西川貴教が主催する、西日本最大規模の野外音楽イベント「イナズマロック フェス2023」の第1日目が10月7日に滋賀・鳥丸半島芝生公園にて開催された。ライブ配信アプリ「17LIVE」では、「ニシナナステーション_official」アカウントにて本イベントバックステージの模様を特別配信し、“雷神ステージ”“風神ステージ”出演アーティストにインタビューを実施。MCは高倉陵と久保孝真によるお笑いコンビ・三拍子とフリーアナウンサーの魚住咲恵が担当した。

【写真】イナズマロック フェスに出演したDISH//のオフショット

■「イナズマロック フェス」×「17LIVE」、出演アーティストにインタビュー

1組目は、EBiDANソイヤ!イナズマスペシャルの一員として“雷神ステージ”のオープニングを飾った6人組ダンス&ボーカルグループのONE N' ONLYだ。初の『イナズマロック フェス』でトップバッターかつ恵比寿学園男子部の代表としての出演ということで緊張していたものの、「1曲目からめちゃくちゃ盛り上がってくれたし、とにかく温かいお客さんばかりで最高でした!」とリーダーのHAYATO。また、新曲「EVOL」のパフォーマンス時には振り付けの”イナズマダンス”を多くの観客が一緒に踊ってくれたそうで、KENSHINは「今回のために作ったと言っても過言ではない!」と言い切り、MCやスタッフ陣の笑いを誘っていた。

続いて、ONE N' ONLYと共にEBiDANソイヤ!イナズマスペシャルの一員としてステージに立った7人組ダンス&ボーカルグループの原因は自分にある。が登場した。フェス自体に出演するのがグループ初で、大倉空人が「トップバッターとしてうまく盛り上げられるか不安だったんですけど、お客さんとコール&レスポンスで一体になれて、その時に楽しい気持ちに切り替わりました」と語る一方、杢代和人は「緊張しすぎて、デビュー当時からやっている振り付けの立ち位置を間違えました」とカミングアウト。また、最年長の武藤潤が仕切る普段は見ることができない円陣が披露されたほか、杢代がMC魚住と過去に親子役で共演していた事実が発覚するなど、彼らの魅力が詰まったインタビューとなった。

メディアを通じての顔出しをしていないため、常にカメラがMC3人を映し出す風変わりなライブ配信となった“風神ステージ”のオープニングアクトで出演した、シユイ。初の野外フェスだったこともあり、「人生で一番緊張して声も手もプルプルと震え、挙げた手も思わずすぐに隠してしまいました」と振り返るも、最終的には心から楽しめたことを報告した。

BANDAI SPIRITSプラモデル公式PRアンバサダーを務める9人組アイドルグループLINKL PLANET。曲中に“早着替え”ならぬ“プラモデルの早組み”を披露した際、いつものステージとは異なるため裏での“早組み”の様子がパフォーマンス中に見えており、リーダーの宮崎菜々は気が気じゃなかったそう。そして、久保がプラモデル好きということで終始トークは弾み、「バックステージ特別配信」ならではの交流が見られた。

■Novelbright、結成10年目で念願の初出演

これまで台風やコロナ禍の影響で出演が叶わず、結成10年目に念願の初出演を果たしたバンドNovelbright。ヴォーカルの竹中雄大は、「並々ならぬ思いで挑み、大爆発してきました」と話すも、出番前にステージ袖で西川に「三度目の正直やな、頑張れ!」と平手で背中に入れてもらった活が、「誰かに叩かれた史上一番痛かった(笑)」と複雑な心境を吐露した。またギターの沖聡次郎は、当時学生だった2010年に訪れた同フェスでの西川のパフォーマンスを観てアーティストを志したそうで、出番を終えると待ち構えていた西川と抱擁を交わして涙を流したことを告白。最後には、「『イナズマロック フェス』、また来年もよろしくお願いします」と、2年連続の出演に意欲を燃やしていた。

アイドル×バンドの4人組ハイブリッド・グループMAZEは、“風神ステージ”での出番の数十分前に登場。MCからの「直前のルーティーンは?」という質問に対し、「何かすると空回るから、何もしない」(UZUME)、「食べないと体を動かせないので、お腹をいっぱいにすること」(ゴメス)、「好きなバンドを聴いてテンションを上げる」(アサギ)、「備えている時もあれば、あたふたする時もある」(Reo)と、それぞれの個性が垣間見える回答を残した。

続いて登場したのは、数時間後に“風神ステージ”でのトリを控え、今回が3度目の出演となった男性3人組音楽グループTHE BEAT GARDENだ。視聴者から「(自身のツアーを含めて)3日連続のステージは辛くないですか?」と心配のコメントが寄せられるも、リーダーのUは「フェスは楽しいので、ご褒美みたいな感覚です」と笑顔で回答。また、開催地・滋賀出身のMASATOが持論の県民性を説き、REIは遅刻癖を暴露され、Uによって結成秘話が語られるなど、ファンには嬉しい濃密な15分となった。

