ウェス・アンダーソンは、監督デビュー作『アンソニーハッピー・モーテル』の失敗により永遠に「変わった」そうだ。

公開当時は興行的に不振に終わったものの、後にカルト映画として人気を確立した同1996年作で、貴重なことを学んだという。

フランスリヨンで現在開催されているリュミエール映画祭で、アンダーソンはこう説明している。「何をしたいのかアイディアはありました。私達がそれを作るべきではないと私を説得できる人は誰もいませんでしたし、私の自信は最高レベルでした」「そして遂に製作し、観客に見せたところ、大不評だったんです。私は非常にショックを受けました。最悪でしたよ」

先月には『アステロイド・シティ』が公開されたほか、『ファンタスティックMr.Fox』 や『グランド・ブダペスト・ホテル』といった高い評価を受けた映画で知られるアンダーソンは、「でも、それが私を変えたのです。もしそれを知っていたら、私は恐らくあの映画を作っていなかったでしょうね。だから、ああなってよかったと思います。若い時には目を閉ざした自信が必要ですからね!」

そのユニークな作風で知られるアンダーソンだが、新たな作品に着手する際、それを念頭においているわけではないそうで「この映画では何が新しいのか考えます。どうやって、この映画をできるかぎり最高に作り、最も素晴らしいコラボレーターを集めるかとね。しかし毎回映画を作るたびに、人々が初めに口にするのは『誰がこれを作ったかすぐわかる!』です」「私の映画は、そうなる努力はしていないもののお互いに繋がっていると感じますし、私のその点については受け入れています。でも私にとっては、それぞれの映画が完全に新しい冒険ですよ」と続けた。

また撮影の際は、キャストが一緒に暮らすことを好むというアンダーソンは、その理由をこう語っている。「経験全体が、より一層感情的なものとなりますし、俳優達は俳優達と一緒にいて、機会があればその作品に没頭することを好むと思います」

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