第73回読売文学賞(小説賞)をデビュー作で受賞という異例の快挙を成し遂げ、書評家・豊崎由美さんが主宰する第9回鮭児文学賞、第2回みんなのつぶやき文学賞(国内篇第1位)にも選ばれた、川本直による驚異のデビュー小説『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』文庫版が、株式会社河出書房新社(東京都渋谷区/代表取締役小野寺優)より、2023年11月7日(火)に刊行となります。

■すべて嘘か、それとも真実か

作風は優雅にして猥雑、生涯は華麗にしてスキャンダラス。トルーマン・カポーティ、ゴア・ヴィダル、ノーマン・メイラーと並び称された、アメリカ文学史上に燦然と輝く伝説の小説家ジュリアン・バトラー。

その生涯は長きにわたって謎に包まれていた。

しかし、2017年、覆面作家アンソニーアンダーソンによる回想録『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』が刊行され、遂にその実像が明らかになる――。

単行本刊行時には各メディアで話題騒然。もうひとつの20世紀アメリカ文学史を大胆不敵に描く、あまりにも壮大なデビュー作。

■読売文学賞(小説賞)、鮭児文学賞、みんなのつぶやき文学賞(国内篇第1位)を受賞した驚異のデビュー長編小説

ジュリアン・バトラーの真実の生涯』は、2021年単行本刊行直後より、多数の新聞、雑誌、本の目利きたちから異口同音に“傑作”と称され、ついには著者デビュー小説で第73回読売文学賞(小説賞)受賞という異例の快挙を達成。

書評家・豊崎由美さんが主宰する第9回鮭児文学賞、毎年人気作品が候補に名を連ねる第2回みんなのつぶやき文学賞(国内篇第1位)を受賞、第35回三島由紀夫賞候補に選出されるなど、一躍話題の一冊となりました。

■傑作『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』が待望の文庫化!

著者川本直さんが文芸評論家として活躍するかたわら、約10年の執筆期間を経て完成させた驚異のデビュー長編小説。この前代未聞の小説が、2023年11月に河出文庫より刊行となります。

文庫版のカバーを飾る装画はイラストレイター宇野亞喜良さんによる描き下ろし。さらに文庫版刊行を記念して、魔夜峰央さん(漫画家)、齋藤明里さん(女優・読書系YouTube「ほんタメ」MC)、東山彰良さん(作家)より素晴らしい推薦コメントをお寄せいただきました。

魔夜峰央さん(漫画家)

実に壮大なまでにえげつない虚構。この書き込みと造りこみは変態的です。

たぶん作者は常識人の私には理解できない変態なのでしょう。いい意味で

楽しませてもらいました。

●齋藤明里さん(女優・読書系YouTube「ほんタメ」MC)

ジュリアンに憧れる。

ジュリアンの物語に恋焦がれる。

彼に会いたくて、何度もこの本を開いてしまう。

●東山彰良さん(作家)

生きるということ。書くということ。愛するということ。

徹頭徹尾フィクションなのだが、それ以外はすべて真実。そんな気にさせられる傑作。

日経新聞「半歩遅れの読書術」2023.8.26より)

■単行本刊行時に寄せられた絶賛の声! 

2021年10月、単行本刊行時から各メディアで話題となった『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』。

朝日新聞読売新聞日本経済新聞毎日新聞産経新聞、東京・中日新聞北海道新聞共同通信、新潮、群像、サンデー毎日、週刊新潮、週刊読書人、婦人公論、現代ビジネス、ONTOMO、TBSラジオなどなど、取り上げられたメディアは枚挙にいとまがありません。

この壮大な物語へ寄せられた絶賛、驚愕の声を、書評、選評などから一部ご紹介します。

●荻野アンナさん(読売文学賞選考委員)

フィクションがここまで輝くと、事実の方が色を失う。大切な飴を舐めるようにしてページを繰った。

●辻原登さん(読売文学賞選考委員)

世界文学/日本文学をめくり返す、でんぐり返す快挙! ジュリアン・バトラーの冒険はフィクションの究極、脊髄を走る稲妻。

●若島正さん(読売文学賞選考委員)

エーコの『薔薇の名前』に比肩するこの野心作が翻訳されて世界中で読まれたら、どんな反響を呼ぶだろうか。

●佐藤亜紀さん(小説家)

米文学の最もスキャンダラスな時代、一際スキャンダラスに生きた恋人たちの生涯を、川本直は微塵の妥協もなく正攻法で描き切る。

●高遠弘美さん(フランス文学者)

「川本直は文藝批評家ではなかったのか」。本書を手にする誰もがこう思うに違いない。そう、これは川本直初めての壮大なフィクションであり、読者を言葉だけで作られた迷宮へと誘い込むきわめて面白い小説である。

●伏見憲明さん(作家)

予想を遥かに上回る大傑作。クィア文学の嚆矢、ジュリアン・バトラーに魅了された。その秘められた真実に打ち震えた!

●富士川義之さん(英文学者)

事実と虚偽が入り乱れるポスト・トゥルース時代のデカダンス小説。その筆力には張りがあり熱い魂をもちポップな感覚のあふれる、異才作家のデヴュー作。こんな大胆な発想と実験性をもつ長編は最近読んだことがない。

●柳下毅一郎さん(映画評論家・翻訳家)

嘘の中に真実があり、現実のあいだにフィクションは生まれる。スキャンダルの祝祭たる二十世紀文学史のまっただ中に飛び込み、メディア・スターの幻像を泳ぐジュリアン・バトラーは世界文学を大胆に書きかえるのだ。

●鴻巣友季子さん(翻訳家・文芸評論家)

1行ごとに巧緻な仕掛けを施し、幻の文学史を現前させる。破格のデビュー小説だ。

●陣野俊史さん(小説家フランス文学)

完全にやられた。フィクションにしかできない禁断の果実を著者はデビュー作で手にしたのだ。

●豊崎由美さん(書評家)

読みどころをこれでもかとばかりに備えた、超ド級の傑作。

【単行本】読売文学賞受賞時、店頭用パネル

文庫版『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』。最高の読書体験を、ぜひお楽しみください。

【著者紹介】

川本直(かわもと・なお)

1980年東京都生まれ。小説家・文芸評論家。2021年、デビュー小説『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』で第73回読売文学賞(小説賞)を受賞。同作は第9回鮭児文学賞、第2回みんなのつぶやき文学賞(国内篇第1位)も受賞し、各メディアで話題となる。他著書に『「男の娘」たち』(河出書房新社)、編著に『吉田健一に就て』(国書刊行会)、『吉田健一ふたたび』(冨山房インターナショナル)がある。

【書誌情報】

書名:ジュリアン・バトラーの真実の生涯

著者:川本直

税込定価:1,265円(本体1,150円)

仕様:文庫判/512ページ

発売日:2023年11月7日(火)

ISBN:978-4-309-42020-2

カバー装幀:大島依提亜

装画:宇野亞喜良

書誌ページ

https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309420202/

配信元企業:河出書房新社

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