21日、明治安田生命J1リーグ第30節の横浜F・マリノスvs北海道コンサドーレ札幌日産スタジアムで行われ、横浜FMが4-1の勝利を収めた。

夏場以降、不安定な戦いが続き、首位ヴィッセル神戸と勝ち点「4」差をつけられている横浜FM(2位)。今節で敗れて神戸が勝利し、「7」まで差が開けば、残り4試合でJ1連覇が遠のくこととなり、是が非でも白星がほしい。

札幌(14位)はリーグ3位の「50」ゴールを誇る一方、失点もリーグ最多タイの「53」。華麗なミシャフットボールと引き換えに継続的な白星がなく、J2降格の危険性は低いにせよ、今季も佳境に入るなかで14位に沈んでいる。

立ち上がりからアウェイ札幌の攻勢が続いたなか、10分には素早いリスタートからルーカスフェルナンデスがボックス内まで侵入。右足を振り抜きたかったが、必死に帰陣したDFにブロックされてフィニッシュまで持ち込めない。

先制点は横浜FM。19分、自陣からのスルーパスに左サイドを抜け出したスピードスター宮市は、ハーフウェイライン付近からドリブルで独走。追走するDFを尻目に最後はボックス左から右足シュートをファーネットへ流し込んだ。

札幌は29分、田中のシュートのこぼれ球に反応した菅が自慢の左足を一振り。だが、アウト回転がかかったボックス手前からの左足ボレーはクロスバーに阻まれる。

54分、札幌は小柏が右サイドからドリブルを開始し、1人かわしてボックス内へ。最後は右足トーキックでファーネットを狙ったが、ほんのわずかにゴール左へ外れる。後半最初の決定機を活かせない。

札幌はさらに56分、駒井のスルーパスに抜け出した浅野がGK一森との一対一を迎えるが、ボックス内まで運んで放った左足シュートは一森に阻まれる。チャンスの演出数で昨季のJ1王者を上回る札幌だが、肝心のゴールが遠い。

対する横浜FMも60分、吉尾の左からのピンポイントクロスに植中が頭で合わせるも、シュートはわずかにゴール左へ。こちらも追加点がなかなか訪れない。

74分にも西村が敵陣で札幌DFからボールをかっさらい、ゴール前では植中が完全にフリーに。ラストパスを余裕を持って受けた植中だったが、左足シュートはGK高木の正面を突いてしまう。千載一遇のチャンスも決めきれない。

それでも横浜FMは試合終盤に待望の追加点。84分、ヤン・マテウスが右からクロスを上げると、ゴール前にポジションをとった途中出場の杉本が右足ボレー。上手くミートしなかったが、GKの頭上を越す絶妙なシュートとなり、緩やかな軌道を描いてファーネットへ吸い込まれた。

杉本に今季リーグ戦初ゴールが生まれた横浜FM。神戸追撃へとにかく勝ち点「3」がほしいなか、追加点によってリーグ戦7試合連続で失点を喫していた守備でも安定感が生まれ、札幌の反撃をシャットアウトしていく。

すると後半アディショナルタイム1分、前がかりになっていた札幌を尻目にエウベルがカウンターを発動。ハーフウェイライン付近から独走し、最後はボックス左から左足シュートを流し込んだ。

横浜FMは90+3分に田中のゴールで1点を返され、リーグ戦8試合連続失点に。それでも90+6分、この日2度のチャンスを逃していた植中に待望のゴールが。エウベルからの横パスを冷静に右足で流し込んだ。

結局、終わってみれば横浜FMが4-1と快勝。同時刻キックオフの神戸vs鹿島アントラーズで神戸が3-1と勝利したことにより、勝ち点差は「4」から縮まらず。それでも連覇に希望を残す重要な白星となった。

横浜F・マリノス 4-1 北海道コンサドーレ札幌
横浜FM
宮市亮(前19)
杉本健勇(後39)
エウベル(後45+1)
植中朝日(後45+6)
【札幌】
田中駿汰(後45+3)