アメリカ、ニュージャージー州の森で、1匹の子豚が動物保護施設を運営している女性に救出された。
子豚は、劣悪な飼育環境から逃げ出したようで、人間に怯えていた。
ゆっくりと時間をかけて子豚に接し、保護した女性は、車で保護区へと連れ帰り、愛情を注いでお世話をし始めた。
子豚は心を開き、すっかり元気になった。今では新しい環境にも慣れ、犬や猫、保護区の豚たちととても仲良く暮らしている。
Rescued Piglet Gets Tucked In Bed Each Night | The Dodo
ニュージャージー州ブリッジトンで、動物を救い、安全な住み家を与える活動を行っている『Uncle Neil’s Home Sanctuary(ニールおじさんの家)』の創設者リアン・フェルドマンさんは、劣悪な飼育環境から逃げ出した1匹の子豚を森で発見した。
リアンさんは、森で5時間ほど子豚のそばに座って、話しかけ続けた。
カシューナッツを与えると、子豚はお腹が空いていたのか迷わず食べた。
やがて、リアンさんに少し心を開いたのか、子豚は横になった。リアンさんがやさしく撫でると、目を閉じて気持ちよさそうにした。
リアンさんが保護区に連れて行こうと、自分が着ていた上着を脱いで子豚を包み込もうとすると、子豚は傷つけられると思ったのか、激しい鳴き声をあげて抵抗した。
リアンさんは、「悪いようにはしないから」「大丈夫よ」と何度もやさしく子豚に声をかけながら車へと運びこむと、子豚はすぐに落ち着きを取り戻した。そのまま車に乗せ、施設へと向かった。
保護区に迎え入れられた子豚、巨大テディベアと眠る
カシューと名付けられた子豚は、保護区にやってくると早速リアンさんにたっぷりの水とごはんをもらい、お腹を満たした。
そして、保護区が安全で安心できる場所だと認識したのか、カシューはすっかり気をゆるしたように、横たわってすぐに眠った。
リアンさんは、孤独だっただろうカシューのために、少しでも居心地よくしてあげたいと、暖かな毛布でベッドを作って、大きなクマのぬいぐるみをそばに置いた。
すると、カシューはそれをとても気に入ったようだ。
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監視カメラにも、カシューがテディベアに飛び乗ったり寄り添ったりする様子が捉えられていた。
皮膚炎で1か月間隔離に
カシューは皮膚感染症を患っていた。その症状が他の動物たちに伝染するものなのかどうか不確かだったため、リアンさんはカシューを1か月間隔離し、様子を見守った。
保護区にくる動物は、どんな動物でも少なくとも1か月は隔離するんです。
カシューの場合、皮膚の症状が伝染するものではないとわかり、1か月後に自宅に招き入れました。
リアンさんは、保護区で他の豚の仲間と対面する前に、カシューにはもう少し準備が必要だと感じたのだろう。
カシューは、リアンさんの自宅で飼い犬のニールとすぐに意気投合し、一緒にごはんを食べたり遊んだりするほど仲良しになった。
リアンさんは、部屋にヒートランプと暖かくて真新しい毛布のついたベッドを用意し、毎日カシューが安心して眠りにつけるよう、配慮を怠らなかった。
やがて、カシューは心身ともに元気になり、ようやく保護区の仲間たちに会う準備が整った。
リアンさんに外に出してもらったカシューは、うれしそうに走り回って、仲間の豚がいる場所へ駆け寄った。
保護区で幸せに暮らしているカシュー
カシューが、初めて保護区の敷地内を走り回った時のことを、リアンさんはこのように回顧している。
カシューは、とても興奮した様子で、フェンス越しに仲間の豚のにおいを一生懸命嗅いでいました。
その後牧草地に入って、ほかの豚たちと距離が近くなると、カシューはとても喜んでいるようでした。
仲間の豚の後をついて回ったり、じゃれあったりして、とても仲良くしています。
現在、カシューの保護区での生活はとても順調だ。保護した動物たちが、幸せに暮らし続けてくれることが、リアンさんにとっては何よりの喜びだ。
References:Rescued Piglet Goes to Sleep With a Big Teddy Bear/ written by Scarlet / edited by parumo
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