中島は節目の2000本まで残り72本となっている(C)CoCoKARAnext

 西武が、楽天を戦力外になった炭谷銀仁朗捕手の獲得調査を進めていると10月24日付の「スポーツニッポン」が報じた。

 炭谷は2005年にドラフト1位で西武入団し、18年オフにFA権を行使し、巨人へ移籍。3年弱在籍した後に金銭トレードで楽天へ。今季は65試合の出場にとどまっていた。

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 今回獲得調査報道が出た背景には西武の苦しい捕手事情も影響していると見られる。

 西武では昨オフに強打の正捕手、森友哉がFAでオリックスへ移籍。今季はプロ2年目の古賀悠斗がチーム最多の90試合でスタメンマスクをかぶったが、伸び盛りの若手捕手を育てるためにも今季でプロ18年目、かつては日本代表経験などもあるキャリア豊富なベテラン捕手が求められている側面はある。炭谷にとって西武復帰となれば、6年ぶりとなる。

 一方、今オフ、西武出身でもう一人のベテラン野手の去就にもひそかに注目が高まっている。

 今季まで巨人に在籍、10月13日に球団から戦力外通告を受けた中島宏之内野手だ。41歳シーズンとなる今季は1軍ではわずか8試合の出場ながら18打数5安打、打率・278と持前の打撃力は健在。若手の台頭もあり出場機会を減らしたが、節目の2000本安打まで残り72本となっており、本人は現役続行の意思を示している。

 また中島にとって西武は2000年のドラフト5位入団とプロ野球選手のキャリアをスタートさせた大事な球団でもある。同球団で研鑽を積み、2008年から2年連続で最高出塁率、2009年は最多安打を獲得と球界を代表する選手に成長した。西武では今回の炭谷以外にも過去にもチームで一時代を築いたベテランを引き取り、花道を飾らせてきた歴史もある。

 最近では「平成の怪物」松坂大輔氏を2019年オフに獲得。西武、メジャーソフトバンク、中日と各球団を渡り歩いた剛腕は14年ぶりに古巣に復帰。ほかにも現在の松井稼頭央監督にしても西武の主力として頭角を現し、その後、メジャー、楽天などで活躍、最後は西武に移籍し、引退を飾った経緯もある。

 その系譜からすれば、中島も西武で一時代を築いたとあって、古巣が獲得に動いても不思議ではないとみられる。

 松井監督就任1年目となった今季、チームは主砲・山川穂高を欠いた影響もあり、得点はリーグワーストの「435」と低迷、リーグ5位に沈んだ。チーム浮上のために勝負強い右のベテラン強打者は補強ポイントにも合致しそうだ。

 果たして懐かしい面々の古巣復帰はあるのか?V奪回を目指す常勝軍団のオフの動きに注目が集まりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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