高橋純平は3球団競合の末にソフトバンクに入団した(C)CoCoKARAnext

 3年連続V逸となったソフトバンクの大胆な「血の入れ替え」が球界内の注目を集めている。

 球団は10月22日森唯斗投手、嘉弥真新也投手、上林誠知外野手、佐藤直樹外野手高橋純平投手、古川侑利投手、九鬼隆平捕手の7選手に来季の契約を結ばないと通告したと発表した。

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 森は2018年に37セーブを挙げ、最多セーブのタイトルを獲得するなど球界屈指の抑えとして知られた。4年契約最終年の今季から先発に本格転向したが、6試合で2勝3敗、防御率4・60と1軍の舞台では適性を示せなかった。

 嘉弥真は左の救援投手として2017年から6年連続で50試合以上に登板するなどタフネス左腕として知られる。通算136ホールドを記録し、特に昨季はキャリアハイとなる56試合に登板し、28ホールド防御率0・99と安定した数字を残した。2年契約の2年目となった今季は23試合で1勝0敗、防御率5.25と安定感を欠き、CSファーストSのロッテ戦にも出場していたが、今回戦力外通告を受けることになった。

 一方、大胆に舵を切ったソフトバンク戦力外通告組に関して球界内からも様々な考察の声が出ている。

 現役時代は大洋(現DeNA)で活躍、引退後は日本代表コーチも務めた野球解説者高木豊氏は23日、自身のYouTubeチャンネルを更新。今回、ソフトバンクを戦力外になった選手について語っている。

 まず嘉弥真新也投手と上林誠知外野手の戦力外に関しては「驚き」とコメント。嘉弥真は、ロッテとのCSファーストでもベンチ入りしていたことから「必要な選手だから入れてたんじゃないのかな」とチーム構想を推測しながら、上林とともに「この2人はまだまだできるし、トライアウトの前に声が掛かりそうな気がする」と予想した。

 また2015年ドラフト日本ハム、中日と3球団が競合したことでも話題となった高橋純平投手に関しては「話に聞くには、ちょっと制球に難があってまとまりに欠けている」と課題を指摘した上で、「うまく開花することができなかったのかな。ちょっと残念だなというふうに思う」とコメント。

 また「個人的に期待していた」と名前を挙げたのは佐藤だった。19年のドラフト1位選手。「足とか盗塁の技術は他球団でもものすごく使えると思う」と高木氏はコメント。ソフトバンクでは、今春のWBCでも活躍した周東佑京内野手などの足のスペシャリストがいることから、なかなか出番が回ってこなかったとした上で「足で1点取りたいチームには使えそう」と、機動力を生かしたい球団にはフィットするとした。

 元々、4軍制を敷くなど豊富な戦力を擁することで知られるソフトバンクでは昨オフも現役ドラフトで阪神に移籍した大竹耕太郎投手や近藤健介外野手のFA移籍の人的補償に伴い、日本ハムに移籍となった田中正義投手なども今季、新天地でしっかり結果を残している。

 今回の戦力外通告組に関しても「宝の山」と表現する向きもあり、今後の各選手の去就も引き続き、注目となりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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