岸井ゆきの松山ケンイチが出演する土曜ドラマ「お別れホスピタル」(夜10:00-10:49、NHK総合)が、2024年2月3日(土)から全4話で放送されることがわかった。

【写真】「お別れホスピタル」で医師・広野誠二を演じる松山ケンイチ

■「お別れホスピタル」とは…

同作は、「透明なゆりかご」の原作者・沖田×華が、療養病棟を舞台に描く同名漫画をドラマ化。高齢化が進行し、癌が国民病と化した現在の日本。7割以上の人が病院で最期を迎える。そんな病院の中でも、末期がんなど重度の医療ケアが必要な人や在宅の望めない人を受け入れる療養病棟は医療のセーフティーネットになっている。「お別れホスピタル」は死の一番そばにある療養病棟で繰り広げられる、壮絶で、しかし、愛にあふれた人間ドラマだ。

■「お別れホスピタル」の物語

ある街の病院にある療養病棟。そこは、余命数か月と判断される人や、病状に加え認知症などで日常生活が困難な人がたどり着く場所。その最前線に立つ看護師・辺見歩(岸井ゆきの)は、意思表示の難しい患者さんのわずかな変化も見逃さず、そこでの日々が最善であるよう努める。

非常勤で一般病棟からやってきた医師・広野誠二(松山ケンイチ)も戸惑いながら、辺見とともに患者さんや、その家族の事情に巻き込まれ、関わっていく。ただ苦痛を取り除くだけでなく、その人らしい「限りある生のかたち」を求めて日々奮闘する。

そして、訪れた最期から、その人なりに「生き切った命」を見届ける証人となる。患者さんや、その家族、そして彼らと関わる医師や看護師の、葛藤や、怒りや、悲しみや、小さな喜びや、笑顔や素顔の先にあるドラマを通して、「死を迎える」ことと、「生きる」ことの意味を問いかける。それは、私たちの未来への一筋の光につながっていく。

岸井ゆきののコメント

「お別れホスピタル」辺見歩役の岸井ゆきのです。ここ最近は、どう生きて、どう死んでいくのか、生物としての人間の変化を受け入れるのか、あるいは見て見ぬふりをするのか。いくつかの作品を通して考えていました。そして今回、最期まで最善を尽くし、その人生を見届ける役をいただいたことは自分にとってとても大きなことだと思っています。計り知れない"生き切る"ということを、物語を通して感じたいです。

松山ケンイチのコメント

今回演出の柴田さんと「平清盛」以来またご一緒できる事とても嬉しく思います。岸井さんも何度かやらせて頂いてますが、また一緒に演技させていただける事、とても楽しみにしています。生と死は誰もが必ず向き合わなくてはいけないテーマだと思いますが、僕は生も、死も、様々な作品を通してどちらも大事なモノだと考えています。死は避けるべきモノではなく、認めていくモノ。このような38歳の僕の考えが、この作品を通してどんな変化が、生まれてくるのか。とても楽しみにしています。

■原作者・沖田×華のコメント

「お別れホスピタル」のドラマ化が決まった時、嬉しさと同時に終末期(ターミナル)という難しいテーマを映像化することに驚きを隠せませんでした。高齢者の7割以上が認知症を含む様々な病気を持つ現在、一人死を待つだけの患者達が最後に関わることの出来る身近な人間――それは療養病棟の看護師ではないかと思うのです。果たして孤独の死で終わるのか?慌ただしくも静かな終末期の日常を、ドラマを通して何か感じて頂けたら幸いです。

「お別れホスピタル」に出演する岸井ゆきの/※提供写真