2年連続の出演だったがアイキッドの“改造が間に合わない”ため、急遽サイボーグジョー単体でのステージとなった2人組ロックユニット、ザ・リーサルウェポンズ。ソロショーが初めてということもあり、見兼ねた西川が彼を勇気付けるためスペシャル前説を担当。「コール&レスポンスが多いから、西川さんの状況説明と熱いスピリットを持ったお客さんに助けられた」と、言葉以上の感謝を表すサイボーグジョーだった。

DISH//は、“雷神ステージ”でのパフォーマンスを終えた数分後に登場した。過去に主演を務めた映画のロケ地が全て滋賀県で、なおかつ琵琶湖前のホテルに宿泊していたという北村匠海は、「懐かしさもありながら、今回はDISH//として訪れたので、不思議な気持ちを抱いてのライブでした」とコメント。続けて矢部昌暉は、「去年の出演時にも感じたんですけど、観客の方々にアットホームな空気感と一致団結感があるから楽しいんです」と興奮気味に話す。そして、彼らは11月に主催のフェスを開くにあたり、西川の現場での動き方と挨拶から、ケータリングや楽屋の手土産まで見て学ぶことが多く、最高責任者と書かれた襷の導入を検討中とのこと。また、“西川が突然、泉大智の耳たぶを触った事件”などの『イナズマロック フェス 』関連トークで盛り上がるだけでなく、矢部以外のメンバーはお互いの自宅を行き来するも、彼の自宅には誰も入れてもらえず、「僕は行くけど、絶対に誰にも来てほしくないんです」という驚愕のプライベートも明かされる配信となった。

西川貴教、息を切らせながらフレームイン「“4人いる説”と“宇宙人説”が囁かれていました」

シンガーソングライターとあわせて17LIVEのライバーとしての顔も持つのが、すぎせのだ。「ライブと配信での演奏に違いはあるか」と聞かれると、「配信はリスナーの方々とコミュニケーションを取りながら進めるプライベートな要素が強くて、ライブは雰囲気作りを重視するので全然違いますね」と答えたほか、配信機能を利用してリスナーにコード進行や歌詞のアドバイスをもらっていることを語るなど、ライバーらしいトークを披露。インタビュー後には、この日の「バックステージ特別配信」では初となる生歌を披露し、MCとリスナーの心を鷲掴んでいた。

17時頃、ついに主催者・西川貴教が3日連続で登場。息を切らせながらフレームインしてきた理由は、“雷神ステージ”で発生した鬼越トマホークの喧嘩を飛び入りで仲裁し、「お前のライブを観に来てるやつなんて1人もいねぇ!」と暴言を吐かれた後、このバックステージに急行したため。このように、3日間にわたって会場を縦横無尽に駆け回っていることから、「2日目夜の時点で、“4人いる説”と“宇宙人説”が囁かれていました」と西川。そして、配信中にMC3人との記念写真を撮影すると、「この後に出るアーティストを観に行かなきゃいけないんで!」と駆け足で現場を後にし、わずか7分のインタビューながらMC陣も「(去った後も)まだ熱量が残っている」とパワフルさと多忙ぶりに驚くインタビューとなった。

同フェス初出演だった6人組アイドルグループの神使轟く、激情の如く。は、「あっという間の一瞬で、ラストの雨がぴったりな曲の時だけ少し振ってくれて、まるで演出のようでした」と全員が満足気な様子。しかし、西川との挨拶時に派手なステージ衣装ではなくインパクトに欠ける私服で行ったことに後悔の念を抱き、他アーティストへの挨拶はステージ衣装で行くことを誓っていた。

リハーサル時には客入りを心配していたけど、本番ではどんどん人が観に来てくださって、それが嬉しくて全力を出し切ったら声が枯れました」と嬉しそうに話すのは、シンガーソングライターの友希だ。Novelbrightのベーシスト圭吾とは、隣県・岐阜の高校の同級生かつ一緒にスタジオ練習もした仲で、卒業式ぶりに顔を合わせ、「一緒にバンドを結成する世界線があったかもしれない」という、ドラマチックなエピソードを語ってくれた。

3日間にわたって行われた「バックステージ特別配信」のトリは、5人組アイドルグループのフィロソフィーのダンスが務めた。念願だった初出演の感想を聞かれると、「老若男女問わず、楽しみに観に来てくださっている気持ちが伝わってきて、それに負けないように『私たちがさらに踊らせるぞ!』と気合が入って楽しめました」とリーダーの奥津マリリ。だが、到着時間とタイムスケジュールの関係でフェス自体は堪能し切れなかったそうで、メンバー全員で来年以降の出演へ猛アピールした。

全てのインタビューを終え、高倉が「皆様と親近感が沸いたような時間でしたね」と回想したように、多くのアーティストがリラックスした表情で受け応えていた姿が印象に残った今回の配信。また、MC陣の巧みな話術で、普段はなかなか聞くことができない裏話やプライベートトークも数多く引き出され、「バックステージ特別配信」史に残るような1日となったのではないだろうか。

※「宮崎菜々」の「崎」は、正しくは「たつさき」

西川貴教/(C)17LIVE