人気アニメ「東京リベンジャーズ」(毎週火曜深夜0:00-0:30ほか、テレビ東京ほか/ディズニープラスで定額制見放題独占配信)の“天竺編”。10月24日に放送された第41話「Come back to life」では、ムーチョの裏切りが判明。打倒・天竺のために武道と乾が手と手を取り合う場面が、視聴者の胸を熱くさせた。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】タケミチの熱い気持ちを、おんぶされながら聞くイヌピーこと乾(CV:榎木淳弥)

■「天竺編」

アニメ「東京リベンジャーズ」は、「週刊少年マガジン」(講談社)にて連載された和久井健の人気コミックを原作としたタイムリープサスペンス。人生どん底のダメフリーター・花垣武道(CV:新祐樹)が突如目覚めたタイムリープ能力で12年前に戻り、中学時代の恋人・橘日向(CV:和氣あず未)が不良集団「東京卍會」に殺されるのを阻止しようと奔走する姿を描く。

実写映画化もされた人気作で、TVアニメは「8・3抗争編」「血のハロウィン編」が2021年4月から9月、「聖夜決戦編」が2023年1月から4月まで放送された。その続編となる「天竺編」が10月3日にスタート。「天竺編」では、“無敵のマイキー”こと佐野万次郎(CV:林勇)率いる東京卍會と黒川イザナ(CV:島崎信長)率いる天竺の間で勃発した、東京卍會最大にして最後の抗争“関東事変”が描かれる。

ムーチョの裏切りが判明

マイキーイザナが兄弟という衝撃の事実が明らかになった前回。武道は、イザナと、マイキーを利用して自分に都合の良い東卍をつくろうとしている稀咲(CV:森久保祥太郎)を殺すことを決意した。そんな矢先、武道は“ムーチョ”こと、武藤(CV:小野大輔)が率いる伍番隊に拉致される。果たして、その目的とは。

武道が目を覚ました時、目の前には同じく拉致されたイヌピー=乾(CV:榎木淳弥)、ココ=九井(CV:花江夏樹)がいた。困惑する武道に、ムーチョは伍番隊が唯一、内輪揉めを許されている特務隊だと明かす。マイキーが隊長の中で一番喧嘩が強いムーチョに、裏切り者を罰する特務を任せたというのだ。

ということは、これもその特務だというのか。武道にはまるで心当たりがなかったが、乾には予想がついていた。自分がイザナの元側近だったことから、壱番隊が天竺のスパイで、その首謀者が乾と九井を東卍に引き入れた武道であるとムーチョが勘違いしているということを。

だが、予想は外れた。ムーチョは「オレとイザナは強盗 傷害 麻薬(クスリ) 悪ぃ事はなんでも一緒にやってきた」と語り出す。その後、それぞれ違うチームを創り、共に“極悪の世代”と恐れられたムーチョイザナ。“極悪の世代”とは、東卍の集会でその名前が挙がった「S62世代」のことだろう。つまり、ムーチョは天竺の創設メンバーの一人だったのだ。

イザナが突如として一線を退いたことで、退屈していたところをマイキーに拾われたムーチョ。しかし、そのイザナが一線に戻ってきた。ムーチョマイキー率いる東卍に反旗を翻し、イザナ率いる天竺に寝返ったのである。

■東卍の犯罪集団化回避の鍵を握るのはココ?

「オマエらはオレの敵だ ここで死ね」

ムーチョの裏切りが発覚し、絶体絶命のピンチに陥った武道。しかし、なぜムーチョは武道、乾、九井の3人を狙ったのか。それは武道と乾を殺し、九井を天竺のメンバーに引き入れるためだった。

元々は、黒龍で十代目総長・大寿(CV:杉田智和)の下についていた乾と九井。黒龍は真一郎が作った伝説のチームだったが、八代目にイザナがついたことで凶悪化し、次の九代目・斑目(CV:内山昂輝)の時代に東卍に潰された。そんな黒龍を再建するため、大寿を総長に迎えたのが乾。ムーチョ曰く、その際に大寿は条件として九井の黒龍入りを要求したという。

大寿が欲しかったもの。それは乾の財力。九井はお金をつくる天才であり、イザナもまたその力を利用したいと考えていた。それを聞いた武道は、どの現代でも東卍のメンバーに九井がいたことを思い出す。現代の東卍の金を握っていたのは九井だったのだ。

イザナの狙いは九井の“財力”に加え、稀咲の“ブレーン”、マイキーの“カリスマ性”を駆使して「最強の犯罪組織」を創ること。それはまさしく、武道が見た現代の東卍の姿である。九井は天竺に絶対渡してはいけないと確信した武道。勝機を見つけたことで、覚醒した武道は「オレの部下はテメェらなんかに渡さねぇ!!」とムーチョに宣言した。

■武道と乾の固い握手が胸熱

武道は加勢した乾とともにムーチョに立ち向かったが、腕を縛られているため、手が出せず一方的にボコボコにされる。結局は九井がムーチョに従うことで、二人は解放された。そのまま彼らは乾と九井のアジトに向かい、そこで乾が武道に語ったのは、黒龍を再興する目的だった。

いまや廃墟と化した乾と九井のアジトは元々、真一郎のバイク屋だった。そこに集まる不良たちがみんな、真一郎の前では礼儀正しくなる。そんな真一郎が乾の“ヒーロー”だったという。八代目や九代目の頃のような、ゆすり・強盗・薬なんでもありの極悪チームではなく、真一郎の創った初代黒龍を再興することが乾の目的。そして、大人になっても昔やったバカなことを笑い合える仲間をつくることだった。

けれど、そのために大寿を頼ったはずが、結局は歴代最狂最悪のチームとなってしまった。「オレは…何をしてたんだろうな…」と肩を落とす乾の姿に、武道は何度タイムリープしても現代の状況を変えられずにいる自分自身と重ね、乾に共感する。

そして、「十一代目黒龍総長を継いでくれ!!!」と頭を下げた乾の思いに応え、武道は“東京卍會壱番隊隊長”兼“十一代目黒龍総長”になることを決意。

「この命 オマエに預ける」

そんな武道に乾も自身の命を預けることを決めた。武道が背負うものがまた一つ増えた第41話に、SNSでは「よく言った武道」「こういうところが武道の周りに人が集まる理由なんだろうな…」「タケミっちとイヌピーに胸熱」「武道とイヌピーくんのあの握手のシーン、めっちゃ良くて鳥肌立った…!」という声が集まった。

島崎信長の崎は正しくは「たつさき」

■文/苫とり子

アニメ「『東京リベンジャーズ』天竺編」第41話が放送/(C)和久井健・講談社/アニメ「東京リベンジャーズ」製作委員会