21日、インターナショナルブレーク明けとなったプレミアリーグ第9節で、リヴァプールエヴァートンが対戦する“マージーサイド・ダービー”が行われた。

 ホームのリヴァプールは、開幕から5勝1分と好スタートを切ったが、前々節、トッテナムに1-2で敗れると、前節はブライトン相手に2-2で引き分け、2戦未勝利となった。ここまでのリーグ戦8試合でクリーンシートはわずか1試合のみ。守備の改善が急務となっている。

 一方、アウェイのエヴァートンは、現在2勝1分5敗と下位に沈んでいるが、前節はボーンマスに3-0で快勝。得点力不足に喘いでいたなか、攻撃陣が大きな手応えを掴んでインターナショナルブレイクに入った。

 リヴァプールは、12日にスペイン代表との試合で肩を負傷したイングランド代表DFアンドリューロバートソンが欠場し、左サイドバックにコスタス・ツィミカスがスタメンに入った。また、日本代表の国際親善試合に出場した遠藤航ウルグアイ代表として北中米ワールドカップ南米予選を戦ったダルウィン・ヌニェスは、ベンチスタートとなった。対するエヴァートンは、ジョーダン・ピックフォードやドミニク・キャルバート=ルーウィンなどが先発に名を連ねた。

 試合は開始早々にエヴァートンがチャンスをつくった。リヴァプールの後方からのビルドアップをひっかけて、カウンターを発動。ゴール前へのクロスにドミニク・キャルバート=ルーウィンが高い打点で合わせた。しかし、この試合のファーストシュートはアリソンの正面に飛び、難なくセーブされた。

 一方、立ち上がりにピンチを招いたリヴァプールだが、すぐに試合の主導権を掌握。アンフィールドの大声援を受け、攻勢を強める。13分には、エヴァートンのコーナーキックを跳ね返したところから一気にロングカウンターを仕掛け、最後はドミニク・ソボスライがペナルティエリア内からシュートを放った。しかし、エヴァートン守備陣も必死のシュートブロックでゴールを許さなかった。

 その後もリヴァプールが一方的に攻める展開が続いた。すると、37分に試合が大きく動く。ルイス・ディアスの切れ味鋭いドリブルに手を焼いていたアシュリーヤングがこの日2枚目のイエローカードを提示され、エヴァートンは前半のうちに10人の戦いを余儀なくされてしまう。

 前半終盤は数的有利となったリヴァプールが、さらに攻勢を強めた。ただ、1人少ないエヴァートンも、「4-4-1」の守備ブロックで隙を見せず。前半は0-0のまま終了した。

 後半からエヴァートンは、マイケル・キーンとネイサン・パターソンを投入。システムを「4-4-1」から「5-3-1」へ変更し、徹底的に守備を固めた。

 リヴァプールは、守りに徹するエヴァートンを攻めあぐねた。61分にライアン・フラーフェンベルフとコスタス・ツィミカスをベンチに下げ、ダルウィン・ヌニェスとハーヴィーエリオットを投入。左サイドは本職のサイドバックを置かず、ルイス・ディアスとドミニク・ソボスライが務め、さらに攻撃的な姿勢を強めた。

 苦戦を強いられたリヴァプールだが、1対1で常に優位に立っていたルイス・ディアスがついに均衡を破る。ペナルティエリア内の深い位置からクロスをあげると、マイケル・キーンのハンドを誘発し、PKを獲得した。このPKを蹴るのは、モハメド・サラー。強烈なシュートをゴール右に突き刺し、待望の先制ゴールを奪った。

 リードを奪ったあとも、リヴァプールエヴァートンに流れを渡さず、攻撃的な姿勢を強める。すると、後半アディショナルタイムに追加点が生まれる。前がかりになったエヴァートンに対して、ロングカウンターを仕掛け、ダルウィン・ヌニェスのラストパスから最後までモハメド・サラーがフリーでシュート。確実にゴールネットを揺らし、この日2点目を決めてみせた。

 このままリヴァプールエヴァートンを2-0で下し、リーグ戦3試合ぶりの勝利。暫定ながらリーグ首位に浮上した。一方のエヴァートンは、今季初のリーグ戦連勝はならなかった。

【スコア】
リヴァプール 2-0 エヴァートン

【得点者】
1-0 75分 モハメド・サラーリヴァプール
2-0 90+7分 モハメド・サラーリヴァプール