オンライン動画配信サービスHulu」にて、全話一挙独占配信中のHuluプレミア「庭のある家」。第7話では、全ての真実を知ったジュラン(キム・テヒ)とサンウン(イム・ジヨン)がそれぞれの目的のために大きく動き出す。そんな第7話の内容を考察と共に振り返る。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】覚悟を決めた表情をするキム・テヒ“ジュラン”

■「庭のある家」とは

本作は、実力派女優の共演と衝撃的な展開が話題を呼んだサスペンススリラー。韓国の同名ベストセラー小説が原作で、放送前には世界190カ国での展開が決まった韓国ドラマだ。物語では、マイホームの庭から漂ってきた“悪臭”をきっかけに正反対同士の2人が出会い、家庭に隠された真実が明かされていく――。

キャストには“韓国で最も美しい女優”と評されるキム・テヒが出演しており、完璧な家で絵に描いたような優雅な暮らしを送るジュラン役を演じる。一方、貧しさと家庭内暴力生きがいをなくしたサンウン役には、「ザ・グローリー ~輝かしき復讐~」で“最恐の悪女”を演じたイム・ジヨンが抜擢。実力派女優の2人がお互いに相乗効果を高め合っていく“かけ合い”に注目だ。

その他、病院の院長でジュランの夫でもあるジェホ役をキム・ソンオが、ジュランの息子・スンジェ役をチャ・ソンジェが、製薬会社の営業社員で家庭内暴力を振るうサンウンの夫・ユンボム役をチェ・ジェリムが担当する。

■「仕事が済んだら3億差し上げます」ジュランからの突然の依頼

第6話で、ユンボムの遺したスマホの写真から、“ジェホがイ・スミンを殺したこと”に勘づいたサンウンは、ジュランの元を訪ねる。するとジュランに「バッグを開けてみて」と促され、サンウンが足元に置かれたバッグを開けると、そこには大量の札束が入っていた。ジュランは2億ウォン入っていると告げ、続けて「3億は仕事が終わってから」と条件を出す。

そしてジュランはその“仕事”について、「夫を殺して。ご主人を殺したように」とサンウンに依頼するのであった。ジュランの「ご主人(ユンボム)を殺したように」という言葉に「何を言ってるの?」と、驚きを隠せないサンウン。それに対して、すかさず「動揺すると、余計怪しいですよ」「私はサンウンさんのお母様に聞いただけです」と、冷静に答えるジュラン。どうやらジュランは、サンウンの忘れ物を届けに行った際に、彼女の母親から聞いたというのだ。

サンウンは「認知症だから、訳の分からないことを言うの」と強い口調で反論するが、ジュランは冷静に「じゃあ調べましょうか。とことん」と返し、その件を再捜査させることも、サンウンを犯人にすることも簡単だと言い放つ。

それを聞いたサンウンは「何のつもり?」と問うのだが、ジュランは一貫した態度で「言ったでしょう。殺してくれと」「5億。仕事が済んだら3億差し上げます」と告げる。動揺を隠せないサンウンは、出されたお茶をこぼしながら、一気に飲み干すと「殺人教唆。この会話だけでも犯罪になる」「“お前と私は違う”って顔をしないで。ヘドが出る」と吐き捨てる。しかしジュランは懇願するように、真っ直ぐサンウンを見つめ、「むしろ私の提案を理解できるのはあなただけ」「だから力を貸して。お金は必ず払うから」と思いを伝えた。

するとサンウンは「腹を決めたわけね」と高笑いをし、現金の入ったバッグを手に、その場を後にするのだった。

■サンウンの後悔「この女を信じるべきじゃなかった」

後日、サンウンの家を訪ねてきたジュランに対して「本当にやる気?」と確認すると、ジュランは「ええ、力を貸してくれるなら」と発言。しかし、計画は無いという。

そんなジュランにサンウンが持ちかけた計画は、まず“DVの証拠にできそうなモノ”と“院長の不審な情報”をさりげなく近所の人に触れ回り、ジェホ本人に着火炭を購入させる。その後ジェホの目を盗み、ジュランは“ジェホのスマホ”を使ってサンウンと“パニョ貯水池”で会う約束をしておく。そしてジェホが眠っている間に、サンウンがジェホを殺害。あとは当日、サンウンが呼び出された場所へ行き、“ジェホの死体”を発見するというものだった。

「夫とスミンを殺した罪悪感から、自殺した院長(ジェホ)を発見。それで終わり」「私が家に着いた時は、必ず院長を眠らせておいて」とサンウンはジュランに淡々と告げた――。

そして犯行当日、ジュランはセキュリティーを切り、サンウンを迎え入れる。睡眠薬によって眠らされたジェホを確認したサンウンは、ジュランに「着火炭はどこ?」と尋ねる。そしてジュランの方を向いて返答を待っていると、サンウンは突如後ろから何者かによって首を締められる。そこには寝ていたはずのジェホの姿が…。実はジュランはサンウンを裏切り、夫のジェホと手を組んでいたのだ。サンウンはジェホが手に持っていた注射器を刺され、その場で倒れ込んでしまう。薄れゆく意識の中で、サンウンは「この女を信じるべきじゃなかった…」と後悔するのだった。

■ジュランの裏切り行為は家族を守るため?

同話では、サンウンに対しジュランが“夫の殺害”を依頼する緊迫感漂うシーンが、お互いの心情を探るかのような表情や、サンウンの感情があらわになる演技が見どころとなっている。そしてジュランの「むしろ私の提案を理解できるのはあなただけ」という言葉に対し、サンウンが見せた満足感、憐れみ、納得感があわさった表情は必見だ。

またラストシーンでは“ジュランの裏切り”が発覚したが、ジュランは今まで通り何もなかったように生活を送るため、そして家族を守るためにジェホと“サンウンの殺害”を企てたのではないだろうか。もしくは途中でジェホに計画がバレてしまい、仕方なく夫側についた可能性や、始めから全てジェホの計画で、ジュランは言われた通りやっただけの可能性もある。

どういう経緯でサンウンを陥れることになったのか、そしてサンウンはどうなってしまうのか、次話の展開にも注目していきたい。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

「庭のある家」第7話より/(C)2023 KT StudioGenie.,Co.Ltd