相葉雅紀が主演を務める金曜ナイトドラマ『今日からヒットマン』(テレビ朝日系/毎週金曜23時15分 ※一部地域を除く)が10月27日に放送開始。むとうひろしの同名漫画が原作の本作で、相葉は平凡なサラリーマンだったものの、ある日突然大事件に巻き込まれ、伝説の殺し屋の名を継ぐことになり、愛する家族を守るためにサラリーマンとヒットマンの二重生活を送ることになった稲葉十吉(とうきち)を演じる。ガンアクションなども登場する新境地の役柄に挑戦する相葉が、役作りや撮影の様子などについて語ってくれた。

【写真】「ガンアクションは初めて」 相葉雅紀が伝説の殺し屋の名を継ぐことになってしまう優秀な営業マンに

■相葉「新鮮で楽しい!」 サラリーマンとヒットマンの二重生活という新境地の役柄に挑戦

――原作漫画や脚本を読まれてどう感じられましたか?

相葉:設定も面白いですし、巻き込まれていく主人公のドタバタ劇も面白いなと思いました。原作漫画はもちろん素晴らしいですし、ドラマバージョンとして、原作のいろいろな話を少しずつエッセンスとして入れながら毎話作られているので、すごく見応えがあるんじゃないかなと思います。原作では(稲葉夫婦に)子どもはいないのですが、ドラマでは子どもがいるので、守るべきものという部分が、より大きく描かれている感じがします。

――本作で演じる十吉は相葉さんにとって新境地ともいえる役どころですよね。

相葉:十吉は、僕が今まで演じさせていただいた役とはかなり違いますね。でも、あまり自分のイメージにない方が演じやすかったりもするので、新鮮で楽しく演じさせていただいています。十吉は、一本筋が通っている人物なんです。裏社会のヒットマンになってしまいますが、そうしないと自分の妻と子どもが殺されてしまうという…そこまで極限状態に追い込まれているからなんです。家族思いだけど、なかなかうまく転がっていかなくて追い込まれていくので、感情の起伏も激しいんです。

――木村ひさし監督からは役に関してどんなお話がありましたか?

相葉:十吉は事件に巻き込まれていきますけど、サラリーマンの時は「やっぱり優秀な営業マン、エースみたいな営業部のデキる人じゃないと追い詰められても人は殺せないよね」という話をしていました。ダメなやつが追い込まれて人を殺していく…ではなくて、仕事も優秀で何の変哲もない家庭のお父さんが突然殺し屋をしなきゃいけないという状況になっていく…ということを言ってくださいましたね。営業で培った話術を使いながらも、ヒットマンではない人物がどう銃を扱っていくのかという点が、十吉の見どころかなと思います。

――十吉に共感できるところは?

相葉:たくさんあります。「分かる、分かる」って思います。でも、自分が十吉と同じ状況になったら耐えきれないでしょうね。だって…人を殺したくないですよね、普通。撮影でも殺すシーンは…胸が痛いです。

■木村ひさし監督と『ピカ☆★☆ンチ LIFE IS HARD たぶんHAPPY』以来のタッグ


――十吉の相棒となるちなつ役に山本舞香さん、妻・美沙子役に本仮屋ユイカさん、そして会社の部下・山本役に深澤辰哉(Snow Man)さんと、十吉を取り巻くキャラクターも魅力的ですが、共演者の皆さんの印象は?

相葉:山本さんは演技での共演は初めてですが、独特のオーラを持っている魅力的な女優さんですね。本仮屋さんは、空いている時間に子ども役の木村優来さんを含めて、家族として距離を縮めてくれようとしてくれて、すごくプロフェッショナルだなと感じますね。深澤くんとの初共演もすごく嬉しいですね。

――撮影現場の雰囲気はいかがですか?

