成績不振により、3年契約の2年目となる今シーズン限りで辞任した巨人・原辰徳前監督(65)。来季はオーナー付特別顧問との肩書で球団にとどまるが、その実26年春開催予定のWBC侍ジャパン監督復帰に意欲満々なのである。

 2年連続でCS進出を逃した9月29日に山口寿一オーナーと会談して辞任を決断した原前監督。

「後任は22年から1軍作戦兼ディフェンスコーチ、ヘッド兼バッテリーコーチを歴任した阿部慎之助新監督(44)が引き継ぎました。組閣については原監督の息がかかった首脳陣で固めるという見方もありましたが、結局は新体制に相応しく刷新された形になった。原前監督は監督としての契約期間が満了となる来オフに退団するとみられます」(スポーツ紙デスク

 だが、原前監督は次なる野望に燃えている。それが今年3月に世界一を奪還したWBCの日本代表監督復帰だ。すでに09年の第2回大会で指揮を執り、イチロー松坂大輔らを擁して大会2連覇を成し遂げた経緯がある。

侍ジャパンの現場を離れて久しいですが、原監督の信条は巨人だけでなく野球界の発展に尽くすこと。『また世界の頂点を獲りたい』とも口にしているほどで、そのため、事あるごとに侍ジャパンについて助言していました。自身の信奉者である栗山英樹前監督(62)の相談にも乗って、代表監督の重圧と闘う後輩をサポートしていました」(前出・スポーツ紙デスク

 5月末に栗山前監督が契約満了に伴い退任してから、NPBは後任探しを始めるものの難航。11月の初陣に間に合わないのではとの声も出始める中で、ようやく井端弘和新監督(48)がU12、U15代表指揮官兼任で務めることが、10月4日に発表されたばかりである。

「この日はくしくも巨人の今シーズン最終戦が行われて、原前監督が辞任を正式発表した日です。そのため、井端新監督の所信表明会見は完全にかすみました。NPB側はひとまず11月16日開幕の『カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ2023』の指揮を託し、以降は随時更新する構えですが、最長でも来オフの国際大会『プレミア12』までと言われている。早い話、腰掛けが前提なんです。その時点でちょうど巨人を退団する原氏にバトンタッチすれば、引き継ぎもスムーズにいくと考えてのことでしょう」(在京テレビ局スポーツ中継プロデューサー)

 井端→原の侍ジャパン監督リレーは双方にメリットがあるようで、

侍ジャパンWBCに深く関与している読売新聞社にとって、巨人出身の原監督が就任となれば何かと好都合。巨額のスポンサー料が発生するため、知名度、実力の両方あることが適任の理由です。一方で井端氏は引退後に社会人野球の臨時コーチを引き受けるなど、全世代の野球に関する知見を積んでいる状況。将来的には中日の監督就任に意欲を燃やしており、侍ジャパン指揮官の〝肩書〟は大きく前進する要素にもなる。お互いにとって都合がいいのです」(球界OB)

 WBC今大会で世界制覇した最大の要因は大谷翔平ダルビッシュ有ら米メジャーリーグ勢を呼べたこと。WBC後の今シーズン中に故障が発生した大谷を再び呼ぶことは難しいように思えるが‥‥。

「原監督の就任と同時に昵懇の栗山前監督が侍ジャパンのアドバイザーを務めれば、今大会に出場した面々とのパイプを全部活用できる。原監督のご要望とあらば、栗山前監督は最強の布陣を敷くことに尽力するでしょう」(前出・球界OB)

 09年、侍ジャパンを導いた世界一監督がなまくら刀になっていなければいいのだが‥‥。

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