ペットとして人気の高い小鳥。ウォーカープラスでは小鳥と暮らすうえで知っておきたい知識や疑問を徹底解説するコミックエッセイ「トリ扱い説明書」より印象的なエピソードを厳選してお届け。3羽の小鳥と暮らす鳥野ニーナさん(@sinamomomomo)の漫画と、「森下小鳥病院」の院長・寄崎まりを先生の監修&エッセイで、小鳥の飼育に必要な知識を身に付けよう!

【漫画】本編を読む

今回は、毎日与える「ごはん」について。今回の漫画で描かれている鳥さんのごはんについて、まずは鳥野ニーナさんに聞いてみた。

ブンチョウ2羽とセキセイインコ1羽と暮らしています。漫画ではペレット食への移行の難しさや、大好物のリンゴをおいしそうに食べる姿を描きました。また、鳥さんの命に関わる危険な食べ物も紹介しているので、お迎えを考えている人や飼育を始めたばかりの人は、ぜひチェックしてください」

■鳥さんの主食・ペレットとシードの違いとは?

ペレットとシードの違いについて、小鳥専門病院の院長・寄崎先生が詳しく教えてくれた。

「鳥さんを飼ううえで、毎日のごはんはとても重要です。今回はペレットとシードの違いや、市販品を選ぶ際に必ず確認してほしいポイントについてお話しします。

ペレットとは、鳥さんにとって1日に必要だと考えられている栄養素がすべて含まれているエサです。

昔、海外で飼われていた大型インコなどは、ヒマワリや麻の実を中心としたミックスシードのみを与えられていました。しかし、それだけでは栄養が足りず、いろいろな病気になってしまったため、ミックスシードに加え野菜やフルーツを与えられるようになったのです。ですがそれでも、鳥さんたちは大好きなヒマワリや麻の実などのシードだけを選り好んで食べてしまい、栄養バランスがなかなか改善しませんでした。その現状を鑑みて開発されたのが、ペレットです。

シード食のみを与えられていた場合に起こりやすくなる病気があります。脂肪分の多い種子の多食は、脂肪肝症候群動脈硬化など。ビタミンA不足は、呼吸器の病気など。ビタミンDカルシウム不足は、産卵期の病気、神経症状など。ヨード不足は、甲状腺の病気に気を付けましょう。

総合栄養食のペレットですが、食べすぎるともちろん太ります。また、シード食よりも飲み込みにくい場合があるため、鳥さんの状態によっては注意が必要です。さらに換羽期や産卵期の場合、成鳥用のペレットだけではたんぱく質カルシウムなどの栄養が足りない可能性もあります。つまり、ペレットだけを与えていれば良いという訳ではないのです。

最近ではさまざまな会社がペレットを販売しているのですが、中には栄養表示がなく総合栄養食とは決して言えないような商品も。購入の際には必ず表示をチェックして、鳥さんに必要な栄養をきちんと与えられるものを選びましょう。

栄養バランスの良い食事を与えるのが大変な中型インコ(100グラム位)から大型インコは、ペレット食をおすすめします。特にローリー・ロリキート類など果実食のインコは、他のインコと栄養要求が異なるので、専用のペレットを与える必要があります。また、小型インコの中でもシードを消化しにくいサザナミも、ペレット食がおすすめです。たとえ小型の鳥さんであっても、胃の病気を患っている場合は消化が弱い傾向にあるため、できればペレット食が良いでしょう。

最後に、シードを主食にする場合についてお話します。いろいろなメリットがあるペレット食ですが、多くの鳥さんはペレットよりもシードを好みます。シードを主食にする場合はビタミン・ミネラルが不足するので、必ずビタミン剤も与えましょう。そしてビタミン剤もペレット同様、詳しく成分が表示されているものを選んでください。飲み水に混ぜて与える場合は、お水の飲みすぎによる過剰摂取に気を付けましょう」

「小鳥と楽しく幸せに暮らしたい」と願うあなたの役に立つ、超実用的な知識が満載の「トリ扱い説明書」。これからもさまざまな情報を届けるので、楽しみにしてほしい。

ペレットは鳥さんにとって必要な栄養素が全て含まれているが、多くの鳥さんはシードを好むため移行に苦労する場合も