新産業に挑戦する企業に対して政策活動やリスクマネジメントのサポートなど、パブリックアフェアーズ領域で総合的なコンサルティングを行う紀尾井町戦略研究所株式会社(KSI、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:別所 直哉)は、月に2回程度、時事関係のトピックを中心としたWeb調査を全国の18歳以上の男女1,000人に行っています。

■調査の概要

 自営農業を営む基幹的農業従事者の人数は2015年から2022年までの7年間で約3割減少し、高齢化も進んでいます。ロシアによるウクライナ侵攻や気候変動などの問題を背景に、食料の安定供給や食料安全保障の強化が課題になっています。今回は日本の農業に関する意識調査を全国の18歳以上の男女1,000人にオンラインで実施しました。調査日は10月13日で、Yahoo!クラウドソーシングを利用しています。

■ 調査結果サマリ

 農地面積や就農人口の減少、食料自給率低下などの傾向が続く日本の農業の現状を問題だと思う人は58%、高齢化が進んでいることを問題だと思う人は66%。2022年度に38%だったカロリーベースの食料自給率を2030年度までに45%にする政府目標を達成できないと思う人が72%に達した。

 政府による多額の補助金が支えているとの指摘がある日本の農業に関し「食料自給は重要だが補助金以外の方法も検討すべき」が59%に上った。株式会社などの法人による農地所有の解禁範囲は慎重に拡大すべきだと思う人が54%、拡大すべきだと思う人は26%だった。

 食料危機時に穀物などに生産転換指示ができるなど、食料・農業・農村基本法を改正して食料安全保障を巡る国の権限強化を盛り込むことに、どちらかといえばを含めると賛成が60%。食料安保などの観点から「コメを積極的に増産して輸出を増やすべきだと思う」23%、「コメの増産や輸出増は検討すべきだと思う」49%などとなった。

 増える耕作放棄地を再び農地として活用すべきだと思う人は55%。国内で小麦や大豆の自給率が低いことについて「自給率を上げることは重要だが政府の多額の補助は再考すべきだ」が56%を占めた。

 農業従事者を増やすためにできることを複数回答で聞くと「農業に関わる人の所得が増えるような施策」61%がトップとなり「女性や若者が就農しやすい環境の整備」52%が続いた。人口減少により労働人口が減る中で優先的に従事者を増やすべき産業を複数回答で聞くと、1位は農業75%で医療・福祉45%、漁業40%と続いた。

 次期衆院選の比例代表で投票したい政党は自由民主党16%(前回9月21日15%)、日本維新の会11%(11%)、立憲民主党4%(4%)、国民民主党4%(4%)などとなった。岸田内閣を「支持する」16%(17%)、「支持しない」67%(65%)だった。

  • 日本の農業は農地面積の減少や就業人口の減少、食料自給率の低下などの傾向が続いている上、食料の安定供給の強化も課題となっており、現状を「問題だと思う」が58.2%を占めた。「問題だと思う」人を年代別に見ると、全体的に年代が上がるにつれて増える傾向があった。(Q6)

  • 日本政府は2022年度に38%だったカロリーベースの食料自給率を2030年度までに45%にする目標を掲げており、この目標を「達成できないと思う」が72.3%に達した。(Q7)

  • 日本の農業は後継者不足などを背景に政府による多額の補助金で支えられているという指摘があることに関し「食料自給は重要だが補助金以外の方法も検討すべき」が59.6%に上った。(Q8)

  • 日本の農業就業人口のうち基幹的農業従事者数や新規就農者数が大幅な減少傾向となっていることを「問題だと思う」が54.6%を占めた。(Q9)

  • 2022年の基幹的農業従事者のうち65歳以上が占める割合が全体の約7割などと高齢化が進んでいることを「問題だと思う」が66.0%に上った。(Q10)

  • 株式会社などの法人による農地所有の解禁範囲について「慎重に拡大すべきだと思う」54.5%、「拡大すべきだと思う」26.8%となった。「拡大すべきだと思う」と答えた人を地域別に見ると、沖縄が5割で最も多く、中部が唯一1割台で最低だった。(Q11)

  • 株式会社など法人による農地所有の拡大は一部の有力者や資本家らによる農業・農地独占に道を開き、戦前の地主・小作制度のような形態を復活させかねないとの「懸念はあると思う」「懸念はややあると思う」が計66.5%に上った。(Q12)

  • 政府は「食料・農業・農村基本法」を改正し、食料危機時に生産転換を指示できるなど食料安全保障を巡る国の権限強化を盛り込むことを検討していることに「賛成」「どちらかといえば賛成」が計60.0%を占めた。(Q13)

