●コンビニの定番商品・フライドチキン。セブン、ファミマローソンの3ブランドのチキンを12種、食べ比べて最強チキンを探してみた。

 コンビニのホットスナックの代表といえば、何と言っても唐揚げフライドチキン。いまやすっかり定番商品ですが、フライドチキンに関して言えば、ファミリーマートの「ファミチキ」(2006年発売)が登場した頃から、一気に人気に火がつきました。いまやメニュー数も増え、まさに「コンビニチキン」の戦国時代と言えるでしょう。

 筆者もコンビニに行くとよくフライドチキンを買います。さくっとお腹を満たせるので、おやつとして食べるのにちょうどいいんですよね。各コンビニでフライドチキンを買っていると、結構な種類が発売されていることに気づきます。味はもちろん、肉の部位が違うなど、各コンビニのこだわりも見えてきます。

 ただ、どのチェーンのどのフライドチキンがいちばん美味しいのか知りたい! というわけで、今回はコンビニのフライドチキン12種類を食べ比べてみました。

実際に食べ比べたチキンは以下の通りです。すべて2023年9月時点で、関東のコンビニ店内で販売していたものです。

セブンイレブン
・ななチキ(241円)
・ななチキ ペッパーガーリック(251円)
・ななチキ 辛ペーニョ(251円)
・揚げ鶏(241円)

ファミリーマート
ファミチキ(238円)
ファミチキ だし旨醤油(259円)
クリスピーチキン(192円)
・チーズチキン(194円)
スパイシーチキン(200円)

ローソン
Lチキレギュラー(238円)、
Lチキレッド(248円)
・パリチキ(238円)

セブンイレブンの「ななチキ」は総合力の高さが光る

ななチキ(241円)
ななチキ(241円)

 コンビニの王者セブンイレブンは、最後発として、2016年からフライドチキンに力を入れ出しました。そして2023年9月時点で、4種類のフライドチキンが存在。果たしてその味は……。

 まず、プレーンの「ななチキ」。オーソドックスなふっくらとした食感で、塩味がガツンときます。肉の旨みが前面に出てきて食べやすく、満腹感もしっかり。総合力に秀でたチキンでした。

【総合評価:★4】
肉質:★★★☆☆
旨さ:★★★★☆
量 :★★★☆☆
価格:★★★☆☆

セブンイレブン「ななチキ ペッパー&ガーリック」

ななチキ ペッパー&ガーリック(251円)
ななチキ ペッパーガーリック(251円)

 続いては「ななチキ ペッパーガーリック」。袋を開けた瞬間に、ふわっとスパイシーな香辛料の香りが漂ってきて、食欲をソソられます。

 いざ実食。イメージ通り、 味が濃い! 炭酸系の飲み物かビールがほしくなりますね。衣の味がけっこう強いので、単体で食べるよりも、おつまみとして楽しむのがよさそうです。

【総合評価:★3】
肉質:★★★☆☆
旨さ:★★☆☆☆
量 :★★★☆☆
価格:★★★☆☆

セブンイレブン「ななチキ 辛ペーニョ」

ななチキ 辛ペーニョ(251円)
ななチキ 辛ペーニョ(251円)

 どのコンビニにもあるのが、唐辛子系のフライドチキンセブンイレブンでは、「ななチキ辛ペーニョ」という名前でショーケースに並んでいます。

 袋をビリッと開けると、唐辛子香ばしい匂いがツンと鼻を抜けていきました。ガブリとひと口食べてみると、舌がピリリと刺激を受けて、その後に肉の旨味が口内に広がりました。そして思ったより辛い! 汗をかいた後のエネルギー補給に食べたくなるチキンでした。

【総合評価:★3】
肉質:★★★☆☆
旨さ:★★★☆☆
量:★★★☆☆
価格:★★★☆☆

セブンイレブン「揚げ鶏」

揚げ鶏(241円)
揚げ鶏(241円)

「ななチキ」が販売される以前、セブンイレブンは独自のフライドチキンで勝負をしていました。それが、この「揚げ鶏」です。筆者も大好きで、昔はよく働いた後にコンビニに寄って食べていました。

 かじると、パリッとした衣を突破した後に、鶏肉の肉汁がジュワワっとあふれ出てきます。お肉の味が強すぎないので、いくらでも食べられそう。セブンイレブンフライドチキンでは、揚げ鶏が最も総合力が高いと思いました。

【総合評価:★4】
肉質:★★★★☆
旨さ:★★★★★
量 :★★★☆☆
価格:★★★☆☆

フライドチキンの開拓者・ファミマの「ファミチキ」

ファミチキ(238円)
ファミチキ(238円)

 コンビニホットスナックの開拓者、ファミリーマート。コンビニフライドチンの特徴である、“ワンハンドで骨なし”というスタイルは、2006年に誕生した「ファミチキ」が最初。筆者も販売当時から今に至るまでどれほど食べてきたか……。 

 まずは、王道のファミチキから。ひと口でわかります。やっぱり肉質がすばらしい! 筋が適度に残っているおかげで食べ応えも十分。本格的なフライドチキンの食感が楽しめます。また、衣も厚すぎず薄すぎず、バランスがすごく良い。さすが伝統のファミチキ。隙なし、といったところでしょうか。

