MBSTBS系列全国28局にて放送・配信中のアニメ「呪術廻戦」(毎週木曜夜11:56-0:26ほか、TBS系/ABEMA・ディズニープラスほかにて配信)の第2期14話(第38話) 「揺蕩」が10月26日に放送された。封印された五条悟(CV.中村悠一)奪還のために渋谷駅に突入を図る呪術師たちと、それを阻止しようと動くニセ夏油傑(CV.櫻井孝宏)と呪霊、呪詛師たち。今話では冥冥(CV.三石琴乃)と特級特定疾病呪霊、七海健人(CV.津田健次郎)らと陀艮(CV.三宅健太)が激突。特に視聴者を沸かせたのは、一級術師2人がかりでも敵わない陀艮の意外な強さだった。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】冥冥(CV.三石琴乃)と弟・憂憂(CV.三瓶由布子)の前に現れたニセ夏油傑(CV.櫻井孝宏)

ゆるキャラ呪霊・陀艮の真の実力

「渋谷事変」に入ってから急に登場した印象のある陀艮だが、よく観返してみると第1期から描かれており、例えば第6話「雨後」ではニセ夏油、漏瑚(CV.千葉繁)、花御(CV.田中敦子)らと共にいるシーンが見られる。しゃべることもなく、微妙にかわいい姿形から“ゆるキャラ呪霊”なんて呼ばれてもいたが、特級呪霊の漏瑚、花御の仲間であっただけに、その実力は2人に引けを取らないものだった。

呪霊とは、「人間から漏出した呪力が澱(おり)のように積み重なり、形を成したモノ」と言われている。「人の負の感情から生まれる」とも言われるように、それらの多くは怨霊のようなものになる。しかし、真人(CV.島崎信長)いわく、人が遥か以前から恐れているのはもっと根源的なもの。それが天災だ。

「大地を、森を、海を、人々は恐れ続けてきた。それらに向けられた呪力は大き過ぎるが故に、形を得る前に知恵を付け、今まで息を潜めていたんだ」(真人)と。

そんな恐れから生まれたのが、漏瑚=大地、花御=森。そして、陀艮=海であった。天災への恐れが呪霊となった彼らの力は特級の中でも群を抜き、今回の陀艮戦で言えば、一級術師の七海、禪院直毘人(CV.中田譲治)の2人がかりでもまともに傷を付けられないという強さ。むしろ漏瑚を子供扱いし、花御を瞬殺した五条がどれほど規格外な術師なのかが分かるというものだ。

■七海の集合に応えて現れたまさかの人物

そんな陀艮と七海、直毘人、禅院真希(CV.小松未可子)との一戦。遭遇直後は“最速の術師”直毘人に一瞬で粉砕されたが、それは呪胎ゆえのためだった。脱皮して成体となってからは力の違いが浮き彫りになり、真希に至っては直毘人のフォローがなければ早々に命を落としていたという状況だ。さらに、生得領域“蕩蘊平線(たううんへいせん)”に引き込まれ、必中術式“死累累湧軍(しるるゆうぐん)”を発動されてからは防戦一方に追い込まれてしまう。

そんな3人の窮地を救ったのは、外から陀艮の領域をこじ開けて入ってきた伏黒恵(CV.内田雄馬)だった。領域の押し合いで陀艮の術式の必中効果を消し、領域の穴から脱出を図ろうとする。しかしその瞬間、穴の外から別の人間が。恵らが驚愕(きょうがく)の視線を向ける先で現れたのは、オガミ婆に降霊された禪院甚爾だった。

今話はここがラストシーンとなり、放送後のXでは、「なんで伏黒パパここに!?」「めっちゃうれしそうな顔の甚爾が現れた!」などと驚く声が殺到。中には七海が2人(禪院)に集合を叫んだことに掛けて、「禪院呼んだら甚爾まで来ちゃったよ」「禪院集合だから間違ってないな」「七海だよ、禪院集合!」と、愉快な大喜利が飛び交う状況になっていた。

ちなみに、陀艮の“死累累湧軍”を受けて手痛い負傷を負ってしまった七海だが、Xでは彼を心配する声と併せて、「痛々しくても前髪降りたナナミンがカッコよすぎてかなり情緒不安定なんだけど…つまりはお家にいるときはあの髪型なんですね!?!?」「ピンポイントでそこ、そこなのよ…!!」「前髪おろしナナミン、流石に陀艮に感謝したな」「前髪下ろしのナナミン、かっこよさ爆発してんじゃん」という、いみじくも初お披露目となった七海の前髪下ろしに歓喜のコメントも溢れていた。

島崎信長の崎は正しくは「たつさき」

■文/鈴木康道

アニメ「呪術廻戦」第14話が放送/(C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会 (C)Sumzap, Inc./TOHO CO., LTD.