  • 農地やコメの生産力維持、食料安全保障などの観点から「コメを積極的に増産して輸出を増やすべきだと思う」23.4%、「コメの増産や輸出増は検討すべきだと思う」49.6%などとなった。 (Q14)

  • 自身がお米のご飯を食べる回数が1年前と比べて「変わらない」75.1%となった。(Q15)

  • 増加傾向にある耕作放棄地について「再び農地として活用する」が55.4%を占めた。地域別に見ると、北海道が7割でトップとなり、中国、沖縄がいずれも6割台で続いた。最低は四国が唯一4台だった。(Q16)

  • 日本国内で小麦や大豆の自給率が低いことと政府の補助政策について「自給率を上げることは重要だが政府の多額の補助は再考すべきだ」が56.0%を占めた。政府が多額の補助をしてでも自給率を上げるべきだとした人を支持政党別に見ると、共産党が5割で最多となり、国民民主党れいわ新選組が4割台、立憲民主党政治家女子48党が3割台と続いた。(Q17)

  • 高級品の果物や花など付加価値の高い農産物の輸出による農業振興と、国内での穀物増産といった食料安全保障との関係について「両立を探るべきだ」43.7%が最多で、次いで「高級農産物輸出よりも穀物増産を重視すべきだ」35.8%となった。(Q18)

  • 農業従事者を増やすためにできることを複数回答で聞くと「農業に関わる人の所得が増えるような施策」61.8%がトップで「女性や若者が就農しやすい環境の整備」52.2%が続いた。(Q19)

  • 人口減少により労働人口も減る中で優先的に従事者を増やすべき産業を複数回答で聞くと1位は「農業」75.3%となり「医療、福祉」45.7%、「漁業」40.2%と続いた。(Q20)

  • 次期衆院選の小選挙区で投票したい政党の候補者は自民党17.1%(前回9月21日16.1%)、日本維新の会10.8%(11.3%)、立憲4.4%(4.6%)、国民3.4%(3.2%)などとなった。(Q21)

  • 次期衆院選の比例代表で投票したい政党は自民16.7%(前回9月21日15.3%)、維新11.8%(11.5%)、立憲4.3%(4.4%)、国民4.2%(4.9%)などとなった。(Q22)

  • 岸田内閣を「支持する」16.5%(前回9月21日17.3%)、「支持しない」67.8%(65.4%)だった。自民支持層では「支持する」とした人は5割台前半で「支持しない」が3割台半ばだったのに対し、同じ与党でも公明党支持層は「支持する」1割台前半、「支持しない」5割台前半だった。「支持する政党はない」とする無党派層では「支持する」が一桁だったのに対し「支持しない」が7割台半ばとなった。(Q23)

  • 政党支持率は自民18.6%(前回9月21日17.8%)、立憲4.0%(3.6%)、維新10.0%(10.5%)、公明1.5%(1.5%)、国民2.7%(2.6%)、共産1.0%(1.7%)、れいわ2.4%(1.9%)、社民党0.3%(0.1%)、政女0.3%(0.5%)、参政党0.4%(1.0%)、その他の政党・政治団体0.3%(0.3%)、支持する政党はない55.8%(55.0%)。(Q24)

調査レポートの詳細 https://ksi-corp.jp/topics/survey/2023/web-research-59.html

【調査概要】
・調査期間: 2023年10月13日
・調査機関(調査主体): 紀尾井町戦略研究所株式会社
・調査対象: 全国の18歳以上の男女
・有効回答数(サンプル数): 1,000人
・調査方法(集計方法、算出方法): インターネット上でのアンケート
※「Yahoo!クラウドソーシング」(https://crowdsourcing.yahoo.co.jp/)を活用

【紀尾井町戦略研究所株式会社(KSI:https://www.ksi-corp.jp/)について】
 KSIは2017年にZホールディングス株式会社の子会社として設立され、2020年4月に独立した民間シンクタンク・コンサルティング企業です。代表取締役の別所直哉は、1999年よりヤフー株式会社(現Zホールディングス株式会社)の法務責任者として、Yahoo! JAPANが新規サービスを立ち上げるにあたり大変重要な役割を担ってきました。その中で培った幅広いネットワークや政策提言活動を通じて得られた知見をもとに、新産業に挑戦する企業に対して政策活動やリスクマネジメントのサポートなど、パブリックアフェアーズ領域で総合的なコンサルティング行っているほか、社会に貢献していくという方針を軸に多様なサービスを提供しています。

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配信元企業:紀尾井町戦略研究所株式会社

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