【総合評価:★4】
肉質:★★★★☆
旨さ:★★★★☆
量 :★★★☆☆
価格:★★★☆☆

ファミマ「ファミチキ だし旨醤油」

ファミチキ だし旨醤油(259円)
ファミチキ だし旨醤油(259円)

 2023年5月に登場した「ファミチキ だし旨醤油」。これは限定メニューですね。食べてみると、醤油の味がしっかり、かつ、こってりしています。旨味の余韻が長く残るので、酒のつまみとして食べたくなる味です。

【総合評価:★3】
肉質:★★★★☆
旨さ:★★★☆☆
量 :★★★☆☆
価格:★★★☆☆

ファミマ「クリスピーチキン」

クリスピーチキン(192円)
クリスピーチキン(192円)

 ファミリーマートは、ホットスナックに力を入れていることもあって、チキンの種類が多いのが特徴。続いて、変化球フライドチキンも実食していきましょう。

 その“変化球チキン”の一つ、「クリスピーチキン」は、ファミチキよりスマートなビジュアルです。いざ口に運ぶと……これは味も食感もまるでチキンナゲットです。あっさりしていて、無限に食べられる系のフライドチキンですね。おやつとして、ちょうどいいと思います。ただし、ほかのチキンに比べて1個だとボリュームがまったくないので、総合評価は★3です。

【総合評価:★3】
肉質:★★★☆☆
旨さ:★★★☆☆
量 :★☆☆☆
価格:★★★★☆

ファミマ「チーズチキン」

チーズチキン(194円)
チーズチキン(194円)

 さて、お次は、チーズ風味の「チーズチキン」です。食べてみると、想像以上にチーズが強い! チーズの濃厚さとチキンのジューシーさのダブルパンチで、けっこうコッテコテ。チーズ好きの人にはかなりオススメ。

 ただし、背徳感が強く、リピートしたくなりそうな一方で、あっさりしたチキンが好みの人には、ややアクが強すぎる気がします。

【総合評価:★3】
肉質:★★★☆☆
旨さ:★★★☆☆
量 :★★★☆☆
価格:★★★★☆

ファミマ「スパイシーチキン」

スパイシーチキン(200円)
スパイシーチキン(200円)

 ファミリーマート、いよいよ最後のチキンは「スパイシーチキン」。

 食べてみると、思ったよりあっさりしています。香辛料の風味はあるものの、チキンの旨さのほうが強いです。シンプルで食べやすく、個人的にはかなり好きな味でした。

【総合評価:★4】
肉質:★★★☆☆
旨さ:★★★★★
量 :★★★☆☆
価格:★★★☆☆

からあげクンで有名なローソンの「Lチキ」が最高評価!?

Lチキ レギュラー(238円)
Lチキ レギュラー(238円)

 ローソンといえば、なんといっても「からあげクン」(1986年発売)を思い出す人が多いでしょう。この人気商品と並び立つ“次世代チキン”として、2009年に誕生したのが「Lチキ」です。「からあげクン」で培った鶏肉メニューへの強みは、フライドチキンにも生かされているんでしょうか?

 まずは、オーソドックスなプレーン味をいただきます。うん……? 衣はサクッとしていて、お肉にプリッと張りがあって、味はしっかりついているものの、クドさがまったくない! これまでに食べ比べた中で1番好きな味です。

【総合評価:★5(満点)】
肉質:★★★★★
旨さ:★★★★★
量 :★★★★☆
価格:★★★☆☆

ローソン「Lチキ レッド」

Lチキ レッド(248円)
Lチキ レッド(248円)

 続いて、「Lチキ」のスパイシー系担当「Lチキ レッド」。香りはそこまで強くありませんが、口に入れた瞬間にピリリッと辛さが来ます。刺激的ではありますが、激辛ではなく、むしろあっさりめで食べやすい味です。

【総合評価:★4】
肉質:★★★★☆
旨さ:★★★★☆
量 :★★★☆☆
価格:★★★☆☆

ローソン「パリチキ」

パリチキ(238円)
パリチキ(238円)

 最後のチキンは、「パリチキ」。セブンイレブンの「揚げ鶏」と似た方向性のシンプルなフライドチキンです。

 食べてみると、その名の通り、パリッと感が半端ないです。衣の片栗粉の風味が強く、フライドチキンというより唐揚げっぽいです。お肉の旨みがしっかり閉じ込められており、衣を突破すると旨さがブワッと口中に広がります。かなりウマい!

【総合評価:★4】
肉質:★★★☆☆
旨さ:★★★★★
量 :★★★☆☆
価格:★★★☆☆

まとめ:最強フライドチキンはローソンの「Lチキ」

ローソンの「Lチキ」(食楽web)
ローソンの「Lチキ」(食楽web)

 そんなわけで、セブン・ファミマローソンフライドチキン全12種を一気に食べ比べたわけですが、さすがにお腹いっぱいです。

 ひと言でまとめるのは難しいところですが、あえて言えば、セブンイレブンは総合力、ファミリーマートは独自の味と食べ応え、ローソン素材の味を活かしているという特徴を感じました。

 その中での最強フライドチキンは、やはりローソンの「Lチキ」。オーソドックスな味わいながら、お肉自体の旨さがしっかり残っていて、全体的な旨さが頭一つ抜けていました。みなさんもぜひ、お気に入りのフライドチキンを探してみてください。

食楽web