日向坂46齊藤京子が初の単独主演を務める土曜ナイトドラマ「泥濘の食卓」(毎週土曜夜11:30-0:00、テレビ朝日系)の第1話パラサイト不倫、開幕!」が10月21日に放送された。バイト先の店長との禁断の恋、「私はやっぱり、店長と幸せになりたい」という思いから暴走が始まる。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】スーパーで働く齊藤京子“深愛”のかわいい制服姿

■「泥濘の食卓」とは

本作は、同ドラマは2016年に「悪い夢だといいのにな」で「第75回ちばてつや賞」大賞に輝いた漫画家・伊奈子による「泥濘の食卓(ぬかるみのしょくたく)」を実写化。不倫相手と幸せになりたいという思いから、ある家族に寄生する、かつてない“パラサイト不倫”を描くストーリーとなっている。

齊藤が演じる捻木深愛(ねじきみあ)は、田舎町のスーパーで働き、母と二人暮らしをしている25歳の女性。抑圧の強い母親・美幸(筒井真理子)の下、常に否定されながら育てられたため、自己肯定感が低い。そんな中、初めて自分のことを肯定し、優しくしてくれた店長・那須川夏生(吉沢悠)を好きになり、不倫関係に。

那須川(吉沢)の妻・那須川ふみこを戸田菜穂が、那須川の一人息子で進学校に通う高校生・那須川ハルキを櫻井海音が演じている。他、ハルキの幼なじみで、ハルキに異常なほどの愛情を抱く尾崎ちふゆ役で原菜乃華が出演する。

齊藤京子“深愛”は、優しくしてくれる店長と不倫関係に

バイト先の店長・那須川と不倫関係にある深愛。バイト終わりにいつものようにラブホテルに入ると、那須川が「安物だけど、日ごろの感謝を込めて」と言って深愛にピアスをプレゼントした。アクセサリーをプレゼントされるのは人生で初めての深愛。耳にピアスの穴を開けてないが、「ありがとうございます。毎日付けていきますね」と約束する。

「深愛ちゃんといると本当に安らげるよ」という那須川の言葉に「私もです。店長」と答えつつ、心の中で「私はいつでもあなたのお嫁さんになれます。生涯を共に過ごせます」とつぶやいた。

そんな幸せな日々を過ごしている深愛だが、一つかなえられないことがあった。いつも二人で行くのはラブホテル。「ご飯に行きたい」とお願いしても断られてばかり。この日も「来週こそ」とお願いするが「あまり期待しないでくれる」と、今回も難しそうな感じ。

■念願のお食事が一転、別れ話を切り出されてしまう

母・美幸は深愛を抑圧し続けている毒親。25歳になった今も門限を設定したり、人格を否定したり、ダメ出しばかり。そんな母なので、深愛はピアスの穴を開ける時も10代の子のように親に隠れてこっそりと開けた。

バイト先の休憩室で、女性の同僚たちが深愛のピアスに気が付き、その後でやってきた那須川にも「捻木ちゃんが不良化してるんですよ」と知らせ、「かわいいっしょ!」と言われ、「本当だ」と照れた様子を見せた。

その時、那須川からのショートメールが届いた。そこには「今夜、夕食行かない?」と書かれていた。プレゼントされたピアスを付けて一緒に食事。浮かれる深愛だったが、楽しいはずの食事が一転、「別れてほしい」と那須川から切り出されてしまう。「妻がカウンセリングを受けなきゃいけなかったり、今が一番大変なんだ」と、深愛のせいではないと言いながら、「ここで踏ん張らないと家が壊れてしまうかもしれない」とか「大丈夫。深愛ちゃんは優しくてかわいいから、他に深愛ちゃんを好きになってくれる人はいるよ」など、自分本位な言い訳を並べていく。

■別れ話を切り出され、深愛の暴走が始まった

「私の何がいけなかったんだろう」と考え続け、その夜は一睡もできなかった深愛。翌日、那須川は体調不良で仕事を休み、その後は深愛を避けるようにシフトをずらし、職場で顔を合わせることがなくなった。

しかし、スタッフ名簿で那須川の自宅の住所を知った深愛は、バスに揺られ、那須川の住むマンションへ。呼び鈴を押して会いに行ったわけではなく、自転車置き場や郵便受けを見ながら、「毎日、ここから出かけてるんだ。ここに自転車を停めて、郵便はここから」と那須川の日常を想像する深愛。

そして、深愛は「私はやっぱり、店長と幸せになりたい」という考えに至った。

■声のトーンを変え、一途過ぎるヒロイン“深愛”を怪演

第1話は、別れ話をきっかけにして深愛が変わり始める様子を描いたものになっている。自己肯定感が低く、毒親に抑制されて育ってきたからこそ、那須川に一途過ぎる愛情を抱き、暴走することとなってしまった。

何と言っても注目したいのは齊藤の演技。自信がなくてオドオドした感じだったり、母親に何を言われても言い返せなかったりする深愛だが、「やっぱり店長と幸せになりたい」と思い込んだらそれに向かって周りが見えなくなってしまう。

“自分”を中に押し込めてきたことの反動の大きさが今後の物語の中で表現されることが予想できる。

10月21日の「深愛からの連絡」というタイトルで記した齊藤のブログに、「今作では声色も変えているのでいつもの私感はほとんどないと思いますが深愛として観ていただけると嬉しいです」という一文がある。

まさにその通りで、日向坂46での齊藤を知っている人だとより感じると思われるが、ドラマの中でしっかりと“深愛”として生きているのが分かる。那須川家を泥濘にハメていく齊藤“深愛”の演技に今後も注目してもらいたい。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

初の単独主演を務める日向坂46の齊藤京子/(C)テレビ朝日