オンライン動画配信サービスHulu」にて、独占配信中のHuluオリジナル「神の雫/Drops of God」。第4話では、一青(山下智久)とカミーユ(フルール・ジェフリエ)それぞれの両親の過去のエピソードが明かされた。その中で、特に気になったシーンを考察と共に振り返る。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】険しい表情を浮かべる山下智久“一青”

■「神の雫/Drops of God」とは

本作は、山下智久海外ドラマ初主演作となる国際連続ドラマ。全世界でシリーズ累計1500万部を売り上げた漫画「神の雫」(作:亜樹直、画:オキモト・シュウ)が原作となっているが、本作では原作漫画の中心を担う男性キャラクター“神咲雫”をフランス人女性・カミーユに置き換え、聡明なワイン評論家・遠峰一青を“新たな主人公”に設定している。

そして彼らを軸に展開するストーリーは、“時代と国境を越えた華麗で芳醇な人間模様”を壮大かつ細やかに描出し、“ワインに運命を翻弄される男女”が莫大な遺産を懸けて対決を繰り広げる――。

主人公のワインに人生を懸けた男・遠峰一青役を山下が、神の舌を持つカミーユ役をフルール・ジェフリエが担当。そのほか、世界的ワインの権威アレクサンドル・レジェ役をスタンレー・ヴェベールが、一青の母親の遠峰仄香役を渡辺真起子が、父親の遠峰博和役を二階堂智が、一青に自らの内面と向き合うきっかけを与える敏腕ジャーナリスト・片瀬百合香役を岡本あずさが演じる。

■未だ帰らぬ一青の父親…物語は過去に遡る

一青の父親・博和は、朝になっても自宅に戻った形跡がなく、母親の仄香のもとへ届いた財布の中には「探さないで欲しい」と書かれたメモが入っているだけだった。

またカミーユの母親・マリアンヌ(セシール・ボワ)のもとに、アレクサンドルの遺灰が届く。遺灰は“フィリップのワイナリーに撒くように”と本人の直筆で書かれていたが、マリアンヌは黙って戸棚の奥にそれをしまった――。

そこから物語は1990年に遡る。当時友人だった博和と仄香は遠峰ダイヤモンドの代表である父親のための特別なワイン探しに、アレクサンドルのワインセラー「ドメーヌ・シャサングル」を訪れていた。仄香はアレクサンドルが用意した“世間で人気のワイン”では納得できず、より個性の強いワインを求めるなど、積極的にアレクサンドルと関わっていく。

その夜、仄香たちはアレクサンドル主催のパーティーに参加することに。会場で仄香はアレクサンドルのことをずっと見つめており、ダンスの相手をしている女性に「綺麗…女優さんみたい」と嫉妬していた。博和が仄香の手を握ると、「(あなたは)私にとって大切な友達なの」とけん制される。どうやら博和の片思いだったようだ。

場面は変わり、アレクサンドルがワインの学校の卒業試験を受ける際、マリアンヌに付き添われながら会場で名前を呼ばれるのを待っていた。卒業論文フランスワインの現状に問題提起をし、その過激な内容に試験官から苦言を呈されていたアレクサンドル。さらに「大規模ワイナリーは過去の栄光に胡坐をかいていて、有名だから仕事もしない」と発言し試験管の怒りを買うのだが、その後発言を後悔するアレクサンドルをマリアンヌは献身的に励ましていた。

■互いに惹かれ合うアレクサンドルと仄香…

翌年、アレクサンドルはワインの講義をするために仄香と博和が通う大学を訪れていた。講義で生徒にワインを飲ませようとするアレクサンドルに、通訳は「問題になる」と釘を刺す。その夜、ワインを教えに来たのに生徒にワインを飲ませられないことに困惑したアレクサンドルは「日本に来なければよかった」とマリアンヌに愚痴をこぼすのだが、マリアンヌは「生徒にワインを飲ませたいなら学校の外で飲ませられる」と小さなバーを紹介する。

そして翌日、バーでワインの授業が開催され、仄香はテイスティングを全問正解し、アレクサンドルに才能を見出されていった。その後も繰り返しバーでの授業が行われるようになり、アレクサンドルと仄香の距離は徐々に縮まっていく。

その頃アレクサンドルは、あるパーティーの席でマリアンヌに「フュジエ・ワインガイド」の編集をしているジャック・フュジェを紹介される。“アレクサンドルにガイドを書いて欲しい”というマリアンヌたっての希望で話す機会を設けられたのだが、アレクサンドルはジャックが書くワインガイドを批判してしまい、ここでも反感を買ってしまうのだった――。

その後、博和がバーで酔いつぶれてしまったことから、アレクサンドルの授業は打ち切りに…。マリアンヌは「あなたに教師は向いてなかった」と慰め、この機会にワインのガイドを書くように助言する。

マリアンヌは再度ジャックアレクサンドルを合わせ、アレクサンドルのガイドの出版を手伝ってほしいと頼み込む。アレクサンドルは“妥協のない厳しいワイン評価、そして疑問の余地のないガイドを書くという信念は曲げたくない”と話すも、ジャックマリアンヌの説得などによってサポートすることを了承した。

そんなある日、仄香が博和の謝罪の手紙を届けにアレクサンドルの元へ訪れる。2人はそこで不倫関係に発展し、それ以降もマリアンヌと良好な夫婦関係を続けながら仄香と密会するようになっていた。

しかしマリアンヌの妊娠が発覚したことで、アレクサンドルは仄香に別れを告げる。ショックを受ける仄香は大学でも授業を受ける気になれず、教室を飛び出す。心配になった博和が仄香を追いかけると、仄香は「妊娠してるの」と打ち明けた。

それから6カ月後、アレクサンドルとマリアンヌの間に子供が誕生。そしてアレクサンドルは産院内で、赤ん坊と一緒にいる仄香と博和の姿を見つけるのであった――。

アレクサンドルが遺産相続として2人を選んだ理由を考察

第4話では、一青とカミーユが“腹違いのきょうだいだった”という衝撃の事実が明かされた。仄香の妊娠は博和も知っており、自分の子ではないと知ったうえで父親になったのだ。仄香が一青にまっすぐ愛情を伝えられないことも、一青がワインに興味を持つことに反対するのも、今回の話で合点がいく。

アレクサンドルが遺産を渡す候補の1人として一青を選んだことに、世間では“なぜ実の娘のカミーユと競わせるのか”と違和感があったが、アレクサンドルにとっては“自分の2人の子どもから選びたい”という思いがあったのかもしれない。

また第1話では娘のやりたいことを止めたり、アレクサンドルを毛嫌いしたりと、あまり良い印象に描かれなかったマリアンヌも、実は明るい性格で昔はアレクサンドルのことを献身的に支えていたことが分かった。マリアンヌに送られてきた遺灰の中に、アレクサンドルが直筆で“君を幸せにできなかったことが最大の後悔”と書かれていたが、もしかするとマリアンヌアレクサンドルの不倫を知っていたのではないだろうか。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

「神の雫/Drops of God」第4話より/(C)Hulu Japan