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23年4月、記者会見する秋田県の佐竹知事(写真:時事通信

クマの出没や人身被害が相次ぐ秋田県。佐竹敬久知事(75)は猟友会員が使用する弾丸の費用を県が負担する考えを示すなど対策に奔走しているが、“とある発言”が物議を醸している。

きっかけは、10月23日に「秋田魁新報社」が公開した「佐竹知事、四国の料理を『貧乏くさい』『うまくない』とけなす」と題する有料電子版記事。佐竹知事は同日に秋田キャッスルホテルで行われた「秋田の未来を創る協議会」の設立会議で講演し、過去に全国知事会で訪れた四国地方の料理や酒を貶めるような発言をしたというのだ。

瀬戸内海太平洋に面した四国といえば徳島県が全国トップの漁獲量を誇るハモや高知県カツオなど豊富な海の幸をはじめ、数々のグルメで親しまれているが……。佐竹知事が四国地方を非難した報道を受け、Xでは批判の声が噴出している。

《何食ったんだよ!》
《シンプルに腹が立ちました》
《この人は何でそう言う事を言うかなあ? マジで秋田県知事辞めてもらいたい》
《徳島でハモの湯引きを食べたか?鳴門鯛の刺身にすだちをかけて食べたか? 香川で小豆島そうめんをご当地の麺つゆで食べたか? 愛媛でマダイの鯛めしを食べたか? 高知の馬路村のゆずジュースは飲んだか? ほんとに四国の料理を食べたのか?》

本誌が24日午前に秋田県庁の総務部広報広聴課に取材を申し込むと、「報道ベースでは把握しているが佐竹知事の発言の趣旨についてはわかりかねます」とのことだった。

だがいっぽうで、午前中の時点ですでに苦情も数件寄せられているという。担当者は「四国の方を中心に『非常に残念だ』というようなお叱りのお電話を頂いております」と明かした。なお同庁の秘書課、「秋田の未来を創る協議会」に携わった産業政策課も「報道ベースでは把握している」との回答にとどまった。

また、「秋田の未来を創る協議会」を主催する秋田県商工会連合会にも佐竹知事の発言は事実かどうか問い合わせると、「議事録は取っておりません」と前置きした上で「外部の方の発言になりますので、私どもから申し上げることはできません」とのことだった。

全国からクマ被害に同情が寄せられるなか、佐竹知事の発言は逆風を招くことになりそうだ。