吉井監督は2、3度目の抽選に挑むも当たりは引けなかった(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 プロ野球ドラフト会議10月26日に行われ、ロッテドラフト1位指名の抽選で史上4度目となる3連敗を喫した。

 最初にENEOSの度会隆外野手(横浜高)を指名するもDeNA、中日の3球団競合の末にDeNA三浦大輔監督に交渉権を獲得された。「外れ1位」で指名した草加勝投手(亜細亜大)も中日との競合で引き当てられ、「外れの外れの1位」では細野晴希投手(東洋大)を日本ハムとの競合で外した。最終的に上田希由翔内野手(明大)を単独で指名し、12球団で最後に交渉権が確定した。

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 ドラフトで3連敗するのは2010年のオリックス、13年の日本ハム、17年のソフトバンクに続いて4度目。各球団が1位指名した選手はそれぞれオリックス後藤駿太外野手(前橋商高)、日本ハムが渡辺諒内野手東海大甲府高)、ソフトバンクが吉住晴斗投手(鶴岡東高)。

 オリックスは当時の指揮官だった岡田彰布監督(現阪神監督)が、日本ハムはのちに侍ジャパン指揮官になる栗山英樹監督、ソフトバンク工藤公康監督がくじを引いて3連敗。今回のロッテは最初の渡会の抽選で高坂俊介球団社長が挑んだが、惜しくも外してしまい、2度目、3度目は吉井理人監督が務めた。

 各球団の「外れ・外れ・外れ1位」のプロ入り後はどうなったのか。

 オリックスが1位指名した後藤は1年目の2011年に高卒の新人野手では球団史上初の開幕ベンチ入りを果たし、同年4月12日ソフトバンクホークスとの開幕戦(京セラドーム大阪)で「9番・右翼」のスタメンでプロデビュー。3年目からは5年連続で100試合以上に出場した。昨年7月に中日にトレード移籍。今季は52試合で打率.182、6打点をマークした。

 日本ハムが指名した渡辺は入団1年目の14年9月にスタメンでプロデビュー。19、20年と正二塁手の座をつかんで2年連続で100安打以上をマークした。22年オフにトレードで阪神に移籍。新天地1年目の今季は59試合で打率.177、2本塁打、10打点を記録した。

 ソフトバンクに入団した吉住は一軍でデビューすることなく、20年に戦力外通告を受けた。翌21年に育成契約で再出発を切ったが、二軍公式戦も3試合の登板に留まり、再び戦力外となって現役引退を決断した。その後はソフトバンクの球団職員に転身した。

 ロッテから1位指名を受けた上田は愛産大三河高(愛知)時代に夏の甲子園に出場するなど左の強打者として高校通算46本塁打をマーク。明大では東京六大学野球歴代4位の74打点をたたき出すなど打撃では大学ナンバーワンと評価する声もある。

 プロセスはともかくとして1位指名されたのは大変に名誉なこと。これから精進して「当たり・当たり・大当たり」のプロ野球人生をつかむことができるか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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