楽天の新監督に就任した今江監督にかかる期待は大きい(C)Getty Images

 楽天は退任した石井一久監督に代わり、今江敏晃監督が誕生。PL学園出身では、中日・立浪和義監督、西武・松井稼頭央監督に次いで来季は3人が同一高校出身の監督になる。OBではこれまで横浜(現DeNA)・尾花高夫監督、楽天・平石洋介監督も務めた。

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 全国優勝7度など高校球界で一時代を築いたPL学園は「KKコンビ」の桑田、清原に代表されるように、プロに数多くの名選手を送り出してきたが、ことプロ野球監督になると結果を残せていない。

PL学園出身監督の成績(監督代行除く)
10年 横浜・尾花監督=6位(最下位)
11年 横浜・尾花監督=6位(最下位)
19年 楽天・平石監督=3位
22年 中日・立浪監督=6位(最下位)
23年 中日・立浪監督=6位(最下位)
23年 西武・松井監督=5位

 横浜・尾花監督、中日・立浪監督は就任から2年連続最下位。立浪監督は来季3年目だが、いずれも低迷するチームの立て直しを、2年では好転させることができなかった。今季1年目だった西武・松井監督は主砲・山川穂高の離脱の誤算もあって最下位争いからなかなか抜け出せず、チームの順位を昨季3位から5位に落とした。

 PL出身で唯一Aクラス入りした楽天・平石監督は、1年で退任した。当時の石井GMから「3位は僕の中でBクラス」と評価された発言のインパクトが大きく、球団内で意思疎通を欠いた印象は否めなかった。

 PL出身監督はそれぞれチーム状況が違うとはいえ苦戦が続いている。PL出身は選手としては優秀で成功者は多いが、監督としてはマイナスのイメージをファンに持たれてしまっている側面がある。

 2年連続Bクラスのチーム再建を託された楽天・今江監督は、14日の就任会見で、現在休部状態にある母校についても触れ「何か話題になって、復活への道が少しでも近づけばうれしい」と思いを語った。

 PL出身の現役選手はメジャーで活躍するツインズ前田健太オリックス中川圭太の2人だけとなったが、プロ野球の現場で指導するOBは巨人・桑田真澄二軍監督、阪神・今岡真訪コーチなど数多い。次期監督の座を狙うOBにとっても、PL出身監督の「負のジンクス」打破は悲願となる。

 今江監督には楽天の立て直しだけでなく、PL出身監督のイメージを払拭する活躍も期待されている。12球団最年少40歳監督にかかる重圧は大きいが、新風を吹き込むことができるか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

PL出身監督に続く「負のジンクス」 楽天・今江監督にかかるもう1つの重圧