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5ブランドで商用EVを大幅改良

欧米系の自動車メーカーであるステランティスは、商用車ラインナップに改良を加えた新ラインナップを発表した。2027年までに小型商用車市場でフォードを抜いて世界首位に躍り出る狙いだ。

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主な変更点としては、EVの性能を大幅に向上させ、小型バンと大型バンの両セグメントでトップクラスの航続距離を実現したという。

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シトロエンフィアットオペル/ヴォグゾール、プジョーで商用車が一新された。    ステランティス

小型EVバン(シトロエンeベルランゴ、フィアットEドブロ、オペル/ヴォグゾール・コンボエレクトリック、プジョeパートナーとして販売)は、1回の充電での航続距離が最長330kmとなり、従来よりも約50km伸びた。

中型EVバン(シトロエンeディスパッチ、フィアットEスクード、オペル/ヴォグゾール・ヴィヴァーロ・エレクトリック、プジョーeエキスパート)は75kWhバッテリーを搭載し、航続距離は45km伸びて360kmとなった。

大型EVバン(シトロエンeリレーフィアットEデュカト、オペル/ヴォグゾール・モバノ・エレクトリック、プジョーeボクサー)には、大容量の110kWhバッテリーを搭載し、航続距離は420kmとなった。充電速度も従来の50kWから最大150kWに大きく向上した。

室内では、10インチの大型インフォテインメント・ディスプレイが採用されたほか、レベル2の運転支援システムや360度カメラなど、安全装備も一新された。

また、オンラインの車両管理システムにワイヤレスで接続でき、ドライバーとオペレーター間の円滑なコミュニケーションが可能になるという。

こうした一連のアップグレードを受けつつも、積載能力などバンとしての能力に「妥協はない」とされる。

内外装のデザインも刷新され、各ブランドのデザイン・アイデンティティがより反映されるようになった。

シトロエンは新しい楕円形のブランドロゴが取り付けられ、中型のディスパッチには新型e-C3と同様のLEDヘッドライトが採用されている。室内では、シトロエン独自のコンフォート・シートが装備される。

一方、フィアットは大きな「FIAT」のワードマークを採用。フロントグリルには、1968年から2003年にかけて乗用車に採用されていた4本線のデザインがあしらわれている。

プジョーは、特徴的なライオンヘッドのフロントエンドを採用。室内では、乗用車と同様のiコックピットデザインが採用され、小さなステアリングホイールの上からインストゥルメントパネルを見る形となっている。

オペル/ヴォグゾールは、ブラックパネルでフロントを覆う「ヴァイザー」グリルが採用され、「コンパス」と呼ばれるLEDヘッドライトと組み合わせている。ヘッドライトはマトリクスLEDに変更可能で、対向車の眩惑を避けるために自動的に照射範囲を調整する。

ステランティスはまた、水素燃料電池車への取り組みの強化を発表した。すでに中型バンで燃料電池パワートレインを導入しているが、大型バンにも追加する。航続距離は500kmで、5分で水素を補給できる。


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