マクセル株式会社(取締役社長:中村 啓次/以下、マクセル)は、2023年6月に量産を開始している、硫化物系固体電解質を使用したセラミックパッケージ型全固体電池(PSB401010H)の容量の25倍に相当する200mAhの大容量化を実現した円筒形全固体電池の開発を進めています。円筒形全固体電池(PSB23280)は、高密閉(*1)の円筒形外装体を新規に開発したことで、大容量化を実現するとともに、従来品(*2)と同様の長期信頼性(*3)や耐熱性を維持しています。
 円筒形全固体電池のサンプル出荷は、2024年1月下旬を予定しています。

容量200mAhの円筒形全固体電池(PSB23280)試作品

 

 マクセルは、これまで市場ニーズに沿った電池開発および製品化を行い、基板への表面実装に対応したセラミックパッケージ型全固体電池や高電圧、高出力に特化したバイポーラ型の全固体電池を開発し、現在サンプルを供給しています。サンプルを使用したお客様からは「社会課題に貢献できる電池」として、マクセルの全固体電池の広い温度範囲・長期信頼性という特性が評価されています。

 そのようななか、昨今、インフラモニタリングなどのセンシング用途を含めた主電源用途でも適用可能な全固体電池の大容量化を求めるニーズが増えており、現在開発を進めている円筒形全固体電池は、そのニーズに対応しています。

 円筒形全固体電池は、電極構造と外装体の大幅な見直しにより大容量化を実現しました。電極構造については、電極を大型化させるために、より高密度で充填可能なプロセスを導入しています。外装体については、形状を立方体から円筒形に変更し、セラミックパッケージ型全固体電池と同等の密閉性が担保可能な円筒形外装体を新たに開発しました。これにより、マクセルの全固体電池の特長である長期寿命特性や耐熱性などの諸特性を維持したまま大容量化を実現しています。

 これら電極構造および外装体の技術をさらに応用・発展させることで、今後さまざまな市場ニーズにマッチした全固体電池製品の開発が可能となります。

■円筒形全固体電池(PSB23280)の特長

 1. セラミックパッケージ型全固体電池(PSB401010H)と比較して容量25倍の200mAh

 2. 広い温度範囲 -50℃~+125

 3. 市場ニーズに合わせたサイズカスタマイズが可能

 マクセルは多くの社会課題を解決するため、既存の電池では使用できなかった領域の用途にも使用できる、長寿命、高耐熱、高出力、大容量の4つの軸で、高性能で信頼性の高い全固体電池の開発を進めています。今後も全固体電池のラインアップを充実させるとともに、無線給電やエナジーハーベスティングなどの技術と全固体電池を組み合わせたモジュール製品の検討も進め、製品を通して社会課題の解決に貢献することをめざしていきます。

*1 高密閉: ヘリウムリーク試験において10(-11:上付き)(Pa・m³/sec)レベルを達成、一般的なコイン電池では10(-8:上付き)(Pa・m³/sec)レベル JIS Z 2330参照

*2 従来品: セラミックパッケージ型全固体電池(PSB401010H)。PSB401515Hは、開発品のため比較対象としていません。

*3 長期信頼性: 各種評価や分析および解析による当社の寿命予測結果

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■「全固体電池」Web ページ

 https://biz.maxell.com/ja/rechargeable_batteries/allsolidstate.html

■全固体電池に関するお問い合わせ先

 マクセル株式会社 営業統括本部

 お問い合わせフォーム:

 https://biz.maxell.com/ja/rechargeable_batteries/inquiry_form_input1.html

以上

【添付資料】
■円筒形全固体電池(PSB23280)試作品の外観

円筒形全固体電池(PSB23280)試作品

■円筒形全固体電池(PSB23280)試作品の仕様

      ※ 仕様は予告なしに変更することがあります。

■放電特性

円筒形全固体電池(PSB23280)試作品の放電特性

以上

配信元企業:マクセル株式会社

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