25日前場の香港マーケットは、主要80銘柄で構成されるハンセン指数が前日比200.06ポイント(1.18%)高の17191.59ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が88.53ポイント(1.53%)高の5887.91ポイントとそろって5日ぶりに反発した。売買代金は540億8350万香港ドルとなっている(24日前場は505億2360万香港ドル)。
 投資家心理が上向く流れ。昨夜の米株高や米金利低下、中国経済対策の期待感が相場を押し上げている。全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会は24日、1兆人民元(約20兆5000億円)規模の国債増発を承認した。また、習近平・国家主席は24日午後、異例で中国人民銀行(中央銀行)を訪問している。事情に詳しい関係者の話によれば、主席は政府高官を伴い、人民銀と国家外為管理局(SAFE)を訪れた。習氏の人民銀訪問は就任以来で初めてとなる。中国の中央政府が経済を重視しているとの見方が広がった。(亜州リサーチ編集部)
 「ニューエコノミー」関連銘柄に買いが先行。ハンセン科技(テック)指数は2.9%高と他の指数をアンダーパフォームしている(構成30銘柄のうち上昇27)。個別では、新興EV(電気自動車)メーカーの理想汽車(2015/HK)とパソコン世界最大手の聯想集団(992/HK)がそろって5.8%高、EVメーカーの蔚来集団(9866/HK)が5.7%高と上げが目立った。
 ゼネコンやエンジニアリングなどインフラ建設関連セクターも高い。中国中鉄(390/HK)が3.9%、中国交通建設(1800/HK)が2.9%、中リョ国際工程(2068/HK)が4.1%ずつ上昇した。ほか、上下水道などPVCパイプ・チューブメーカー中国最大手の中国聯塑集団HD(2128/HK)が10.4%高と急伸している。上述した国債発行により調達した資金は、全て地方政府へ回され、災害復興や防災・減災などの公共事業に投入される見通しだ。
 セメントや鉄鋼、非鉄など素材セクターも物色される。中国建材(3323/HK)が6.8%高、安徽海螺水泥(914/HK)が6.2%高、華潤水泥HD(1313/HK)が6.1%高、中国宏橋集団(1378/HK)が5.5%高、中国アルミ2600/HK)が4.2%高で引けた。
 中国不動産セクターもしっかり。百仕達HD(1168/HK)が7.1%高、越秀地産(123/HK)が5.6%高、建発国際投資集団(1908/HK)が5.1%高、中国海外宏洋集団(81/HK)が4.7%高で前場取引を終えた。
 一方、本土マーケットは続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.51%高の2977.28ポイントで取引を終了した。インフラ建設関連株が高い。素材株、消費関連株、不動産株、運輸株なども買われた。半面、エネルギー株、公益株、金融株、半導体株は売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)