山下幸輝が初主演する映画『TOKYO,I LOVE YOU』の完成披露舞台あいさつが26日に開催され、主演の山下をはじめ、草野航大、松村龍之介、オギー・ジョーンズ加藤ナナ、中島央監督が登壇。主演の山下が劇中のダンスの一部を披露、大興奮の松村からの誉め言葉に山下が照れ笑いする一幕もあった。

【写真】山下幸輝ら登壇者全員がタイトルにちなみ「TOKYO」ポーズを披露!

 映画が完成した今の心境について中島監督は、「作り始めてから2年。今、2年間の努力が報われたと感じています。みなさんに自分の物語として(映画を)楽しんでいただけたらと思っています」と笑顔でコメント。

 東京タワー、新宿界隈、お台場を舞台にした3つの愛の物語が描かれる本作。お台場編でダンサーリヒト役を演じた山下は、「帰国子女役なのでオーバーリアクションを意識して、身振り手振りの役作りをしました」と大きく身体を動かしながら説明し、「東京のいろいろなキラキラした景色が楽しめるし、僕らの(関係性の)キラキラしたものを観てほしいです」とアピールした。

 また、劇中で挑戦した英語のセリフについては、「結構頑張りました。実は、英語は全然話せなくて。でも撮影前に監督から『英語、喋るからよろしくね!』と言われて」と監督からのリクエストをモノマネで再現して笑いを誘いつつ、「先生についてもらって、いろいろとアドバイスを受けながら、(英語の)お芝居をしました」と役作りを明かした。

 リヒトの親友シモン役の松村は、「見どころは“幸輝”です! すごくかっこいいです!」と猛プッシュ。親友キャストの実年齢は自身より下だったが、「友達のような距離感で接してくれました。みんなのかっこよさやアツさを(近くで)感じながら、おじさんキュンキュンしちゃうなって感じでした」と歳の差に触れつつ苦笑い。撮影はすごく楽しめたと話し、「友情、アツさ、真っ直ぐさなど、人間のいろいろな感情が観られます!」と注目ポイントを挙げた。

 東京タワー編で典型的なダメ人間のケンを演じた草野は、本作が初演技だったとミミ役の加藤の第一印象に言及。「すごく綺麗な方なので、ちょっとドキドキしてしまって。撮影中、(特に序盤に)足を引っ張ってしまって申し訳ありませんでした」と深々と頭を下げてお詫び。その姿に微笑みながら加藤は「たくさん引っ張ってもらいました!」と感謝した。草野はコロナ禍で自宅にいることが多い環境もあり、引きこもりでオタクの役柄を自分と重ね合わせることができたとも語っていた。

 加藤は初となる演技について、「ミミは不器用で、好きな人に思いを上手に伝えられない女の子。見ていてちょっとウズウズしてしまいます。天邪鬼っぽいところが自分に似ていたので、演技は初めてでしたがナチュラルにできました」と語り、「今、恋をしている人、うまく恋愛ができない、思いがうまく伝えられないと感じている人は、勇気がもらえると思います」と作品に太鼓判。

 ケンがハマっているVRシーンの撮影について中島監督は、「演技をモーションキャプチャーして、もう一度映像を作り直すという途方もない作業でした。やっている最中は大変だったけれど、出来上がってしまうとその苦労を忘れてしまう自分がいます」とニヤリとしていた。

 オギー演じるジョージは、一人娘のカレン(小山瑠奈)と仲睦まじく暮らしているという役どころ。「予告編にも出てくる棚田のシーンは、この世のものとは思えない景色です。ほとんどあの世です。あの世に行ったことはないけれど…」とジョークを飛ばして笑いを誘い、「ほとんど洋画です!」と映像の美しさを大絶賛。カレン役の小山の印象については、「とても綺麗な方。あまりにも綺麗な方で、初顔合わせの時は娘には思えませんでしたが…、撮影が始まったら、なんとかなりました(笑)」とホッとした表情を浮かべていた。

 3つの物語を描く上での工夫について中島監督は、「シンプルに物語を伝えたいけれど、親子の話をシンプルに作るだけでは面白くはならないので、常にひねりを考えていました」と、第2章で新宿界隈にキッチンカーを取り入れた理由を説明。どのエピソードにもひねりが入っていると補足していた。

 山下は「今までにやったことのないジャンルのダンスに挑戦した」と語る一方、ダンスが好きなので苦労することはあまりなかったそう。あまりテイクを重ねなかったと明かし、少しだけダンスを披露することに。「映像では観たけれど、生で間近で見るのは初めて。特等席! うれしい! かっこいい! 惚れ直した!」と大興奮の松村に、山下は照れ笑いしながらも「ありがとう!」と応え、会場からも大きな拍手が贈られた。

 イベントではSNSで募ったファンからの質問に答えるコーナーも。タイトルにちなみ「今、一番“LOVE”なモノ・人」という質問に対し、オギーは「ネコ動画」、加藤は「ネコ」、草野は「インコ」、山下は「ココナッツ」、松村は「カードゲーム」、中島監督は「2歳の娘」と回答した。

 山下は仕事でハワイに行った際にココナッツの香りにハマったそうで、「(ココナッツの香りの)ボディクリームをいただいたり、柔軟剤を買ったり、ココナッツまみれの生活をしています」とうっとりとした表情に。すると草野が「さっきも控室でココナッツオイルを塗っていたので、みんなで匂いを嗅いでいました(笑)」と幸せそうな表情で話し、山下の両隣にいた草野と松村が山下に近づき匂いを確認。満面の笑みで「いい匂いです!」と観客に報告。会場は拍手と歓声に包まれ、ココナッツの香りが漂うかのような和やかなムードに包まれた。

 最後にタイトルにちなみ登壇者全員で「TOKYO」ポーズを披露したあと、山下が「いろいろな愛の形を楽しんでください!」と呼びかけて、笑顔いっぱいのイベントを締めくくった。

 映画『TOKYO,I LOVE YOU』は、11月10日より全国順次公開。

映画『TOKYO,I LOVE YOU』完成披露舞台あいさつより (C)TOKYO,I LOVE YOU FILM PARTNERS