
 医薬品株もさえない。ショウ州片仔コウ薬業(600436/SH)が2.6%安、人福医薬集団(600079/SH)が2.1%安、上海復星医薬集団(600196/SH)と薬明康徳(603259/SH)がそろって1.8%安で取引を終えた。
 通信株も安い。国内3大キャリアの中国電信(601728/SH)が3.9%、中国聯通(600050/SH)が3.5%、中国移動(600941/SH)が2.0%ずつ下落した。エネルギー株、金融株、消費関連株、素材株、軍事関連株なども売られている。
 外貨建てB株相場は、上海B株指数が0.44ポイント(0.20%)安の223.06ポイント、深センB株指数が10.52ポイント(1.01%)安の1035.86ポイントで終了した。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)