お笑いタレント劇団ひとりが監督・脚本を担当し、2021年12月からNetflixで配信された映画『浅草キッド』。企画・製作はNetflixだったが、撮影に入る前に行われた「リスペクト・トレーニング(職場でのハラスメントを防止するための取り組み)」について、劇団ひとりがラジオ番組で語っている。

幼い頃からビートたけしに憧れ、お笑いの世界に入った劇団ひとり1988年に刊行されたビートたけしの小説『浅草キッド』は、自分が映画化しなければと思い込んでいたそうで、自身の小説『青天の霹靂』を映画化(2014年5月公開)した後にいよいよ脚本を書き始め、いろんな人に映画化の話を持っていったという。しかしなかなか実現とはならず、7年の時を経てやっと決まったのがNetflixだった。

10月19日深夜放送のラジオ番組『ナインティナインのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)にゲスト出演した劇団ひとりは、映画撮影前に受けたハラスメント防止講習について説明している。監督やプロデューサー、俳優だけでなく、現場のスタッフ映画に関わる人は全てこの講習を受けなければならないのだ。劇団ひとりによると、「その世界を股にかける弁護士みたいな人が来て。1時間ぐらい、ハラスメントとはなんぞや」を具体的な例をあげて教えてくれたそうだ。たとえば、上の立場の人が「家が近所だから、車に乗っていかない?」と帰宅する部下を誘うのは、「断れないから」NGだという。罵詈雑言ではなく、こうした好意で発せられた言葉でもハラスメントになることがあると分かり、劇団ひとりは講習を受けて良かったと話していたが、Netflixで撮影経験がないナインティナインの2人は「はぁ~」と深いため息をついた。矢部浩之は「何も言えない…」と、戸惑いを隠せない様子である。

ところで明石家さんまNetflixで、自身とジミー大西との出会いから交流エピソードを描いたドラマ『Jimmy~アホみたいなホンマの話~』(2018年より配信)を企画・プロデュースしている。岡村隆史は「ジミーさんなんか、(ハラスメント防止講習の)意味分からへんと思うで」と心配していたが、日本語作品では『全裸監督』(2019年より配信)以降に実施されているので、講習は受けていないようだ。

昨今はバラエティ番組でも容姿いじりが難しくなり、罰ゲームなどもただ「痛い、痛い」と苦痛を訴えるだけではなく、「痛いけど気持ちが良い」など楽観的な言葉を付け加えてほしいと要求されるらしい。このNetflixによるリスペクト・トレーニングのようなハラスメント防止講習は、日本のドラマ映画だけでなくバラエティ番組の現場にも導入される日が近いかもしれない。
(TechinsightJapan編集部 みやび

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