新卒のかっぱ子(@kappacooooo)さんが入社した「ひょっとこ商事」は、220人が在籍する中小企業で、かっぱ子さんが勤めた5年の間に半数以上の160人が退職してしまった…。古い体制が残ったゆるいブラック企業で働く、かっぱ子さん。無茶なノルマや理不尽な納期にキィー!となったり、ヒー!と嘆いたり、日々奮闘する姿をお届けしよう。

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■挨拶直後に先輩から「いらない」と切り捨てられた!初対面で手痛い洗礼!

入社初日、配属先の「企画部」でかっぱ子さんがネコ美先輩に挨拶をすると「いらない」と鋭い一言を言われた。しょっぱなから、苦手な先輩キター!とビビリまくるかっぱ子さん。しかし、働き始めて企画部の現状をみていると、ネコ美先輩の言葉が「使えない社員はいらない」という意味合いだとわかるのは、もう少し後になってからである。

「一度しか言わないから」「仕事は自分で見つけてくるもの」と、ネコ美先輩の新人指導は、ほかの部署と比べると少しハードモードだ。それは、なぜか?業務内容を把握していない課長や仕事をこなせない同僚が、ネコ美先輩の仕事を圧迫しているからだった。

かっぱ子さんは、イライラしているねこ美先輩の洗礼を受けることも多く、それを友人に話したところ、「絶対その会社で働きたくないけど、第三者から見るとすごくおもしろいよ」と言われることがあり、「このヤバさを漫画にして昇華しよう」と、SNSで投稿を始めた。

主人公のかっぱ子をはじめ、ネコ美先輩、イカ課長など作者が最も大切にしているのは「登場人物全員どこか憎めないキャラに仕上げる」こと。また、「独りよがりにならないよう元同僚にも協力してもらい、客観的な視点を心がけています」(かっぱ子さん)と、制作のこだわりを教えてくれた。

■初めてのボーナスが、ほかの同僚と比べてめちゃくちゃ低いことに気づく…!!

その後、企画部と営業部は合併し、企画いう枠にとらわれずいろいろな仕事をこなした、かっぱ子さん。「取りあえず、どの部署がやればいいのかわからない仕事は全部やらされ…、あ、いえ、やらせていただきましたね。企画っぽいことだと、400人規模のイベントの司会をしたり…。知的っぽいことだと、月毎の損益計算書作成や特許関連の管理…。アホっぽいことだと、ノコギリで木を切って机を作りました」(かっぱ子さん)。ノコギリを使う企画部とは、一体…?謎の仕事内容だが、話を聞くと、かっぱ子さんは強いメンタルと秘めたポテンシャルを持っていることがわかる。

本作でも衝撃的な一幕は、ボーナスが0.1カ月分の話。「お年玉では?」というツッコミもある。ボーナスが勤続年数とともに増加したかと思えば、「業績悪化のため年々減っていきましたね」(かっぱ子さん)と、笑えない衝撃の事実もわかった。

さらに、精鋭たちを集めた新しい部署の上長にサンマ本部長(社長の息子)が入ると、1カ月で11人もの社員が退職してしまった。精鋭たちは、サンマ本部長体育会系な仕事っぷりに辟易したようだ。

漫画では、このようなゆるブラック企業の内情を知ることができるほか、話しにくい先輩に対しての声のかけ方、雑用のこなし方など、新人社員が通る道をバーチャルで見ているような気分になる。

今まで反響が大きかった作品を聞くと「先輩後輩の関連だとネコ美先輩は厳しいけど、そうしてしまう気持ちもわからんではない。という意見が多いかもしれません」(かっぱ子さん)。ネコ美先輩の立ち位置を理解してくれる人が多いのは、会社で同じような環境にいる人が多いからなのかもしれない。

2021年からスタートした本作も、そろそろ退職まで残り1年間。「これからジェットコースター展開になるので、シートベルトをしっかり締めて付いてきてほしいです!また、300話以上あるので、初めましての人はライブドアブログからの方が読みやすいです」(かっぱ子さん)

古い体制が残ったままの中小企業は、とにかくノルマや納期第一主義。徹夜や残業はよくあることで、早く帰りたいと口に出せない雰囲気も漂う。だからこそ、かっぱ子さんが勤めた5年間のうちに220人の社員の半数以上は辞めてしまったのだ。そんなノンフィクション奮闘コメディ漫画は、週1で更新中。

取材協力:かっぱ子@ゆるブラック企業漫画(@kappacooooo)

ボーナス0.1カ月分って…そんなことある?/画像提供:かっぱ子さん(@kappacooooo)