アニメーション制作会社・スタジオポノックの長編アニメ最新作『屋根裏のラジャー』に、寺尾聰杉咲花が声優として出演することが決定。寺尾は初のアニメーション映画参加となる。

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 本作は、世界150以上の国と地域で上映され大ヒットを記録した『メアリと魔女の花』以来、7年ぶりとなるスタジオポノック長編最新作。人間の想像が食べられてしまう世界を舞台に、少女の想像から生まれた“誰にも見えない”少年・ラジャーと仲間たちが、大切な人の未来と運命を懸けた戦いに挑む。

 愛を失った少女は、想像の少年ラジャーを生みだした。ふたりは、想像と現実の世界を駆けめぐり、かけがえのない時間を過ごす。しかしある日、ラジャーを狙う謎の男が現れ“想像”の世界が消えようとしていた…。

 原作は、A.F.ハロルドによる小説『The Imaginary(ぼくが消えないうちに)』。イギリス文学協会賞受賞をはじめ、ケイト・グリーナウェイ賞、カーネギー賞等にノミネートされるなど、世界の文学賞を席巻した。監督は、『もののけ姫』、『千と千尋の神隠し』などスタジオジブリ作品で中核を担い、スタジオポノック作品の短編アンソロジー『ちいさな英雄』の一篇『サムライエッグ』、オリンピック文化遺産財団の芸術記念作品『Tomorrow’s Leaves』を手掛けた百瀬義行。

 この度、新たに寺尾聰杉咲花の本作への参加が発表となった。黒沢明監督作品『乱』や『夢』で注目を浴び、『雨あがる』『半落ち』では日本アカデミー賞最優秀主演男優賞、2008年には紫綬褒章を受章など、日本映画界を代表する俳優としての活躍もさることながら、歌手としても「ルビーの指環」で大ヒットを記録するなど多彩な才能を発揮する寺尾聰。長いキャリアの中で、アニメーション映画への参加は本作が初となった。「アニメーションの中のキャラクターに命を与えられるかどうかとても責任重大で、難しくて怖がってこれまでアフレコのお仕事は一切やってこなかった」と語る寺尾が、今作では物語にほれ込みオファーを快諾。映画をけん引する重要なキャラクターとして、イマジナリの老犬に命を吹き込み活躍する。

 さらに、『メアリと魔女の花』でヒロイン・メアリの声を務めた杉咲花の出演も決定。本作では謎に包まれたオーロラを演じる。2016年公開の映画『湯を沸かすほどの熱い愛』で第40回日本アカデミー賞、最優秀助演女優賞・新人俳優賞など、多くの映画賞を受賞し、今後も数々の話題作公開が控えている若手実力派俳優・杉咲。7年ぶりにスタジオポノック作品に参戦する杉咲は、「大胆さと線の細さのどちらもを心に、まだ行ったことのない魅力的な惑星のなかへ、えいやっと踏み出していくような時間でした。参加することができて嬉しかったですし、1人の観客としてもとても楽しみです」と語った。

 他、声の出演者として実力派俳優陣も発表となっており、主人公・ラジャー役の寺田心、ラジャーを生み出した少女・アマンダ役に鈴木梨央、アマンダの母・リジー役に安藤サクラ、イマジナリの少女・エミリ役に仲里依紗、猫のジンザン役に山田孝之、リジーの母・ダウンビートおばあちゃん役に高畑淳子、謎の男・ミスターバンティング役にイッセー尾形らが映画を盛り上げる。

 アニメ映画『屋根裏のラジャー』は、12月15日公開

※寺尾・杉咲のコメント全文は以下の通り。

<コメント全文>

寺尾聰

アニメーションに声を当てるということが、俳優人生で初めての経験でした。

自分の声を出したときにそのキャラクターに一体化しているかどうか、アニメーションの中のキャラクターに命を与えられるかどうかとても責任重大で、難しくて怖がってこれまでアフレコのお仕事を一切やってこなかったのですが、今回オファーをいただいて、西村プロデューサーからいただいた映画の資料を拝見したとき、凄く素敵な話で引き込まれるものがあり、やってみたいと素直に思いお引き受けしました。

初めての仕事でしたが百瀬監督や西村プロデューサーなどベテランの方たちから教わることが沢山あると思い、安心して寄りかからせて頂きながら、とても良い温度感を貰ってアフレコさせていただきました

後は映画をご覧になって頂く皆さまが、楽しんで喜んで帰ってくれるかなと、ワクワクして期待しています。

杉咲花

大胆さと線の細さのどちらもを心に、まだ行ったことのない魅力的な惑星のなかへ、えいやっと踏み出していくような時間でした。

参加することができて嬉しかったですし、1人の観客としてもとても楽しみです。

アニメ映画『屋根裏のラジャー』(左から)寺尾聰・老犬・杉咲花・オーロラ (C) 2023 Ponoc