コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、“1人の少女と1匹の子犬を守る化け物”を描いた漫画『人類を滅ぼすために生まれた化け物の話』をピックアップ。

【漫画】“人間が憎い…”ヘドロから生まれた化け物が救世主になる話に「短い作品なのにまとまりがスゴイ」と絶賛の声

作者である漫画家の一智和智さんが、2023月7月15日に本作をX(旧Twitter)に投稿したところ、4.1万件を超える「いいね」や反響が多数寄せられた。本記事では一智和智さんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。

■“恨み”から生まれた化け物に心の変化が…

日本での高度経済成長期による公害や汚染によって、東京湾のヘドロからある“化け物”が誕生した。その化け物は地球を汚してきた人間を恨んでおり、復讐するために上陸する。

化け物が河川から上って来ると、そこへ1人の少女がやって来て「その小川ホタルいるから入っちゃダメ」と伝える。東京の川にはまだホタルがおり、化け物が思っていたほど自然破壊は進んでいなかったのだ。

化け物が困惑する中、女の子はいきなり子犬を差し出し、「ママを説得してうちで飼うから、それまでお願い」と捨て犬“マメちゃん”を託す。こうして一時的に子犬の面倒を見ることになった化け物は、少女と子犬と共に平穏な日々を過ごす。そして少女は化け物のことを“おじちゃん”と言って慕い、人間を恨んでいるはずの化け物も次第に心を開いていった――。

そんなある日、女の子が「マメちゃん飼ってもいいって!」と母親に許可が取れたと嬉しそうに伝えに来くると、そこに突然地球の侵略を目論む“別の化け物”が現れる。その化け物は「この星は我々がもらった」「先住民は皆殺しだ」と言って、女の子と子犬を破壊しようとする。

女の子は必死に「大丈夫だよマメちゃん」「私とおじちゃんがいるよ!」と子犬に言い聞かせる。すると化け物は“オレは地球を汚した人類の恨みから生まれた”“だが人間も地球の一部…”とつぶやき、次の瞬間、襲いくる化け物に向かって勢いよく突進。そして化け物は、侵略者の乗っていた宇宙船もろとも爆発するのだった――。

女の子と子犬を守るために自らを犠牲にする化け物の姿に、ネットでは「涙が止まらない」「おじちゃんイイ奴すぎ…」「優しさに溢れてて泣ける」などと感動コメントが続出。また、「たったの4ページで短い作品なのにまとまりがスゴイ」と、簡潔で分かりやすい物語の構成にも称賛の声が上がっている。

■ストーリーは「散歩してると勝手に思いつきます」

――『人類を滅ぼすために生まれた化け物の話』を創作したきっかけや理由があればお教えください。

特にきっかけなどはないです。散歩してると勝手に思いつきます。

――本作では、ラストの展開が非常に感動的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。

いぬを預かるところです。

――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

いぬと橋の下にいるシーンです。

――普段作品のストーリーはどのようなところから着想を得ているのでしょうか?

今まで見てきたさまざまなものが断片的に組み合わさっていくだけなので、そういう意味ではすべてが着想の元と言えます。

――一智和智さんの描くキャラクターは、見た目に反した性格やキャラ性のギャップが魅力となって、物語に深みを与えている印象を受けました。作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか?

描くのが簡単なデザインにしたいと思ってます。

――今後の展望や目標をお教えください。

目標は長寿です。

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!

『優し異世界へようこそ』(全24巻)という無料で読める短編集も出しているので、ぜひ読んでください!

化け物の感情の変化を描いた『人類を滅ぼすために生まれた化け物の話』が泣ける…/画像提供/一智和智さん