パリの国家財務検察庁(PNF)は、フランスを代表する女優イザベル・アジャーニ(68)に対し、脱税とマネーロンダリングの罪で、18か月の執行猶予付き懲役刑と25万ユーロ(約3960万円)の罰金を科すように求めた。イザベルは、10月19日に行われたパリ刑事裁判所での裁判を「急病」を理由に欠席している。

10月19日の裁判当日、イザベル・アジャーニの姿はパリ刑事裁判所になかった。イザベルの弁護士らは、彼女が法廷で「自分自身で説明することを望んだ」が、「急病」のために米国から飛行機でこられなかったと主張し、裁判の休廷を求めた。裁判所はこの要求を却下し、「アジャーニ氏が本当に出廷するつもりであったことが十分に立証されていない」と裁定した。その後、裁判は午後5時ごろ、彼女の出席なしに再開された。

この日、パリの国家財務検察庁(PNF)は、フランス映画界史上最多となるセザール賞主演女優賞を5回受賞したイザベル・アジャーニに対し、加重租税詐欺とマネーロンダリングの罪で、18か月の執行猶予付き懲役刑と25万ユーロ(約3960万円)の罰金を科すように求めた。

「結局のところ、『イザベル・アジャーニ』の名前はほとんど重要ではない。彼女の知名度は、起訴のための追加的な理由にも障害にもならなかった」と財務検察官は起訴状の冒頭で述べた。

「公人である前に、彼女は義務を負う一市民である。何年もの間、専門家の助けを借りながら、彼女は税負担をできる限り減らそうとしてきた。」

検察によると、イザベルは2016年にポルトガルに移住し、同国にて納税申請を行っていたが、実際には2016年と2017年時点での本宅や活動拠点はフランスにあり、フランスで23万6000ユーロ(約3740万円)の所得税を納める義務があったという。同様に、PNFによれば、2013年にセネガルの実業家で国際オリンピック委員会のメンバーでもあるママドゥ・ディアニャ・ンディアイ氏から受けた無利子の200万ユーロ(約3億1500万円)の借り入れは、借金ではなく偽装された「寄付」であったと主張した。

2人の間で交わされた借入契約には、利子や担保も設定されていなかった。検察はこの借入契約が「架空」のもので実際には「寄付」であり、それによってイザベルは120万ユーロ(約1億9千万円)の送金関税を逃れたと考えている。最後にPNFは、彼女が香港の会社から“無申告”のアメリカの銀行口座に11万9000ユーロ(約1900万円)を送金し、それをポルトガルの親戚に送金して不動産を購入したことに対し、マネーロンダリングで有罪となるよう求めている。弁護側は同日無罪を主張し、裁判所は12月14日に判決を下すこととなった。

イザベル・アジャーニは、10月11日付のフランスの写真週刊誌『Paris Match』のインタビューで、「私はファンが思っているよりもずっと裕福ではない」と主張、さらに「裕福になったことなどない。にもかかわらず、なぜ『破産』などと言われるのか。確かに私は平均的な人よりも多くのお金を稼いできたが、同時に平均的な人よりも多くのお金を人に与え、手放してきた」と自らの窮状を訴えていた。

画像1~2枚目は『Isabelle Adjani 2023年10月10日付Instagram「En cover du dernier numéro de @frenchmagazineparis」、2019年12月30日付Instagram「Photo pour @krushing_magazine #2 disponible à @whsmithparis,」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 リエコ)

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