相葉:木村ひさし監督は、『ピカ☆★☆ンチ LIFE IS HARD たぶんHAPPY』(2014年)という嵐の映画を撮ってくださったことがあるんです。今回、久しぶりにご一緒させていただきましたが、知っている監督さんなので、すごく和気あいあいと撮影は進んでいますね。木村監督は古めのギャグが大好きで演出にも入れてくるんですけど、それを理解するために空き時間に僕と深澤くんは映像を観たりして、「このことか!(笑)」みたいなすり合わせを一緒にしていました。監督から「おさむちゃん」のギャグのことを言われたときは、僕があんまりピンときていなかったんです(笑)。後で調べて「ザ・ぼんちの方なんだ!」というのが分かりました。深澤くんもきっと分からずにやっていると思います(笑)。そんなふうに楽しみながらやっていますね。それと、稲葉家の家族3人のシーンの時は、空いている時間にトランプで神経衰弱やったり、ジェンガをやったりして、コミュニケーションを取っていますね。

――本作ではアクションも満載ですが、役作りでされたことは?

相葉:ガンアクションは初めてなんです。今回、銃に詳しい先生に来ていただいて、銃の持ち方や構え方、弾の外し方、ロックのかけ方とか、そうした基本的なところを教えてもらいました。先日、十吉が撃たれそうになるシーンがあったんですけど、結構、怖かったですね(苦笑)。銃口を向けられて撃たれるのは、やっぱり怖いですよ。鉄砲なんて本当に…運動会ぐらいでしか聞く経験ないですからね。運動的なトレーニングは、特にはやってないですね。十吉は突然事件に巻き込まれていくので、すでにムキムキになっていたら話がおかしくなってしまうんです。自分で普段からやっているトレーニングをするぐらいですね。

――今回、前クール同枠のドラマ『警部補ダイマジン』主演の生田斗真さんから、主演のバトンタッチとなりましたが、アクション経験も多い生田さんにエールをいただいた時のお気持ちは?

相葉:バトンタッチイベントは初めてやったんですけど、なかなかいいですね。気持ちが入りました(笑)。斗真とは僕が中学2年生からの知り合い。そんな斗真からバトンをもらえるのは嬉しかったです。

■感情の起伏が激しい十吉を演じるため本番前に集中! ヒットマンの衣装を着ると「後押しされる」


――ご自身と共通点が少ないという十吉は、感情の起伏が激しいキャラクターだとおっしゃっていましたが、演じる時に感情のスイッチを入れているんですか?

相葉:そうですね。疲れますけどね(苦笑)。本番に入る少し前から演じるために集中しています。

――ヒットマンの衣装を着るとスイッチは入りますか?

相葉:実際に(劇中で)十吉が「ヒットマンユニフォームを着るとスイッチが入る」と表現している部分があるんです。僕自身も、やっぱりヒットマンを演じる時に、それを着ると後押しされる感じはありますね。

――ヒットマンの衣装合わせをした時はどう感じられましたか?

相葉:最初、原作漫画のビジュアルに寄せるかどうかという課題があったんです。ヒットマンの十吉は「オールバックを撮りたい」という希望もあったので、原作に寄せすぎると、それができなくなってしまって…。でも“革ジャンサングラス”というところも含めて、わりと原作に忠実なスタイルになっているかなと思います。めちゃくちゃ細かい話なんですけど、衣装合わせでVネックか丸首ネックかですごく悩んでいましたね。結局、Vネックになりました(笑)。

――今回、サラリーマンとヒットマンという全く異なる二重生活を送る役どころを演じますが、相葉さん自身、「こんな一面があるんだ」と意外に思われることはありますか?

相葉:自分では全然そうは思っていないんですけど、意外に「せっかち」だと結構言われます。時間を無駄にしないというか、時間も労力も全て効率よく…というタイプなのかもしれないですね。あと「小説を読む」と言ったら、「意外だね」って言われました(苦笑)。

――(笑)。本作で十吉は二重生活を送ることになりますが、もしご自身が二重生活を送るとしたら、芸能人とどんな職業を選びますか?

相葉:うーん…何ですかね、芸能と副業ってことですよね。やるとしたら…え~、飲食は難しいしなぁ…(熟考)。そうだな…僕は温泉が好きなので、温泉とか掘りたいですね(笑)。

(取材・文/齊藤恵)

 金曜ナイトドラマ『今日からヒットマン』は、テレビ朝日系にて10月27日より毎週金曜23時15分放送(※一部地域を除く)。

金曜ナイトドラマ『今日からヒットマン』より主演・相葉雅紀 (C)テレビ朝日